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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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アパートの鍵貸します

The Apartment

The Apartment
1960年アメリカ
ビリー・ワイルダー監督・脚本

ジャック・レモン、、、バド
シャーリー・マクレーン、、、フラン

初見である。
これまで所謂名作というのをほとんど見ないできたため、、、。
この作品は実に面白かった。

テニスラケットがスパゲティ茹でるのに便利なことを初めて知った。
やってみたいとは、思わないが。

この映画のような管理職の浮気用に部屋を貸すバイトがあるのかどうか、、、。
あったとしても、表には出ないはずだし、あってもおかしくはないだろう。
(何を言ってるのか?)
これによって、主人公バドは、トントン拍子に出世する。
コメディである。が、かなり切ない展開となる話である。

彼が密かにこころを寄せるエレベーターガールのフランがベッドに落ちていた割れた鏡から部長の愛人であると知り、穏やかではない。
だが、その愛人密会の場の提供で出世してきている当人である。
どうにもならない。
しかもフランと部長の関係が拗れ、彼女が事もあろうに彼が貸した部屋で自殺未遂。
その彼女を甲斐甲斐しく面倒を見るバド。
彼女に対して彼は常にこのように自分の気持ちを殺し、献身的に彼女の身になって面倒を見る。
両者を取り持とうとして彼女の義兄に殴られても痛みすらはぐらかす。
しかし、これは彼女の言うとおり、利用するものとされるものの権力構造のなかでのこと。
ポストは与えられても、人を利用しては使い捨てる非情な上司の奴隷に過ぎない。
ペーソスたっぷりの黄昏た人生を歩むのみである。

しかし、徐々にこのマゾヒスティックな主人公に感情移入して応援してしまうのだ。
役者ジャック・レモンが上手い事もあるが、してやられたものである。

筋書きはほとんど、どうでもよいものであるが、それをこれだけ面白可笑しくく悲哀も込めてこってり描き切る手腕が凄い。
これをもって、「エンターテイメント」と呼ぶのか、所謂「映画」と謂うのか。
最後は渋い上等なラブ・ロマンスを観た気になっている。
(恐らくそうなのだ!ラブ・ロマンスとはこうなのだ)。

プロットに隙がなく小物(割れたコンパクトやティッシュ、TVにラケットやレコードやナプキン、ピストル、、、)も実に上手く活かされている。
機微に触れる演出も上手い。
盛り上がって振り返ると彼女の席が空。
ピストルの音かと思えばシャンペンの音。
彼女に見切りをつけるかのように関係ない女性を示し、そちらの方向に進むと他の男性と腕を組みその女性が消えてゆくなど。
こういう演出が作品の吸引力を増してゆく。

もうバドとフランは絶望的であると思われる。
離婚し完全にフリーになった部長は、彼女との結婚を決めてしまった。
しかし、他者を支配し利用することに無感覚な彼の精神に対し、バドは決然とNoをたたき突きつける。

バドは、”Mensch”になるべく、全てを放り出し柵から決別する。
フランも誰が本当に大切なのかを部長の話から認識する。
その結果、真に欲しいものを知り手に入れるのだ。

何か象徴的である。
そうだ。
人生というものは、そういうものなのだと思う。
まず自分のあるべき姿を見出さなければならない。
必要なことは、その後ついてくる。

自分を知り、その自分に忠実であること。


それに尽きるものだと思う。


小雨の夜の幻想

ame.jpg

一向に絵を描き始める気配のない日々。

ノートパソコンからの放熱の音以外これと聞こえる音のない夜。
窓を見るといつからか無音の小雨が降っている。
知らぬ間に、天の恵みのように。
白く光る水滴がは、暫く見るうち実際落ちているのかどうか、、、判然としなくなる。
途切れとぎれの白線の模様にも想えて。
絵を描きたい衝動を感じる。
(それは、どこかで観た絵に似ていた)。

同時に、寧ろ外に出たい気持ちが沸く。
またしても。
絵を描くのも実験であるが、夜の雨に当たるのも実験である。
いや、その前に病いも実験のひとつであった。
薬を飲むのは実験である。(医者にとっての実験の一つであると同時に)。
今の薬が全く合わない。
一日中、薄い布切れを羽織ったようにボーッとしている、、、。
集中もできない。


それで外に出たいのだ。
雨に当たりたい。
それが先だ。

鬱陶しい透明な皮膜を溶かすのだ。
きっとそれは、不透明な何かである。
はっきり可視化して暴くことが決め手となる。
すべてがそうだ。
画家が皆そうしてきた。
認識がもっとも重要だ。
誰にとっても。

より良い薬を求めて。
夜空を仰ぐ。
放射能を含んだ雨滴が薬のタブレットとなるかも。

思ったより雨足は速く、量も多かった。
窓からはもっと柔らかく細やかに見えた。
雨が強まってきたのだ。
わたしが外に出ようと階段を降りる間に、相が変化したのだ。

代わりに風がない。
無風の闇を無音で水滴が落下してくる。
青白く赤紫の雲が不気味に光る中を赤い光を灯した旅客機が飛んでゆく。


鳥や虫やジェット機や小型機やヘリコプター、、、たくさんの塵などが雨と一緒に落ちてくる。
暫く立ったまま口を開けてみた。


kusuri.jpg


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