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GOMA28

Author:GOMA28
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ぼくは明日、昨日のきみとデートする

date.jpg

2016年
三木孝浩監督
吉田智子脚本
七月隆文原作


福士蒼汰、、、南山高寿
小松菜奈、、、福寿愛美
東出昌大、、、上山正一(南山の親友)


「時間が逆に進む隣り合った世界から来たの、、、」
、、、ってどういうことだ?
ここで思考停止してしまう。
ドラえもんのパラレルワールドか?
そこからやってきました、という強引さだけなら笑ってすませるのだが、、、。

取り合えず、観てしまったもので、一言感想を記しておく。


「時間」という観念の持つ、不自由さ~意のままにならぬ、その無常観をペシミスティックな演出装置として利用した青春ラブ・コメディなのだろう。
恋愛物語であれば、もっとも重要な要素は、時を濃密にともに過ごすことに他ならない。
その最終的願いとしてのひとつになるとは、同じ光景~時空に溶け込みたいという感情~気持ちであろう。それは一種の郷愁をも呼び込む。(時間と郷愁はとても親和性がある)。一期一会の想念との結びつきもあり。
(半面、時間は優れて理性~意識と不可分の観念~形式でもある。もっと謂えば、意識の前に時間はない)。

だがこの物語は、時間を演出・小道具に利用してはいるが、実は時間そのもの?とは何の関係もない、もしこんなことがあったらどうだろうというレベルの荒唐無稽で幼稚な発想レベルの産物である。
一言、あり得ない。というだけで終わる。が、、、
取り敢えずは、ヒロインの説いている話に沿って見てみる。面白いところもあるかも知れない。


よくあるドタバタ・タイムリープものなら、それはそれとして楽しむことも可能であるが、この噺は、福寿さんの主観~世界が一日毎に、過去に飛んでゆくというのだ。
それがあくまでも一日毎であるなら、「時間の逆流」などではない。
「時間」とすれば物理的対象として考察できるが、一日というのは、はっきり人間的(文化的)な区切りであり物理現象でも何らかの実体でも何でもない。ここでは、24時間を指しているのではなく、単に一日という枠を指している。その枠があたかも一つのパケットとして、「日にち」で遡行してゆくというのだ。その切断を意識流から考えると実に不可解な繋ぎだ。一日毎に記憶を失ってゆくのというのは。

彼女は病気なのではないらしい。何やら特異な(詩的な)妄想癖の持ち主でもなさそうだ、、、。
それでは、何らかの悪意をもってヒトを引っかけているのか、、、(その線ならあり得るし面白いのだが(笑)。
時間が逆行する異なる世界からやって来て、南山くんに合わせた生活をしているという。
彼もまんまとその話にスッと乗る、、、マジか!
彼女は、超越的視座から彼の世界に関わり、何やら手帳をもとに振舞っているらしい。
(「彼と彼女の変わった時間遊び」とか、そんなテーマならこれもよいかも知れぬが)。
この手帳は曲者である。

午前零時から午後零時までは、南山くんと同時時間を生きる(明らかに単一の世界を共有している)のだが、一日経った瞬間、一日彼女だけ戻るのだという?そのなかで何やら設定された恋愛を上なぞりするのだ。真面目な悲恋物語として進行?する。
イメージとしては、逆日めくりカレンダーみたいだ(福寿さんの方は)。

これは時間の流れとは全く別の事態であるから、、、何であろう。
一日毎のタイムリープか?
しかし、主体が現在にあってのそれではなく、存在自体がそのまま戻って行くというのだ。
だが存在自体が戻って行くということは、実はその環界も戻らなければおかしい。
時間が逆行(遡行か?)するとは、世界自体が戻ることを意味しよう。
南山くんたちの世界で福寿さんだけが独自の系で生きているというのは、一体どういう構造が可能か。
時間は完全に個人的で主観的な創造物である、としても。
われわれが時間を感知するとき、環界の変化~運動を拠り所としている。
それなしに異なる時間も何も認知しようもない。
また、自分の住む環界の時間が逆行すると、何を相対して確認するのか?
その系にいたら、単にそう思い、それが基本だと感じる~信じるだけではないか。
時間とは、基本的に外部に立ち現れる事象~表象の変化そのものとして触知される。
異なる時間系が同時に相手を確認するということは原理的にあり得ない。
二つの場所を同時に知る~存在することは、素粒子~ミクロの場でのみ確認されるにしても。

