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ランブルフィッシュ

Rumble Fish001

Rumble Fish
1983年
アメリカ

フランシス・フォード・コッポラ監督
S・E・ヒントン原作
スチュワート・コープランド音楽 言わずと知れた”ポリス”のドラマーである。

マット・ディロン、、、ラスティ・ジェームズ
ミッキー・ローク、、、モーターサイクルボーイ(兄)
ダイアン・レイン、、、パティ(彼女、、、元か)
デニス・ホッパー、、、父
ニコラス・ケイジ、、、スモーキー(ラスティを裏切る)
ヴィンセント・スパーノ、、、スティーヴ(ラスティの親友)
トム・ウェイツ、、、ベニー(カフェバー店主)

とても贅沢なキャストだ。
トム・ウェイツは、俳優としてもかなりのキャリアを積み重ねていることを改めて知った。
ミュージシャンで俳優をやっている人は確かにいるが、、、どちらも極めている。


荒涼とした夜の迷路をあてどなく彷徨うモーターサイクルボーイとラスティ・ジェームズ。
そうここは完全な迷路だ。
この不安と不穏の響き渡る夜の街で、頼りとしている背が、ふっと兄の姿が視界から消えるときの寄る辺なさ、、、すごく共振した。
いみじくも彼らの父が呑んだくれてラスティ・ジェームズに言ったことがとても実感できる。
「鋭い知覚認知を持っているからといってそれは異常ではない。ただ間違った時代に間違った場所で生を受けてしまったんだ。彼は自分が何も望むことがないのに気づいてしまったんだ、、、。」
Rumble Fish002


道理で、カフカの小説をあからさまに原作とした映画より遥かにカフカ的であった。
また、シュールレアリスムに通底する。
だから街のディテールは冴え渡っているではないか!
タルコフスキーの詩情も感じる。
感触は「去年マリエンバートで」に近かった。
アメリカ映画界は時折、飛んでもない作品を生み出す。
フランシス・フォード・コッポラは、と言うべきか、、、。
確かに「コッポラ胡蝶の夢」も圧巻であったが。

闘魚だけが美しい赤と青であった。
モーターサイクルボーイにはそう見えていたのだ。
他の表象は音量を絞った白黒テレビに過ぎなくとも。
だからその魚だけは海に繋がった川に解放したかったのか、、、。
(自由は幻想に過ぎなくともせめて、外に向けて解き放ちたかったのだ)。
「お前はおれのバイクで川に沿って走り海に出てくれ。」
これが兄の遺言であることを無邪気なラスティ・ジェームズも悟る。
しかし何故、こうなってしまうのかは分からない。だが彼は涙ぐみつつ覚悟は決めている。
確か兄は、カリフォルニアに行っていたのに、海には出れずに足止めを食っていたという。
海を目指したのに海に出られなかった闘魚なのだ。

何も意味がない。
意味~色のない音も微かな世界~表象にモーターサイクルボーイは生きていた。
しかし、それで生に対する感覚が研ぎ澄まされることもある。
喧嘩~スリルに逃げていたが結局何も見い出せなかった。
ほとんどの連中は、楽しんでさえいなかった。
誰もが兄貴を慕ってついてゆく、と言っても彼は答える。
「人を率いるなら行く先が必要だ」と。(「ハーメルンの笛吹き男」に例えて話をする)。
しかしその答え~行く先はない。
(そのままだと、みんな海に落ちることになる。その為、スモーキーはラスティを裏切った)。
カフカの主人公たちも、とりあえずの行く先は名目上あるにはあるが、常に途上での細々した出来事に不可避的に関わり迷路に深く囚われ死んでゆくのだ。

モーターサイクルボーイにとっても、ただ外へ出る以外に道がない。
しかし、彼も今1歩の所で何かに阻まれる。
それは母に遭ったことか。
兄は諦観漂う飄々とした表情で還ってくる。

「おれは5歳で子供をやめた。」
「おれはいつ子供をやめられるかな。」
「一生ない。」
兄と弟の対話である。
弟は単純で無邪気だが、この兄の孤独は計り知れないものがある。
あの不気味なほどの穏やかで繊細な語り口、というより感情を捨てたような表情と語りは、もう街に戻ってきたときからすでに最期を見据えていた。


弟は兄に託され、、、何も分からないまま、ただバイクを走らせる。
海に、、、夜明けに向けて、、、

Rumble Fish003

ラスティ・ジェームズはカモメの鳴く明け方の海にバイクで降り立つ。


音楽がとてもマッチしていた。
エンドロールの音楽もよかったがこれは、ポリスである(笑。
コッポラが兄に捧げている作品である。
分かる気がする、、、。

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プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
日々思うことを綴ってゆきます。
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ることもあります。
悪しからず。
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