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最高の人生のはじめ方

The Magic of Belle Isle001

The Magic of Belle Isle
2012年
アメリカ

ロブ・ライナー監督・製作
ガイ・トーマス脚本
ドラマ映画

モーガン・フリーマン、、、モンテ・ワイルドホーン(筆を折った西部劇作家、車椅子生活)
ヴァージニア・マドセン、、、シャーロッテ・オニール(離婚調停中の母)
エマ・ファーマン、、、フィネガン・オニール(シャーロッテの次女、作家を目指す)
アシュ・クリスチャン、、、カール(障害を持つ少年)

同監督の「最高の人生の見つけ方」と似過ぎていて、混乱する。
ということは、「スタンド・バイ・ミー」の監督ではないか、、、いやが上にも期待は高まる!

しかし「ベル島の魔法」なのだし、、、。この邦題、大ヒット作「最高の人生の見つけ方」に肖っちゃおうという魂胆か?
もう少し何とかしてもらいたい。同一シリーズと勘違いされる恐れもある。
(関係ないが「新しい人生のはじめかた」というダスティン・ホフマンの映画もありこんがらがる。こちらはLast Chance Harveyである。実物買いならともかく、忙しなくウェブ上でポチッと買うときなど間違えないか心配である)。

お隣同士で知り合い、そこから展開し双方の再生を果たしてゆく話である。
隣といってもどちらも避暑地での期間限定の湖畔にある別荘住まいである。
モンテの方は最愛の妻を亡くしてからというもの、もうタイプライターも見たくない、人とも関わりたくない、酒に溺れていたい心境である。事故で足を失ってから支えてくれていた妻がいない今、物語の主人公も封印してしまっていた。
一方お隣の母と三人娘の家庭は、夫との離婚調停中でストレスが渦巻いている感じであるか。
離婚が決まればそこが実家となる可能性もあるようだ。

The Magic of Belle Isle002
小ネタの多い映画である。
この犬がキャビンの持ち主から預かったリンゴである。(ここに前にいた他の犬は、ジョン、ジョージ、ポールだったという)。
モンテはそれが気に食わない。スポットと改名する。
スーパーのレジに最後に客が反射的に買うだろうと思って置いておくサラミが気に食わない。
レジの店員にひまわりの種を置けと要求する。
結構気難しい男ではある。

しかし、隣の次女フィネガンは勘が鋭く、モンテに何をか感じ取り、彼が移ってきた初日から興味深々である。
そして彼が小説家であることを知るとすぐに彼の代表作「ジューバルの冒険」を買いに行くなど行動も早い。
彼女はお話の作り方を小遣いを叩いて教えてもらおうとする。
(本当は西部劇より宇宙人の話のほうが好き、というのはわたしも一緒でとても共感した(笑)。

「想像力こそが人類最大の力である」と彼の力説するところ、J・G・バラードと一緒で全く賛成である。
その想像力の使い方の方法をフィネガンに教授してゆく。
二人のやりとりはかなり面白い。
話の持って行き方が、如何にもモーガン・フリーマンという感じであり感心する(脚本であるか(笑)。
想像力による創作のもって行き方はさり気ないが重要なところである。
またフィネガンがなかなかの娘であり、これはモンテにとっても楽しみだったはず。
(別れの日に、「君が本当のわたしの娘だったら、、、」という件では、こちらも思わずグッと来てしまった)。


やはり一番大きい役割を果たしているのが、フィネガンであり彼女の刺激で、モンテの犬に対して、シャーロッテに対して、カールに対しての姿勢がとてもしなやかに解れたものになってゆく。
それは彼の創作意欲の再燃にも繋がってゆく気配もある。

そう、モンテとフィネガンとの想像力を介した繋がりが彼と隣の家、というよりシャーロッテとの愛情を芽生えさせたといえようか。
大きな起伏もドラマチックな要素もないが、われわれの日常に接合した世界が活き活きと展開されている。
そこが最も魅力的なところだ。
われわれと隔絶されたファンタジーではない。
想像力はわれわれのものだ。
われわれも魅惑的な女性(シャーロッテ)の弾くベートーベンに一発でこころ惹かれるようなことはいくらでもある。

カール君との関係も面白い。
モンテの右腕として変身して行動した日々は、確実に彼の生きた経験となるはずである。
そしてこれらとの関わりが何よりモンテに活力を与えてゆく。
最初の頃の頑迷なじいさんの雰囲気は終わりの方には全くない。
フィネガンが自分で物語を作り始め、末娘にねずみとゾウの話を作ってあげるうちに、当然自らも変化してくるものだ。
それに応えるように毎晩、シャーロッテはベートーベンを隣から優しく奏でてくれた。
この奥ゆかしさ、、、。


