インナー・スペース ~ ハチャメチャなカウボーイ映画

ここまでやるかというハチャメチャなカウボーイが暴れまくるような映画。
一応、小さくなって、生体の体内に入り医療技術のための試験という形なんでしょうが、軍事技術にもそのまま使えるのでしょう。変なタイミングで、その関係の敵?のスパイが研究の横取りを企てます。
注射器に入ったままの主人公の乗るマイクロマシンが、デパートの中で敵に奪われる前に、たまたま出くわしたスーパーの店員に注射され、うさぎに入るはずの主人公はマシンもろとも店員の体内に入ってしまいます。
そこからというもの、、、
自転車での逃走あり、カーチェイスあり、乱闘アリ、酒に酔って踊り狂ったり、体内でもマイクロマシンで戦い相手を胃酸に落として勝利したりと、一応SFの装いはしているつもりでしょうが、単にハチャメチャに暴れているだけです。
しかも登場人物たちがことごとく危険認識がない。そんなことしてたらもう何回殺されてるか、という場面でも酒飲んでいたり、アバンチュールであったり、何か動きに隙だらけ、しかも体内のマシンの操縦のあまりの安直さや潜入した人間の顔まで変えてしまうところなど、奇想天外という以外にない、少なくとも科学的根拠など、知ったものかという乱暴な展開。
そう展開が早く、主人公の彼女の新聞記者?も加わり、次々に主人公たち3人が危機に見舞われる。
絶対絶命に陥りながらも、何故か敵の攻撃もスカスカですり抜けることができてしまう。
見ている間は、息もつかせぬというのはオーバーだが、展開リズムが畳み掛けるように来るため、見入ってしまうが、エンドロールまで来ると一体何だったのか?と。
おまけにラブストーリーも絡み合って流れており、主人公の恋人(メグライアン)を主人公が体内に入ってしまった店員も一目惚れしてしまい、同じ視界で違う(2人の)意識が同時に同じ対象を見るといった、深く考えないようにしたほうが映画を見る為にはよいところなど、盛り沢山である。
その他にもあっさり、店員とメグライアンとのキッスでつまり唾液によってそのマイクロマシンがメグの方へ移動してしまうとか、くしゃみで最後は脱出成功など、少年向け漫画でも控える子供騙しだ。店員の動きは血流の速さ、胃酸の影響は中にいる主人公に与えているが、他の影響は今ひとつ連動表現に薄い。もっと生理現象に連動した表現ができれば笑いはさらに取れていたはず。
とは言え、そのへんをそのまま受け取るお約束で観れば、結構楽しい娯楽映画だ。
しかし道具立てなどそれなりに科学風な仕立ててあるが、これはSFではなく、スリルに富んだ冒険映画といったものだ。
メグライアンがホントに楽しそうに活き活き演じている。
こういうのが好きなのだろうか?
お気楽極楽なお話でした♡

そうそう、精神科常連で心を病んでいた店員が物語の展開に従い、どんどん元気になってゆく様はどうなんでしょうね。
あまり同調できなかったのですが、ショック療法になった可能性はあります。
日常生活であそこまで、アドレナリンの過剰分泌されることはないでしょう。
派手な事件やカーチェイス、トラックの扉にぶら下がって後ろのスポーツカーに飛び乗るとか、メグライアンと恋に落ち(一方的にか)キスをするなど、大変な刺激が良い影響を及ぼしたのでしょう?!
スピルバーグ監督の「ミクロの決死隊」のコメディ版だそうです。
確かに面白いコメディですが、もう少しサイエンティフィックに作って欲しかった。
その要素があまりに希薄でした。

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