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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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2人のベロニカ ~ 絵と音の素晴らしさ!

この映画を観てつくづく感じることは、映画は絵と音で見せるものだということ。
それに尽きる。

そしてひたすら美しい!

わたしは、ポーランドの音楽は大好きで、その荘厳さと哀愁というべきか、天上から降ってくる金色光を想わせる音が堪らない。ここで使われている音楽は、ズビグニエフ・プレイスネルという作曲家のものだが、文句なしに気に入った。
さすがヘンリク・ミコワイ・グレツキの音の生まれる土壌だ。勿論、ポーランドには調性のない音楽もたくさんあるが。
わたしはこちらが好きだ。

それにしても、クシシュトフ・キェシロフスキ監督とはなんだ?
この映画はこれまで私が見た映画の中でも、、、タルコフスキーのものと同等の重さをもつ。
驚いた。

トーンが全体にわたり管理されていて、静かに美しく物語が流れる。
光の扱いの見事さ。
音楽が流れるべきところで鳴る。
モノや音楽の暗示的な使い方が物語を深めている。
物質的な想像力を触発する。

アイデア・ストーリーがよい。
発想とその具体化がここまでできているものはそう見られないとおもう。
ドッペルゲンガーという数奇な運命をとてもうまい手腕で利用した。
音楽の才能。心臓病。そして名前が同じ。

バスの中にいるフランスベロニカも私はその時点で相手に気づいたように思っていたが、実は写真に撮られたポーランドベロニカだけだった、という大変微妙な距離感。
運命の儚さ。
すべての描写が細心の注意を払ってなされている。
モノによる重層的な演出も的確だ。

特に、何気なく撮った写真から、恋人に促され、フランスのベロニカが、ポーランドのベロニカの死に気づく場面。
作業テーブルにころがるベロニカといま動いている(操れれている)ベロニカの人形の対比など。
なぜ、急に恋する人が現れたのか、、、暗示している。
ディテールに小物に、言葉以上に想いを膨らめる場面がいくつも見られる。
そして極めつけは音楽の素晴らしさ。
ポーランドでもフランスでも同じその楽曲がふたりを繋ぐ。

このような映画はあまり見た覚えがない。
夢と現、彼岸と此岸の堺の曖昧さと乗換の可能性も示唆している映画である。
やはりタルコフスキー以外に見たことがない。

イレーヌ・ジャコブはこの絵の美しさを完璧に支えていた。
カンヌ映画祭主演女優賞を受賞している。



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