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GOMA28

Author:GOMA28
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コンドル

THREE DAYS OF THE CONDOR002

THREE DAYS OF THE CONDOR
1975年
シドニー・ポラック監督

ロバート・レッドフォード、、、ジョセフ・ターナー(コンドル)
マックス・フォン・シドー、、、ジュベール(殺し屋)
フェイ・ダナウェイ、、、キャサリン・ヘイル(一般女性で写真家)

原作は”Six Days of the Condor”だという。
短縮したのか?

ジョセフはCIA職員であるが、事務方である。
世界中の本や新聞を読み漁り、暗号やトリックなどに目を光らせる。
007的な派手なスパイ活動をするわけではないが、暗号解読などで重要な秘密を暴きでもしたら危ない立場となる可能性もあるのかも。

昼ご飯を買いに裏口から抜け出して行き、帰ってきたら彼の勤めるアメリカ文学史協会(CIAの外郭団体)のメンバー全員が何者かに射殺されていた。彼はたまたま弁当係だったので、命を拾ったようなものである。
本を読むのが仕事の現場で、この惨事はないだろうと、唖然とする。

それで当然のごとく、彼は本部に保護を求める。
しかし上司から送られてきた男のうち、1人は友人のサムであったが、もうひとりがジョセフに向け銃を発砲する。
ジョセフはその際、その男の足を撃ちぬく。
しかし撃たれた男が何と同僚のはずのサムを撃ち殺す。
ここでもはや正面から関われる組織ではないことを改めて知る。
しかもジョセフはその殺人の濡れ衣まで着せられてしまう。
彼は不可避的に組織に対し、独りで立ち向かう流れとなってゆく。
たまたま居合わせた一般女性キャサリンの協力を仰ぎ、真相を暴く行動に出る以外にない。
彼女とは、適当な写真に関する感想など言って仲良くなるが、ここは強引だ。
たまたま上手くいったが、裏目に出たらここでオシマイだ。


ここから、ジョゼフことコンドル(コードネーム)は、冴え渡る。
(CIAでは、ただの本読み係でもコードネームというカッコ良いものがもらえるのか、、、)。
本読みが仕事というぬるい環境にいた職員とは思えぬ、実戦的で機敏に先を読む流れるような行動に出てゆく。
そこがもう長年培ってきたかのような手際の良さであり、電話会社に忍び込み黒幕の電話番号を調べ出し、沢山の箇所に同時に繋げて攪乱したりするなど、飛び抜けた技術屋の側面も見せる。
事務方でミステリー小説とコミックが得意とは言え、メカとコンピュータにも強いのだ。
よく出てくるこの時期のパソコンがとても趣深かった。
コマンドライン入力の如何にもデータを着々と処理する感じを示すモニタがよい雰囲気だ。
そこにもわたしなどは、見蕩れてしまう。

結局、CIAの中に影のCIAがもうひとつ出来ていて、様々な陰謀を巡らしていたようなのだ。
コンドルはそれを掴む。
そして、黒幕と察した男を捕らえ詰め寄るところまでゆく。
するとそこに現れたのは、それまで彼ーコンドルを追ってきたジュベールである。
これまでの殺しは彼により完璧に遂行されてきた。

マックス・フォン・シドーの殺し屋は、エクソシストのメリン神父より遥かに良かった。
とは言え、わたしにとっては、「処女の泉「第七の封印」「野いちご」などのベルイマン映画での彼の大ファンではあるが。
彼はここでは、冷酷で威厳を持った殺し屋を淡々と演じている。
その存在感は圧倒的だ。
最後の場面で、コンドル絶体絶命かと思いきや、、、
あくまでも殺し屋としてのポリシーを貫く彼は、自分の雇い主であったそのCIA裏組織のトップを撃ち殺す。
新たな雇い主はCIAニューヨーク支部長のビギンズであった。
コンドルは、結果的に命拾いし、おまけにジュベールは彼を「殺し屋」にスカウトする。
(勿論、コンドルはアメリカは離れられないと、断るが)。
ここの2人の会話の部分がやけにリリカルで沁み込むものである。


今回の騒動の発端は、コンドルが意図せず読み取って本部に送ってしまった極秘計画の解読であったらしい。
組織内での石油をめぐっての中東侵略の機密に触れた部分であったようだ。

ビギンズはコンドルにこの「仮定のゲームの大義」を説いて聞かせるが、彼はそれを一蹴する。
最後に、ビギンズに対し「この1件は、ニューヨークタイムズにリークしたぞ!」とコンドルが言い放つが、彼は「馬鹿なことをした。君はもう終わりだ。」と返し、「記事にはならんぞ。」と余裕を持って応える。
コンドルの顔は曇ってこわばり、彼が雑踏の中に消えてゆく不安なシーンで終わる。


情報のコントロールと陰謀説はわれわれに常に付きまとう懸念である。
(政府あるいは、大統領直下のCIA組織などであれば、メディア操作など容易いものだ)。
そうでなくともつい最近、科学論文ひとつ出す際にも、様々な思惑からの情報操作や個人の陥れなどの泥沼をわれわれはうんざりしながら観てきた。
丸裸の情報などというものは存在せず、不可避的に何者かの幾重にも編集された情報が流布されるのみなのである。
自分で調べがつくような情報源など、日常生活の中にはほとんどあり得ない。
ほぼ全て、メディアを通した情報を信憑性を測りつつ判断しているに過ぎない。
このこと自体、実に覚束無い。
われわれは覚束無い生活を送っているものである。

絡め取られながらも、もがき真相の線を手繰り寄せて食らいついてゆくコンドルはなかなかの者であった。
終始事務方のお兄さん風情を保ち続けていたのも洒落ていた。007化しないところがよい。
取り敢えずキャサリンという女性を仕事のパートナーとしたが、、、。
フェイ・ダナウェイは、巻き込まれ役をあやふやなままに上手く引受けこなしていた。

ジュベールには迷いはない。雇い側も敵側も共に信用する必要はなく、そこに大義はなく、大事なのは仕事の正確性だけだ。
大変健康的だという。だから見所のありそうなコンドルにも勧めてきのだ。
THREE DAYS OF THE CONDOR

ジュベールに言われれば何でも説得力を感じる。
一番確信を持った人間は、彼であった。


”Bon voyage.”

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