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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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大鹿村騒動記

oosikamura001.jpg
2011年
阪本順治 監督・脚本

忌野清志郎 主題歌「太陽の当たる場所」

原田芳雄 、、、風祭善(食堂「ディア・イーター」店主)
大楠道代 、、、風祭貴子(善の妻)
岸部一徳 、、、能村治(善の幼なじみ)
松たか子 、、、織井美江(村役場総務課)
佐藤浩市 、、、越田一平(バス運転手)
冨浦智嗣 、、、大地雷音(「ディア・イーター」アルバイト)
瑛太 、、、柴山寛治(郵便局員)
石橋蓮司 、、、重田権三(土木業)
小野武彦 、、、山谷一夫(旅館主人)
小倉一郎 、、、柴山満(白菜農家)
でんでん 、、、朝川玄一郎(食料品店店主)
加藤虎ノ介 、、、平岡健太(村役場職員)
三國連太郎、、、津田義一(歌舞伎保存会会長、貴子の父)


「大鹿歌舞伎」という300年の伝統をもつ歌舞伎を村をあげて守り続けている人々の話をユーモラスに描く。
キャストは、芸達者揃いであるが、歌舞伎の演技は実に素人臭く演じているところがミソ。
この「大鹿歌舞伎」は、長野県下伊那郡大鹿村に伝承されている地芝居であり、国の重要無形民俗文化財にも指定されている。

村人もエキストラで300人以上参加しているそうだ。
賑やかで盛大で如何わしくとってもキッチュで神聖な行事である。
何というか、地芝居というハレの場が、全ての矛盾や葛藤や秘めた想いを解放してしまう、、、。
そんな磁場の面白さを描こうとしているのか。
伝統ある村の独特の雰囲気が感じられ、風景(南アルプス)もそれらしく見える(笑。
しかしそんな村もリニアモーターカーの誘致を巡り喧々諤々の論争の火花も散る。
「大鹿歌舞伎」の稽古にも影響を及ぼす勢いであるところが面白い。
(誘致急進派の重田などは、歌舞伎とはっきりリンクするとまで言い放っている。元気な村だ)。
ちなみにこの食堂「ディア・イーター」では、鹿肉料理がメインである。
皆、それぞれの仕事中に、歌舞伎の自分の役の稽古を自主的にやっている。
この時期のこの村の日常なのか、、、。
定期公演が近づいてきた。
そんな折も折、、、

善のもとから駆け落ちして失踪した妻貴子がその相手の治と共に18年ぶりに村に帰って来る。
治は、貴子の記憶が無くなったから返すと連れてきたので、怒る前に呆れかえる状況。
そのままふたりを家に泊めることに、、、。
性同一性障害の大地雷音も「ディア・イーター」のバイト募集で入ってきて、俄かに活気ずく。
と言うかてんやわんやの状況になる。
そこへ風祭善の相手役を長年務めてきた越田一平が台風の土砂で事故を起こし芝居に出れなくなる。
その穴を埋めるのが貴子であった。
貴子は実は一平の前のその役の演者であり、不思議にセリフはしっかり覚えているのだ。
劇の稽古から本番まで、見事に記憶は戻っており、自分が治と駆け落ちしたことも思い出していた。
善と貴子は、この芝居で再び結ばれる、と思ったのだが、、、。

主軸となる風祭善~風祭貴子~能村治の複雑なやり取りに、織井美江(松たか子)と越田一平(佐藤浩市)や柴山寛治(瑛太)と大地雷音(冨浦智嗣)の演技が交錯する。そこにでんでんが良い味を付け加える。
最初、「大鹿村騒動記」という題名を見たとき、TVの2時間ドラマ的な印象を持ったのだが、所謂、映画であった。
芸達者な玄人が素人っぽい劇をやるところがやはり面白く、舞台の会場には相当な数のその村の素人エキストラが様々な表情で見に来ている。

さて映画であるが、映画特有の時間を味わうことは出来たが、内容的に面白かったかと言えば、さほど惹きつけられるところもなかった。感情移入して見られる場面もなく、基本的にほう、この人が出てるなあ、と思いながら見ていた。
「大鹿歌舞伎」が実際かなりの尺を取り演じられるのだが、そこが一番面白いところだったと感じる。
確かに熟して枯れて深くなった懐を感じる原田芳雄の示す愛情は、彼でなければ表現できないな、とは思ったが。
感心はするが、感動する類のものでもない。


村興しには、かなり役立った広報映画となったのではないか。
ありそうもない「騒動記」ではあったが、、、。


原田芳雄の遺作というのも、感慨深い。
(まだまだ元気な感じであるが)。
三國連太郎も忌野清志郎もその後に亡くなっている。

忌野清志郎の曲は、どれも皆彼と分かる曲とヴォーカルであり、ホッとする。


サイレント・ランニング

Silent Running001

Silent Running
1972年
アメリカ

ダグラス・トランブル監督

ジョーン・バエズ「リジョイス・イン・ザ・サン」音楽

ブルース・ダーン、、、フリーマン・ローウェル
ドローン1(デューイ)
ドローン2(ヒューイ)
ドローン3(ルーイ)


ロボットが独りで誰もいなくなったドームで植物の世話をしているといった光景は、既視感というか郷愁を感じさせる。
J・Gバラードの小説などにもこのような光景をたびたび観た記憶がある。
「天空の城ラピュタ」のロボットも忘れ難い。
「結晶世界」誰か映画化しないのだろうか?きっと凄まじい傑作SFができると思うが(誰に頼むかの問題だが)。
おバカSFばかりでは、ちょおっと寂しい。
ジョーン・バエズも興味ないなあ、、、。


