雨

雨が降ると公園には行けない。
次の日もまだ全てのものは濡れている。
でも2日経てば、芝生に寝っ転がれる。
大きな空に浮かんで形を変えてゆく
雲の動きを楽しめる。
しかし、雨そのものも趣があって良い。
放射能の雨や酸性雨ではそんなこと言っていられないが。
雨宿りして見るならよいか。
狐の嫁入り雨などたまに体験するが、こまやかな雨つぶが日に煌きとても綺麗だ。
同様に綺麗な雨に小糠雨がある。ほとんど霧状の音のしない静謐な雰囲気をあたり一面につくる。
春先、何かがやってくるピンとした気配とともに。
その後に降るのは五月雨。
もう夜も更けてきた。
晩秋なら小夜しぐれでよいが、今は春雨か。しかしただの春雨では物足りない。
調べればこの雨ー今の気持ちに沿う雨が見つかるだろう。
日本語には、雨ひとつとっても、様々なニュアンスがそこに畳み込まれている。
辞書で引けばいくら出てくるか分からない。
ほかの国に雨についてこれほどの豊かな呼び名があるだろうか、と思う。
考えてみれば、日本語の文字、平仮名・カタカナ・漢字(音・訓)は本当に優れた装置だと思う。
諸外国から流れてきた全ての思想のデータベースとして機能し、保存、引き出し、編成が何時でも可能となるし、何よりも日本の歴史ー思想の保護も同時に果たした。これが大きい。
もし日本に単一の文字体系しかなければ、外部の強大な権力ー言語体系にその都度上書きされてしまい、日本の文化ー歴史そのものが消失していたはずだ。
遣らずの雨というのも思い出した。

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