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リング

Ring.jpg

1998年
中田秀夫監督
高橋洋脚本
鈴木光司原作

松嶋菜々子 、、、浅川玲子(ジャーナリスト)
真田広之 、、、高山竜司(浅川の元夫、大学教授、霊能者)
中谷美紀 、、、高野舞(高山の教え子)
沼田曜一 、、、山村敬(志津子の親戚)
雅子 、、、山村志津子(千里眼の持ち主、貞子の母)
竹内結子 、、、大石智子(浅川の姪)
佐藤仁美 、、、雅美(智子の友人)

BSで入っていたので、久しぶりに観てみた。夏であるし。ほとんど忘れていた為、新鮮な気分で観ることが出来た。
不安や恐怖、不穏な空気感を演出で淡々と忍ばせて行くところが良い。
(クリーチャーやスプラッターシーンがこれでもかと出てくる西洋ホラーにない魅力である。わたしがホラーが苦手なのは怖いからではなく、ただスプラッター的刺激ばかりをエスカレートして行く傾向が苦手なのだ)。


観てから一週間で死ぬという個人差なく平等なきっちりとした設定。
ちゃんとその時にテレビ画面から這い出てくるサービスは、今日の時間に正確なビジネスモデルと重なる。
デジタルメディア時代にピッタリ則した呪いである。
しかし、貞子の呪いでなくとも、わたしもデジタルデータを扱う頻度はとても高いし、その作業(基本的にデータのコピー以外の何でもない)をしている事自体、モニタを介したデータのやり取りに呪われていると言える。
スマフォを手放せない人はしっかりメディアデータに呪縛されている。
それはわれわれを身体的に蝕む。ストレスの大部分はそれであろう。

この一週間以内にダビングして別の人に送れば命が助かるというのも、ひと頃流行った不幸の手紙などを思い起こさせる。
もっとも、こちらの方は、貞子自身の無念~怨念を人々に広く周知させようという目論見なのだろうが。
これをネットを使ったメールで広めるようになったら、恐ろしいことになる。(効率と手軽さからも)。
今であれば、貞子も当然そちらの手法に移行するはずだ。(ユーチューブも使ってくるだろう)。
恐らく、コピー配布もマルチ商法的(ねずみ講的)な広め方を強制してくるかも知れない。
そうなるともう爆発的増殖となる。
ネット上なら、特に言葉の意味的な作用はないようであるし、言語的な問題はなければ海外だってシームレスだ。
スーパーフラットだ。
内容的に言っても、かなり興味をそそるビデオである。ピコ太郎みたいに視聴する人は増えるはず。
きっとジャスティン・ビーバーも勧めてくるだろう?

ただ、コピー配布にも限界があり、滞ることでとどんどん死んでゆくことになる。
配布時に1人または2人でよいのに、物凄く多くのメールリストに一斉配布してしまう者が出てくると大変な混乱となる。
ネットやメールをたまたまやらない一部の人だけ助かるみたいな構図もできそう、、、。

わたしは何を心配しているのか?
ひとはモニタを介したデジタルデータのアウト&インプットに呪詛されている。
この手の厄介なトラブルも何らかの形で生じないとも限らない。
何かを拡散しようとすれば、極めて容易くなっている状況であることは確かなのだし。

Ring001.jpg

リングに戻る。
この怨念ビデオは、なかなかよく出来ている。
井戸の中から長い髪で顔の見えない白装束の少女が出てくる間など、見事だ。
そして極めつけはTV画面からシームレスに日常空間に出て来てしまうのである。
アッパレだと思う。
思わず膝を叩いてしまうではないか。

Ring002.jpg

しかし、何故彼女を前に、みんな裸足で外に逃げ出せないのか?!
部屋の中で、這って少しだけ逃げて恐ろしい顔で死んでしまうのか、、、。
やはり出てきた者が余りに珍しくて目を離せないのだ。
身の安全より、好奇心が勝るものなのだ。
そりゃそうだ。普通の番組では例えスーパーマンであろうと仮面ライダーであろうと、出てきちゃくれない。
一体どんな人なのかと、怖いながらもそのサービスと正体に触れてみなくては申し訳ないという律儀な思いに駆られるのだ。
(いや怖いけどそれで愉しみたいという眩暈感を味わいたいのだ。それは人間の本質である。でなければ誰がホラー映画などわざわざ観るか!)

確かにあの顔は怖い。
だが、なにもあんなに恐怖にひきつった顔で死ななくても、と思うのだがどうであろう?

Ring003.jpg

やはり怖いには怖い。
独りでいるときに急にTVが点いて、井戸の場面から吸い込まれるように見入ってしまい、そのままここまで来てしまうと心臓の悪い人はイチコロに違いない。
そうでなくとも、これを見たところで、みんな死ぬようだ。
どうやら怖いだけでなく、もっと心臓に打撃を加える何かがあるのだろう。

Ring005.jpg

わたしがやって竜司さんがしてなかったことは何なの?
と考え、コピーだと気づいたところで、浅川玲子の顔つきが変わる。
息子が深夜に起きて隣の部屋でビデオを観ていたときの玲子のショックは、本当によく分かる。
この映画でもっともショックを受けたところだ。

Ring004.jpg

そして、この映画で一番怖かったのは、浅川玲子が息子の命を救う為、自分の父親にコピービデオを見せようと決意した時の表情である。

貞子と同じくらい怖い目。

こうして貞子の怨念は広まり浸透してゆくのだ。
貞子は(ネット)ビジネス向きの人だ。


プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
基本的に、日々思うことを綴ってゆきます。悪しからず。
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