こちらの時間系に乗り込んでも、自分の時間系~存在様式は維持できるという俯瞰的に二つの系を眺めた場合にしか生じ得ない認識は、時間を空間化して見ているところからくる。つまり明らかに取り違えている。
ふたりの時間系は隣に独立してあるのではなく、何らかのハイパーな接点をもっているとかいうところで強引にもってきても、受け容れられる次元のものではない。
一方的に福寿さんの方が南山くん側に浸食してくる構造のようだが、、、
5年に一度、30日間だけ同じ空間で逆日めくり状態で共存できることの全体的なイメージが、わたしたちは端と端とが繋がっているのよ、と謂うトポロジーでは、成り立たない。
(ギリシャ時代の円環的時間でもあるまいし、、、まさか永劫回帰などと、、、)。
「月」がどう関係しているのかも。
この様相を果たして「時間」という観念でくくれぬのなら、何と表現できるか?やはり真面目にとれば「狂気」という他あるまい。


そもそも自然に不可避的に一日毎に遡って行くという生命のありようは、身体性から謂ってもイメージからも全く受け容れられないし、科学的~理論的には勿論のことである。
存在とはまさに今現在を生きるものだし、その今とは、過去という全記憶の総体の上に成り立つ。
つまり、記憶~思いの蓄積がアイデンティティを確立してゆく。
自分という根拠を重くしてゆく方向性は、線状的には前方、もっと謂えば垂直性にある。

知の蓄積も肉体的衰退~老化も逆方向に向く流れ、、、イメージは無理だが、、、では、そもそも生命自体の存続~持続が不可能ではないか。
肝心な発端はどうなのか。この短い物語においても発端と終末が全く体を成さない。
ともかく、どういう形で始まるのか。
そもそも未来が始点という未来とはどの時点なのか。

そして最期には母親の胎内に戻ってゆくというのか。
果たしてそんな虚しい存在があり得るのか。
悲恋物語どうのという前に、その逆行生物自体が余りに悲し過ぎないか!
映画のシーンで、彼女の絵を描く南山の場面があるが、その完成した作品は彼女の次の日にはなくなっているのか、、、芸術作品や文化的成果が徐々に消えてゆく世界だとしたら文明は早晩消滅し人類(生物)も消えてなくなるはず。
ともかく、どういう系のイメージ~考えによる世界観~設定なのか。
全く見えてこない。そしてそれを丸呑みして彼らのやり取りに寄り添うこともおよそ不可能である。
その内容もご当地ネタを絡ませてほとんど意味もない会話で何故かすぐにというより始めから恋愛モードである。
ここに何があるというのか?


最後に小松奈々が「馬鹿がまた引っかかったわ。」と言ってほくそ笑むところで終わるのなら、そこそこ面白い映画であった。あのどう見ても不可解な手帳もある意味、思わせぶりなトリックであり(ワザと南山に読まれるように置き忘れたのだろうし)、阿呆なイケメンをドラえもんネタで勾引かして楽しむ、「渇き」の謎の美少女以上に危ない美女の可能性もあったのに、最後までシリアス系であったのには、がっくりした。
あの電車に乗ってしゃがみこんで、泣いたフリして舌を出して笑い出すところを見たかった、、、。

この原作本がベストセラーということで、思わず別の用で本屋に出かけたおり、買ってしまった(爆。
しかし、読み始めたところで放り投げた。
、、、映画も好評らしい。どういう状況なのか?背筋が寒くなる、、、。


小松菜奈も出る映画を選ばないと、女優としての危機に陥ると思われる。
スコティッシュ監督の映画にも出ているそうだが、活躍の場をそちらにシフトした方が展望を感じる。
ハリウッド進出しても充分にやってゆけると思うが、、、。



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BFG: ビッグ・フレンドリー・ジャイアント

The BFG001

The BFG
2016年
アメリカ

スティーヴン・スピルバーグ監督
ロアルド・ダール『オ・ヤサシ巨人BFG』原作
『チャーリーとチョコレート工場』の作者でもある。
メリッサ・マシスン脚本

マーク・ライランス、、、BFG
ルビー・バーンヒル、、、ソフィー
ペネロープ・ウィルトン、、、女王
レベッカ・ホール、、、メアリー


「ブリッジ・オブ・スパイ」の燻銀のソ連スパイ役のマーク・ライランスの主演である。
(その作品もスピルバーグ監督であった)。
あの達観したクールなスパイとは全く対照的な人の好い素朴なおじさんである(笑。

