九品仏〜フルーツティーの想い出

九品仏周辺の思い出〜フルーツティー
なないろ文庫不思議堂はまだあるのか?
最近とんと、等々力〜九品仏あたりに足を運ぶ機会が無く、もう何年行っていないか。少なくとも6年は空白があると思われる。
ふと脳裏に立ち現れる、思い出深い所が幾つもある。
九品仏だと、ウェルバン。自由が丘美術館。なないろ文庫不思議堂。
まだあるが、このへんが私にとっての代表格だ。
ウェルバンで教わったフルーツティーは是非とも自分の手で復活させたい。そもそも店は今どうなっているのか、知りたい。
勿論、売りはそこでしか飲めないフルーツティーであるが、他の紅茶も美味で、トーストもここでしか食べられない絶妙な風味と食感があった。更にその日のオススメ手作りケーキがたまらない美味しさであった。
店内はいつも品の良い老夫婦がアジアの各国を回って収集した置物やレリーフなどが適度なローテーションで飾られていた。
1番の想い出は、平日の午前に取って置きのお洒落な窓辺の席につき、柔らかい木漏れ日の中で時折、外でキラキラ風に揺れるハーブを眺めながら、深く甘酸っぱいフルーツティーを堪能した日である。
巨峰のブランデーのたっぷり染み込んだ芳醇な甘酸っぱさがまた格別だった。わたしはそこのフルーツティーの具は、マンゴー以外は全て食べてしまったものだ。
平日の午前のゆっくり流れる貴重な時間であった。
フルーツティーの作り方は夫人に教わった。
北海道からわざわざ作り方を聴きに来ている人もいたっけ。
その人が持って来たハーブが庭のスペースの大きな面を覆っていた。
勿論、そのハーブも使われていた。
また、作るか。
沢山甕が必要だ。
なないろ文庫不思議堂は、神田に行ってもタイミング的に手に入らなかった本が幾つも買えたところだ。
小さな古書店であったが、不思議にわたしがあるといいなと思っている本が置いてあった。西洋の没落や擬場とその周辺、長新太のマンガも欲しいものが、すぐ手に入った。遊の第1期のもの、21世紀精神の始めの装丁もの。パイディアの幾つか、諸星大二郎特集で彼の書斎の写真の載っているムックなど、、、。
少し高かったがお得感があった。
1番の想い出は、下敷きである。
何故か下敷きが欲しくなり、というか必要になり、下敷き、下敷きと念じながら文房具店ではなく、不思議堂に行ったら、ダンボール箱一杯に詰まった下敷きが置いてあった。これまでにその書店でそんなもの見かけたことなどなかったのだが、何故かその時はSF系のマンガの絵柄の下敷きが、ぎっしりであった。絵柄が何であるかは分からなかったが、結構気に入った。
50円であった。その下敷きはその後かなり長く使うことになる。
自由が丘美術館は、リューベンスの銅版画を中心とした版画美術館だ。一時期、かなり足繁く通ったが、その間、絵が入れ代わったことは一回だけだった。オーナーがヨーロッパ旅行で収集した作品だそうだ。
ある時期から、私と同じくウェルバンの店主から作り方を教わり、暖簾分けされたようで、正式に直伝のフルーツティーを同じような形で出し始めた。
ウェルバンがなにぶん老夫婦経営ということもあり、4時頃には閉めてしまうため、フルーツティーが飲みたい場合、そこで飲むことが出来るようになった。
しかし、お味はまだまだ本家には及ばなかった。その後どうなったか分からない。わたしはその開きがかなりあったのでフルーツティーを飲みに行くことはなくなった。
しかし雰囲気はとても良いところで、まるで隠れ家的な美術館とも言え、友人をかなりつれていったし、紹介をしたものだった。みな感想は良好だった。
お隣の自由が丘など、通っている最中に、店が無くならなくとも、どんどん変わっていったものだ。
とりわけ雪の九品仏はとても素敵な場所だった。
そろそろその季節になる。

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