O君の音

O君の音をご紹介します。本当は1か月前に姉妹ブログでご紹介するはずだったのですが、本当にやりにくく、通常のアップもTextだけならなんでもないのですが、音と画像の紹介となると、片手間にはできない作業なので、諦めて他の物も全部お引っ越しすることにしました。また、画像データの質も悪く、この際元データのレベルから作り直すつもりです。
では、O君1991年作”Womb”です。
鳴らないぞ
少々お待ちください、、、。
代わりに今回はこれを(前フリで)
年に一度くらいしか逢わない友人のひとりで、現代音楽の作曲家であり、教科書会社の編集長をやっているO君の音楽をweb上で紹介したいとおもいます。彼の作品で以前、坂本 龍一のラジオ番組でも取り上げられていましたWombを今回紹介します。これは彼が1991年に自分の部屋でDX7の多重録音によりつくつたものを普通のオーディオテープに入れて、なんとなくわたしにくれたものです。他にもいくつかの曲の音源から取ったテープをもらっていますので、一曲ずつでも紹介していくつもりです。彼自身はバイオリニストですが、ヤマハDX7の多重録音ものが短かめなのでそのへんからいきます。
"Womb"について:「バイクの速度で初めて見えてくる光が在る。時に夕刻の街の虚空に浮遊し揺らめくガラスの片々に。緩やかに、心地よいリズムで、めくるめく。」私が最初の勤めでよく出張した新宿センタービルの35階あたりでは、窓の外をキラキラ光って舞い上がり、いつまでも宙を漂うものがふいに表れます。はらはらと。本当に、ものなのか。何なのか。時空間と言う場所のある特異な表情なのか。まあ、それをものと呼ぶのか。なんであるかは分からないのですが、我知らず恍惚としてその複雑きわまりない振る舞いに捕われているのです。しかし逆らいがたいその光景になにか過飽和状態になって耐えきれない気持ちが同時に膨れ上がり、ちょっと目を離した隙に、最初からなかったかのように、ふっとそれは消え失せているのです。こちらの意識が一枚布のように全体を識ってしまうしまう一瞬。と、そしてなんとも言えない喪失。すべてが終わってしまった後の光景。あるいは始まる前の、、、。痕跡。片々。めくるめく外傷経験の反復。想い出。色褪せたほろ苦い誕生。または覚醒。そんな体験をどこか頭に置きながら、彼と作った短文が上のものです。CDのライナーにも載せました。彼は何処へでもバイクを飛ばして行ったものです。ときにはバイオリンを担いで。たぶん目的地は口実で、ただ光を追って。

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