VFXは圧倒的であった。
動きの重なりや迫力、美しさもだが、ここではとりわけ、物の大きさの対比によるスケール感が見事であった。
そしてじんわりと巨人と少女とのこころの触れ合いを描く。
両者ともに孤独な存在である。
孤児院の夢見がちで本好きな少女とヒトを食べない人の好い巨人。

耳の大きい巨人は見慣れてくるとかなり良い感じのキャラクターに思えてくる。
特に笑顔である。(ソ連のスパイの時は、一瞬たりとも笑顔はなかった)。
少女もだんだんと可愛い子に見えてくる(笑。
(最初の頃はこまっしゃくれていて、あまり可愛げがない)。


なかなか眠りにつけないソフィーは深夜、孤児院の窓辺で巨人と目が合い、彼にさらわれ地図にない巨人の島にやって来る。
最初は、彼を恐れて逃げ出そうとするが、話をするうちに打ち解ける。
彼女は身長7メートルの彼が巨人の中ではとても小さく、ヒトを食べない特別な存在であり他の巨人に迫害されていることを知る。
そんな境遇もあって、ふたりは、程なく親友となる。

深夜密かに子供たちに夢をプレゼントする為に彼、 ビッグ・フレンドリー・ジャイアントは、夢を捕らえに行く仕事をしている。
ソフィーと一緒に美しい湖の湖面に映る影の世界に入り込むところがよい。
そこで夢を捕らえるのだ。
鏡に出入りする例は少なくないが、湖面でしかも面を境に対称に(逆様に)立つところはユニークである。
全編VFXの技術が遺憾なく発揮されているが、ここと巨人たちとの戦闘場面が特に際立つ。

完全な色鮮やかなファンタジーであるが、如何にも意地の悪そうな粗暴な巨人たちがふたりの前に立ちはだかる。
ここがまた一つの見せ場ともなる。
ただ綺麗なだけではファンタジーにはならない。
なくてはならないダークな部分をフレンドリーではない巨人たちが担う。
人食い巨人のボス、マルノミはまさにジャイアンであった。
「ニンゲンマメを隠してるな~っ」と言い、ソフィーを探し出して食ってしまおうと、BFGの家に雪崩れ込んできて暴れまわり部屋を滅茶滅茶にする。彼らは水に弱く、水を嫌う。
BFGは何とか彼らの暴挙から逃れるが、彼らの暴挙を止め、子供たちが食べられるのを防ぐ策を考えることにする。
結局ソフィーのアイデアで女王の助けを借りて、巨人たちをやっつけることになった。

そこで、捕らえた夢の中で酷く恐ろしい夢を瓶に詰め、女王に夢を観させた後で謁見する。
女王は夢で彼らの願いは確認しており、人食い巨人たちを軍隊を使って処分することを快諾する。
宮廷内でのもてなしの食事の風景は愉快なものだ。
BFJお手製「プップクプー」をお偉いさんが飲んだところなど、イギリス風のジョークか。
イギリス紳士が皆、フレンドリーですぐにBFJを受け入れて和んでいるところが面白い。

そして最新軍用ヘリでBFJの誘導により巨人の島へ、、、。
このテクノロジーの先端を行くヘリとこの巨人との取り合わせが、なんとも異質なコントラストであった。
まず、ソフィーが巨人たちに、彼らが自責の念に駆られる夢を瓶を割って観させる。
ジャイアン、、、ではなくマルノミだけは、夢を呑み込まないで出してしまい相変わらず凶暴に暴れる。
混乱を極めた巨人たちは次々にヘリの網にかけられ、宙吊りにして運ばれて行く。
ここは実に鮮やかな手際だ。しかし、こんなケースが軍事行動であるだろうか、、、手際が少し良すぎる感はした。
巨人たちは海に囲まれた小さな孤島に落とされ、彼らが嫌いなお化けきゅうりの種だけが与えられた。

「ジャックと天空の巨人」から見ると、まだまだ可愛げのある巨人ではあった。


「進撃の巨人」より面白い。

”Bon voyage.”

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