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ハンニバル

Hannibal001.jpg

Hannibal
2001年
アメリカ

リドリー・スコット監督
トマス・ハリス原作

『羊たちの沈黙』の続編の位置にあるが、これだけで独立している。
寧ろ「羊たち、、、」とは別物として観たい。クラリス・スターリングがジュディ・フォスターではない。
リドリー・スコット監督によるひとつの映画として観てみた。

アンソニー・ホプキンス、、、ハンニバル・レクター
ジュリアン・ムーア、、、クラリス・スターリング(FBI特別捜査官)
ゲイリー・オールドマン、、、メイスン・ヴァージャー(ボルチモアの大富豪)
レイ・リオッタ、、、ポール・クレンドラー(司法省官)
ジャンカルロ・ジャンニーニ、、、レナルド・パッツィ主任捜査官

イタリアのフィレンツェに潜伏するレクターであったが、ちゃっかり途轍もない造詣を武器に由緒あるカッポー二図書館書士に収まろうとしている。
だがすぐに顔は割れてしまう。知る人ぞ知る有名人であるから。
おまけに懸賞金も旧友メイスン・ヴァージャーによってかけられた。
FBIのHPでも行方不明の凶悪犯として昇格され掲載されている。
しかしレクターはそれを余裕綽々に楽しんでいるのだ。
勿論、目立ちやがりだから話題にされると嬉しい。
レスターに負けじ劣らじのサイコ大富豪のヴァージャーも思い切り趣味で絡んでくる。
独自の凝りまくった方法でレクターを殺害して楽しもうとしている。
三つ巴か?

ゲイリー・オールドマンも「裏切りのサーカス」でダンディズムの極を行く役柄から、もう一方の極とも言えるここまでちょっとやりすぎの感はあるが。
元々、数々の大変癖の強いエキセントリックな役を頼まれてきた人である。
フィフス・エレメント」のジャン=バティスト・エマニュエル・ゾーグ、「レオン」のノーマン・スタンスフィールド、「ドラキュラ」のドラキュラ伯爵(ここではアンソニー・ホプキンスとも共演)、これから観る予定にも入っている「シド・アンド・ナンシー」のシド・ヴィシャス、、、そう言えば、ベートーベンもやっていた、、、。やはりとんでもない幅があるとは言え、常に常人から逸脱した特異な個性(才能)を演ずる運命の人と言ってよいようだ。
レクター曰く、ヴァージャーはかなり歪んでいるから想像を絶する方法を考えて来るはず、ってあんたに言われたくはないが。
どっちもどっちだ。
Hannibal003.jpg

そして長いこと観る気が起きなかったのは、クラリス・スターリングがジュディ・フォスターでなかったからだ。
わたしにとって『羊たちの沈黙』が余りに大きいものであった。
アンソニー・ホプキンスとジュディ・フォスターの構図が絶対的であったため、彼女がいないということは、少なくとも続編などと言える代物ではない。
確かにジュリアン・ムーアも頑張っているが、いまひとつ何かが薄い。
これだけの作品として観れば(「羊、、、」がなければ)、素晴らしい役作りで見事にスターリングを演じきっているとも言えるが。
ジュディ・フォスターとどうしても比べてしまうのだ。これは仕方ない。
悪いとは言わないが、雰囲気的にすんなり受け取れないものがあった。
しかし、この監督ならではの、そしてレクターの美意識にも絡めた「質感」が彼女を通して実現されていることは確かである。
「宙返りする鳩」の危うさと果敢さは充分感じられた。
Hannibal002.jpg

そして「グッド・フェローズ」でお馴染みのレイ・リオッタであるが、、、生の脳を食されてもね~。
悪い奴だから、食べられてもよいかも知らぬが、旨いのだろうか?
インディージョーンズでは猿の頭のシャーベッドが出ていたっけ。
昨日見た「コンテイジョン」のグウィネス・パルトローも脳炎の確認のため、頭皮をペロンと剥がれ脳みそを調べられていた。
どうも続くものだ、、、。
結局、飛行機の中でもハンニバルはそれを食していたようだ。
近くの席の男の子にもお裾分けしていた。「新しいものをお食べなさい、、、!」
(あの惨殺されたパッツィ捜査官の奥さんも食べられたのかどうか、分からなかったが、、、)

彼の切断した手はどうなったのか?
外科医みたいだから、何とかくっつけたか?
Hannibal004.jpg

エンドロールのオペラの曲" Vide cor Meum " はこの映画のために書き下ろされ演奏されている。
(バロックオペラにしては現代風に洗練されているな、、、と思ったらオリジナルオペラだった)。
とてもドラマチックで荘厳な素敵な楽曲だ。
歌詞はダンテの恋愛詩集「新生」から。
「愛の歓喜に目覚めた彼女は、おののきつつもうやうやしく、私の燃える心臓を食べてしまった」
ダンテのベアトリーチェへの想いを切々と綴ったもの、、、。
ここでは紛れもなくレクターのスターリングに対する想いにほかならない。
究極の愛か。
このオペラは中盤の野外オペラ場でも上演される。
レクターとパッツィ夫妻が出逢う場所だ。(レクターが調べて彼らに合わせたのだろうが)。
このオペラのシーンは短いが非常に印象に残る。(もっとそのシーンの尺を取って欲しかった。)
最後の深夜、クレンドラーの別荘にスターリングの保護~レクター逮捕に向かうパトカーの連なって走る様も異様に美しい。
映像と音楽が極めて美しく融合しているシーンが際立つ映画である。

リドリー・スコット監督の美学は徹底されていたと思う。
プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
日々思うことを綴ってゆきます。
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ることもあります。
悪しからず。
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