避暑を終えて彼は帰ってゆくが、ひょっこりまた戻ってくる。
全く使えなかったe-mailで近況を知らせてきたのだ。
小説の版権を映画業界に売り、家を買って転居してきたと。
するともう先のキャビンに犬といるではないか、、、。
フィネガンがそれに気づき、真っ先に彼に飛びついてゆく。
すでに彼はフィネガンにとっては人生の師(お父さん)であり、シャーロッテにとってはもはや最愛の人でもあった。

The Magic of Belle Isle003

何にしてもモーガン・フリーマンはもう絶対的な存在である。
この映画も、フリーマンそのものだ。

犬が何でスポットと名付けられたのか、わたしには分からなかった。
分かる人、教えて欲しい。

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ドノバン珊瑚礁

DONOVANS REEF

DONOVAN'S REEF
1963年
アメリカ

ジョン・フォード監督・製作

ジョン・ウェイン 、、、マイケル・ドノバン(アメリカ海軍の退役軍人、酒場の主人)
リー・マーヴィン 、、、ギルフーリー(アメリカ海軍の退役軍人)
エリザベス・アレン 、、、アメリア・デダム(ボストン社交界の女王)
ジャック・ウォーデン 、、、ウィリアム・デダム(アメリアの父、医者)
ドロシー・ラムーア 、、、ラ・フルール(ギルフーリーの恋人)
ジャクリーヌ・マドーフ、、、レラーニ(ウィリアム・デダムの長女)


アミリア・ディダムは、大叔母の死にともない「アミリア・ディダム汽船会社」を引き継ぐことになる。
だが、父ディダム医師が多額の株を保有している為、父に会い会社経営権を認めてもらう交渉をしに南太平洋の孤島ハレアコロハにやって来た。
彼女も至って高慢であるが、受け入れる島の白人(原住民はいたって大人しい)たちがみな粗暴で礼儀がなくまた彼女の相続金を我が物にしようという腹に一物ある者もいる。
彼女の登場によって巻き起こるドタバタコメディである。

ウィリアム・デダムは戦後島に住み着き、島民になくてはならない医者となっており、ボストンには戻ることはなかったのだ。
しかも現地人~王女マヌラーニと結婚して3人の子供もいた。
だが、アメリアがやって来るということで、急遽子供は酒場”ドノバン珊瑚礁”を経営しているマイケル・ドノバンの子供として紹介する運びになってしまう。人種偏見丸出しの大人の都合に、長女レラーニは戸惑いを隠せない。
ただ、周囲の粗暴で無神経な人間とは異なり、彼女は取り敢えずそれを受け入れ静観する。
レラーニだけが大人で高貴な雰囲気をもっていた。(その他の有象無象がともかく粗暴なのだ)。

特に、マイケル・ドノバンとギルフーリー、その他の海軍の連中が酒を呑んでは喧嘩ばかりしている。
実に衝動的で横暴で自己本位な西洋人丸出しで、何をやっているのか分からない。
ピアノや家具などをやたらとぶち壊す。酒瓶を投げまくる。
ドリフのコントでももっと抑制が効いていた。
どういう脚本なのか、、、といってもこういう脚本なのだろう、と呆れるばかり。
ただの無意味で粗暴なだけのドタバタをたくさん見せられるが、面白いという類のものではない。
人種差別観も極めて無防備に無邪気に表出されている。
アメリカ人はこれを見て腹を抱えて笑ったりしているのだろうか?
今のアメリカ政権にも重なって見えてくるのが不気味でもある。


ここで終始問題なのは、ヒーローとヒロインに人としての魅力が全くないことである。
粗野で筋肉だけしかない何か別の生き物であろう。
であるため、感情移入して観る通常のアメリカンシネマの見方が出来ない。
強いて言えば、レラーニであろうが、脇役すぎる。
ウィリアム・デダムが父として、冷静な医者としてもう少し出てくるかと思ったが、ほとんど個性は発揮しない。

アメリカ映画のもっとも嫌な部分が詰まった映画であった。
これが迫力とか豪快とか男臭さ、元気なじゃじゃ馬娘などといって評価されているのであれば、もう世も末である。

DONOVANS REEF002


ここで結ばれるヒーローとヒロインが、どちらもつまらないキャラである為、彼らがどうなったなどに関心もない。
最初から最後の丸見えな映画ではあったが、予定通りに終わっていった。
あまり多くを語る気にさせない萎える映画である。
酷く稚拙な作りに思う。
ジョン・フォードだから何かあるかと、見てしまったがそれに費やした時間が惜しいばかりだ。
ジョン・ウェインという俳優も、どうにも好きになれない。

少なくともわたしには、全く合わない映画であった。


プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
日々思うことを綴ってゆきます。
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ることもあります。
悪しからず。
コメント、メッセージ頂ければ嬉しいです。

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