最近のまともなSFと言ったら、インターステラーオブリビオンオデッセイエクス・マキナくらいか、、、。

”Silent Running”という映画があることは、知っていたが特に見る気もなくそのままでいた。
今回、BSの録画でたまたま見てみた。

生物学者が、植物の不調に際し、日照状況に気づかないということがあろうか?
(最初からそれら全ての諸条件を完全に取り込んだ装置でプログラミングされた管理がなされているはずではないのか?)
光に関しては観葉植物の鉢植えの世話など一度でも経験した人なら、素人でもまず気にする要素だ。
この博士とこれまでの研究に根本的な疑問を投げかける摩訶不思議な部分である。

ロボットが極めて初歩的な歩行型作業ロボットに見えるが、プログラムカードの差し替えで、船体メンテナンス、人の足の手術、カードゲーム、更には仲間同士の何やらコミュニケーションまでとっている、というのはその形体からしてもあり得ない。
特にあの「手」である。巧緻性などまずない。
このロボットの二本のカギ爪で複雑・繊細極まりない作業をどうやってやるのか?
しかもプログラムの差し替えで動くロボットである。
自立系AIですらまだまだ遠いコミュニケーションなどどうやって可能としているのか。
ロボット同士で意思疎通なんて200年は早いわ。
はっきり言ってかなり出来の悪いロボットだ。それだけのことをさせようとするなら、鉄腕アトム(ATOM)くらいのを出してもらいたい。

あのドーム内の電力の供給もあり得ないもので、どこからあれだけのエネルギーを得るのか。
しかも場所が土星近辺ときている。
太陽エネルギーなど全く見込めないが、本体と切り離されてもそのほぼドームだけといった形の、何処かに原子炉が備えられているのか、、、。どう考えても構造上本体側になければおかしいであろう。
ドーム側では、あったとしても太陽光パネル程度だろう。しかし宇宙空間のその位置において設置意味がない。

植物も実を付けたものを食べるところまで出来ており、もう地球に持って帰ってそれをどう根付かせ増殖していけるかのレベルではないか?そもそも実験ドームの中にこんもりした林まで作ってどうするのか?
そんな増殖(幻想も含め)をする前に、研究実験の詳細なデータのやり取りがしっかり当局との間でなされ管理されてきているのか?
その場所を人類の住処とするような巨大な空間~宇宙コロニーとするというのならともかく、単なる大きめの実験室であろう。
動物との共存形態も研究しているのか、、、ウサギやカエルまでいるが。それは地球にまず植物を繁殖させてから後の問題であろうに。
どうも研究テーマがはっきり見えてこない。単なるフリーマンのフリーな趣味のレベルとしか思えない。


宇宙空間に長いこといればそりゃ退屈だし、ジャングルみたいなものが作れればそりゃ楽しかろう。
いずれにせよ、そこを恒久的な環境としてずっと維持しようとする発想が分からないし、そんな自由がそもそも与えられているのか。
もう取り憑かれている。
実験結果のデータや成果のサンプルやらを持って一刻も早く帰還して、母体の地球を何とかすべきではないのか?
目的はそもそもそれではないのか?
土星近辺でわざわざ行ってきたその8年間の研究自体が、どういう意味をもつものなのか、説明があってほしい。

肝心の地球環境が飢えも病気も職業の心配もなく、何処もぴったり24℃に設定されているという環境の状況、納得できるメカニズム~システムの説明もなければ困る。わたしはこんな世界歓迎だが。(ほとんど霊界を想わせるとは言え(笑)。
それとの対比で、この宇宙植物実験施設の意味合いや価値が明瞭となり、われわれもその世界間の軋轢や理想や展望について思いめぐらせる余地が生まれてくるはず。

どうもなにやらはっきりしない。
凝ったガーデニング趣味に取り憑かれたフリーマンの妄想を描いたホラー映画という位置付けなのか?
また同乗する3人のクルーがほとんど何かの専門家には見えない連中であったが、何のために乗っているのか?研究者でもなく似たような妄想癖もなければ、フリーマンの趣味に8年間付き合わされては到底やってられないだろう。
盆栽趣味でもあれば、一緒に楽しめるところだろうが、そんな感性の感じられる連中ではない。
彼らとしてはさっさと退却したいはずだ。

変わった映画だ、、、。

ともかく、フリーマン(どうもわたしの贔屓しているモーガン・フリーマンとこんがらがる)は、自分の育てた植物園が破壊処分されるのが許せないのだ。そりゃ、8年間手塩にかけて育てた世界が無慈悲に宇宙のチリとされるとあっては、頭には来よう。
しかし、それよりもまず、当局に(クライアントに)要求された研究成果はあげられたのか、なのである。
問題はそこのみである。それが明瞭に語られない点がこの映画の致命的な点と言える。
期日までに成果が上げられなければ、法的な契約問題も含み、普通それまでである。
破壊・帰還命令が出るということは、明かされぬにせよそれなりの理由もあるだろうし(政治・権力の面からも、、、それだけかも知れぬが、、、珍しいことではない、ゴルバチョフによるソビエト連邦版スペースシャトルの航行中断もまさにそれである)せめて個人レベルで許される範囲で、役に立ちそうな苗でも持って素直に帰還すべきであろう。
別に船員がゲス野郎であっても殺すほどのものでもない。

恐らく宇宙空間に長く滞在するうちに、理解者のなさや何やら研究が圧迫されていることからくる被害者意識で妄想が膨らんでいたところに、研究打ち切り命令が来たため一気に暴走とあいなった、というところか。


テーマは、宇宙空間における孤独な存在の内に巣食う妄想の肥大と爆発である。
文字通り爆発して終わり。
切り離されたドームに植物に水をやるロボットが一体。であるが、、、。
後は、多分土星周回軌道上に吸収されて細かい輪っかを構成するチリの一部として周回する運命だろう。



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