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GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
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もう一つ、荒俣氏の「図鑑の植物誌」から、”露”のイコンの章を思い出しました。
これはすぐに探せました。「露置く葉」の章です。

確かにオランダ静物画には、本当にリアルな露がよく葉に描き込まれています。
まさに玉のような露です。
私も静物画で描き込んだことがあります。
とても楽しいものです。そちらが主になるほど打ち込みます(笑)。
(ここでは脱線になりますが、この水滴を描く最高の名手はかのドラクロワです。こちらは躍動する馬の体につく水滴ですが、あの両眼視差を計算し尽くした色の並置による効果は凄まじいものです。)

「この美しいオブジェは、言うまでもなく、生命のはかなさをいやが上にも強調するシンボルだったのである。」

その他にも貝殻や昆虫も玉露と同じく寓意を持って植物にさり気なく(結構目立つのも多いですが)添えられていきます。ちなみに、貝殻は「永遠の死」、虫一般は「老い」、トカゲは「時の監視」ということだそうで、花そのものが生命の象徴であることから、そのアンチテーゼとしての重要な脇役・装飾ということでしょう。

程なくそれら引き立て役たちの寓意性は薄れていくのですが、形式的には残り、装飾的効果からさらに盛んに描き込まれるようになり、何と「露置く葉」スクールという植物画の一学派が形成されるほどになったのです。

「あらゆる花譜には玉露が滴るという騒ぎになった」ことで、例の植物画の名手ルドーテも描き込むに至り、ブームは隆盛を極めます。彼が描いた玉露を見に来た観客が、本物と間違いそれを拭ったという有名な逸話も残っています。

それもやがて、「1840年代を迎え、植物画譜が科学的正確さをより大きく要求するに従って、これら無用のオブジェは消えていく運命を辿った。」そうです。

今でも時折、美術館でそのようなものを見かけたりしますが。勿論、昔のオランダ・フランスの名作ではなく。
実は誰でも描き込みたいのです。ある意味、普遍的に。でも描き込む定番(寓意)が無い今、文学的・日常的関連のないものを描き込むのは、絵その物が豊かになるより異化されてしまう恐れが生じます。

私の初めて描いた模写が大好きなギュスターブ・モローの「オルフェウスの首をかかえるトラキアの娘」でしたが、背景のなんとも禍々しい空にどうしても現在のイコンであるUFOを飛ばしたくなり、非常に小さく細密なUFOを違和感なく描き込んでみると、見る人はやはり気づきます。その絵画展で余興のつもりで描いたものが一番よく見られた絵となってしまいました。あとから勿論消すように言われました(コラージュではなく模写なのですから)。私も虫のように小さいUFOばかり注目されて、私のモローが正当に見てもらえないのでは残念です。特に主題を混乱させるつもりで描いた分けではなかったのですが、遊び心(気紛れ)から飛んだUFOがロートレアモンかシュルレアリズム(コラージュ)の方に行ってしまう危うさがありました。主題に密着した玉露のような定番とは程遠い一瞬の中途半端なお遊びで終わりました。その絵はクローゼットの奥にまだ眠っています。勿論、UFOは飛び去っています。明日辺りまた出してみようかと思っています。

とんだ話に流れました。





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図鑑の博物誌より

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わざわざ、そこそこの書物を書店に見に行くより、この時期は昔の名著を振り返りたいと思います。少なくとも昼間の屋外は人類の生存できる環境とは言い難いですし。

また荒俣宏氏の博物誌関連の書籍からです。氏は動物の他に植物にも並々ならぬ深い造詣をお持ちで、この「図鑑の植物誌」も当時(85年頃)暫く眺めていた本の一つです。今でも印象に強く残っているところがあり、それを探し出すのに少し時間がかかりました。ただそのページがすぐに思い出せないというばかりでなく、見るページ見るページが面白いため、その近辺を読み読み進むと何を探していたか定かでなくなってくるのです(笑)。

その目当てのページはⅡ-09の「押し花でできた本」です。

花の詩画集で、1848年にイギリスで出版されたものです。
何と、この本は花にまつわる詩を集めた「文集」なのですが、併載する花が「絵」ではなく、つまり「描かれた花」ではなく、「本ものの花を押し花にして台紙に貼り付けた」ものなのです!当時500部限定のものです。よく荒俣氏は手に入れましたね。それもコレクターとしていつも感心するところです。

この本の巻末には、制作に当たり「述べ100人の村娘を動員して英国の郊外から多数の野草を採取させた」ということが記されており、さらに「この本の”図版”は一冊ずつ中身の質に違いがあって、良い図版を手にしたいならば、誰よりも早く書店に出かけていって、最も良好な標本を収めるものを選び出すことをお推めしたい」という忠告も添えられているとあります!

博物学全盛時にはこういう途轍もないものが結構出回っているんですね。私は荒俣氏の著作を通してこの辺の事情を知りました。何といっても驚きは、今日なおその花々が綺麗に色彩を留めているということです。

こんな本を何時でも眺めて楽しめるなんて、本当に贅沢ですね。羨ましい。労力と投資は前提としても(私は以前読んだときには、ただ当時は商業的なものを度外視したすごいものが制作されていたものだ、という驚きと憧れのようなものを感じるくらいでしたが)時間はそういうことにこそ使いたい!そうは思いませんか?われわれにとって生は何のためにあるのかを留まって考えない訳にはいきません。

真に価値を見い出せる時間を生きたいものです。

また、荒俣氏のように自分のやるべきことをひたすら進め実現していくヒトがいるということ、念頭に入れておく必要を感じました。




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