プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
基本的に、日々思うことを綴ってゆきます。悪しからず。
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秘密基地

himitsukichi.jpg

長女が近頃、しきりに「秘密基地」が欲しいという。
自分だけが鍵を掛けて出入り出来る場所がどうしても欲しいのだそうだ。
自分の部屋ではダメなのだ。
謂わば、秘密の活動拠点が必要となっているらしい。

しかし、その構築に関してわたしに相談してくるのだから、余り秘密に拘っているようでもない。
どうやら、場所~位置は知られていても、自分以外の人間の出入りが自分ひとりの裁量で決定できる空間が欲しいようなのである。
具体的には、鍵の掛かる部屋らしくない部屋なのだ。

聞くだけでワクワクするではないか、、、。
わたしも子供時代そういうのが欲しかった。
わたしの場合、近くの空き地の鉄骨の捨ててあるような場所を友達と一緒に基地と見立てて遊んだことはある。
だが、基地と呼ぶには程遠かった。
充分、象徴性はあって、ある意味役目は果たしてはいたのだが、、、。
その当時、庭で作った「かまくら」の方がそれらしかったのを今でも覚えている。
(今でも秘密基地的な空間は欲しい。それは所謂「部屋」ではないのだ)。
ニトリのCMで確かあった、、、大人向け「ニトリでつくる憧れの秘密基地」というの(笑。
そこでのコンセプトはあくまでも個人の嗜好に特化した包み込むような空間という感じであったが、、、。


長女との密談では、わたしの提案で、書庫の2階を利用することに傾いた(まだ決定ではない)。
それを話しながら、彼女は眠くなって寝てしまった、、、。
これから継続審議である。

さて、どうするか、であるが、どうもこうも、場所など何処にもないのだ(笑。
どの部屋もただの普通の空間以外に使えそうもないことは明らかであるし、階段下倉庫やウォークインクローゼットなど、もう隙間もない。押入れもダメ。とくればもうそこしかなかった。

わたしが昔、描いていたかなりの数の絵のカンバスを整理すれば場所は空くのだ。
ただ、そこに登る階段を大分前にわたしが外してしまっており、いまや忍者でなければ上に登れないようになっている。
今回長女のおねだりは、その問題に、改めて直面する機会となった。

適当な梯子があれば、上り下りは彼女がうまくやることだろう。
彼女はジャングルジム系が得意で、高いところに登るのも好きだ。
高いところがからきしダメな次女との階級闘争が明らかにかかっているこの基地問題は、この点でも合意が得られると思われる。

朝起きたら、その線で改めて確認してみよう。
まさか、起きたら何のことやら忘れてたなどということはあるまいな、、、と少し心配なのだが。

「秘密基地」は「廃墟」とはまた異なる、妙に濃密に畳み込まれた自分だけの息苦しさすら覚える魅惑的な記憶に向けて開かれている。その記憶内容は、しかし「まっさら」である。秘密基地なんて実際にはなかった(ないのだ)から、、、。
だが、本当に作ってみたいという思いはある。

そうしたらどうであろうか、、、?


そういえば、少し前、女子美の学生が公園に作って置いた鳥小屋を拡大したような木の小屋をとても気に入って遊んでいたのを思い出した。
あれは、休憩室でもただの遊具でも廃墟でもない、秘密基地に違いなかった、、、。





北ホテル

HOTEL DU NORD001

HOTEL DU NORD
1949年
フランス

マルセル・カルネ監督・脚本
「天井桟敷の人々」には圧倒された。それからみるとこじんまりとした感はあるが、味わい深い作品である。


ジャン=ピエール・オーモン 、、、ピエール(売れない画家)
アナベラ、、、ルネ(孤児の寄る辺ない娘)
ルイ・ジューヴェ 、、、エドモンド(謎の男)
アルレッティ、、、レイモンド(エドモンドの情婦)

HOTEL DU NORD003


パリのサン・マルタン運河のほとりに建つ北ホテルが舞台。
小さな庶民のためのホテルである。水門が近くにあり、街並みにしても古くてパリのひとつの姿を垣間見せている。
丁度、ホテルの主人夫婦が娘の初聖体を祝うパーティで賑わっていた時だ。
16号室の客ピエールと恋人ルネが心中を図った。生きることに疲れ死に魅せられたカップルである。
ルネは相手の男に撃たれたが、その音を聞きつけドアを破って駆け付けたエドモンによって病院に素早く搬送される。
エドモンは何故かピエールを警察には突き出さず、逃がしてしまう。
ルネは急所は外れていたためか、回復は思いのほか早かった。
ピエールは、結局死ねず警察に自首する。
そこから物語は、ルネを中心にまわり始める。

行くあてのないルネは北ホテルでメイドとして働くことになり、その美しさから周りの注目を浴びることになる。
下町の人々は彼女を人情深く受け入れてゆく。ちょっかいを出す男もいるが彼女は全く見向きもしない。
彼女に想いを寄せていた謎めいた影ある男エドモンは情婦のレイモンドと縁を切る。
刑務所のピエールは死なずに逃げた自分を恥じ、面会に来たルネに対しこころを閉ざす。

エドモンは、ロベールという本名をルネだけに明かす。
彼女に自分のアイデンティティを晒す。そのことで、彼女はエドモンにこころを許す。
面会で頑なに別れ話を持ちかけるピエールにルネはもう成すすべもない。
再び絶望して路頭に迷うルネはエドモンとどこか異国で生活することに決める。
二人は急速に接近し、結ばれたかに見えた。
昔の悪友に命を狙われているエドモンにとっても、ピエールを吹っ切ろうとするルネにとってもそれが一つの決断の選択でもあったのだ。
船に2人して乗りこむが、やはりルネはピエールへの未練が断ち切れない。エドモンもそれを見て悟る。

ルネは一人船を出て、北ホテルに舞い戻る。
時はパリ祭のたけなわ、そのダンスの後で、出所が決まったピエールと落ち合うことになっていた。
船から立ち戻ったばかりのルネの説得でふたりは、今度こそやり直すことにしていたのだ。
エドモンがその祭りに取って返してきて、彼女に改めてお別れを告げる。
ルネもエドモンと一緒に国を出ようとした決意には嘘はなかったことを告白する。

ルネはエドモンにホテルの部屋には近づかないように警告する。
彼に振られたレイモンドが彼を追っていた男に待ち伏せさせていたからだ。
しかしあえてエドモンは、その男の待つ部屋に行き、自ら彼にピストルを投げて渡す。
ピストルの音は、祭りの爆竹の音と思われ誰にも気づかれなかった、、、。


HOTEL DU NORD002

エドモンは、雰囲気としては「サムライ」のアランドロンに似た虚無的なダンディズムを貫いていた。
わたしとしては、そのまま透明感あふれる清楚なルネと彼が結ばれてもよいなと思っていたが、、、。
ピエールと一緒に本当にこの先やってゆけるのか、不安要素は拭えない。
あまりに脆弱なロマンティストであり、現実感が薄そうな優男なのだ。
ホテルの主人が別れ際、また自殺なんかするなよ、とルネに冗談交じりに言っていたが、、、

絵の作り(カット)からしてロマンチックである。
王道のメロドラマを観たという感触だ。
たまには、こういうのもよい。


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