プロフィール

GOMA28

Author:GOMA28
絵画や映画や音楽、写真、ITなどを入口に語ります。
基本的に、日々思うことを綴ってゆきます。悪しからず。
必ずパソコン画面(PCビュー)でご覧ください。


*当サイトはリンクフリーです。

PICKUP
キャット・ピープル
パラサイト 半地下の家族 -2
パラサイト 半地下の家族 -1
ヘンリー・ムーア~彫刻に見る普遍性
911爆破の証拠―専門家は語る 前
9/11:爆破の証拠 - 専門家は語る 後
アポロ 11
シャチ~優しい殺し屋~
ハイヒール
お嬢さん
とうもろこしの島
セールスマン
トラピスト1に寄せて
「労働疎外より人間疎外」によせて
カッシーニ グランドフィナーレ
カッシーニ グランドフィナーレⅡ
シチズンフォー  スノーデンの暴露
スノーデン
レヴェナント: 蘇えりし者
透明な身体性
森羅万象を描く デューラーから柄澤齊へ
ヴィデオドローム2 ~イスラム国 ~アノニマス
見えない重力を描く Ⅱ
美の翳りに寄せて
写真についてーⅡ
午前零時の奇蹟(シュル・レアリスム覚醒の時間)
パーフェクト・デイ ~ルーリード ~ローリー・アンダーソン ~スーザン・ボイル
未来派の画家~ウンベルト・ボッチョーニ
Balthus ~ バルテュス展行ってまいりました。
「ゴールドベルグ変奏曲」 バッハ  ~グールド ~P・オトゥール ~ニーチェ
大昔のスケッチ(詩画集のための試作)
すでに世界は終わっていたのか ~ ヒエロニムス・ボスその1
スヌーズレン002
情報リテラシー  ~華氏911 ~不都合な真実
南伸坊「歴史上の本人」
プラトーン
カレンダー
10 | 2020/11 | 12
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -

Dr.STONE

DrSTONE009.jpg
2019年
Season1 1~24話(TVアニメ)、、、Season2は2021年1月より放送予定。

飯野慎也 監督
稲垣理一郎・Boichi 原作
加藤達也・堤 博明・YUKI KANESAKA 音楽

        (声
千空 (天才科学者高校生)、、、小林裕介
大木大樹(体力自慢の千空の親友)、、、古川 慎
小川 杠(大樹が思いを寄せる高校生のクラスメイト、手芸部)、、、市ノ瀬加那
獅子王 司(霊長類最強の高校生)、、、中村悠一
コハク(大変な戦闘力の少女戦士)、、、沼倉愛美
クロム(千空と同じ歳ごろの石器時代の科学者)、、、佐藤 元
金狼(腕の立つ門番)、、、前野智昭
銀狼(金狼の弟)、、、村瀬 歩
ルリ(巫女、村の物語の伝承者、コハクの姉)、、、上田麗奈
スイカ(村の近視の少女)、、、高橋花林
あさぎりゲン(メンタリスト、司を裏切り科学の国につく)、、、河西健吾
カセキ(超絶的な腕を持つ職人)、、、麦人
マグマ(全身筋肉の武闘派)、、、間宮康弘
百夜(千空の父、宇宙飛行士、石神村の始祖)、、、藤原啓治
リリアン・ワインバーグ(宇宙飛行士、石神村の始祖)、、、Lynn
シャミール・ヴォルコフ(宇宙飛行士、、石神村の始祖)、、、森久保祥太郎
コニー・リー(宇宙飛行士、石神村の始祖)、、、金元寿子
ヤコフ・ニキーチン(宇宙飛行士、石神村の始祖)、、、山本兼平
ダリヤ・ニキーチナ(宇宙飛行士、石神村の始祖)、、、田中理恵


大変な問題作だ。
科学をここまでワクワクする物語に落とし込めた作品はないのでは、、、。
SF映画でもここまで壮大なものは少ない。
そしてストーリーが緻密で練り込まれており、多彩な伏線が後に見事な形で回収されてゆく。

人間(と燕)が石化して、3700年後に主人公が目覚めると地上は既に文明以前の状態に戻っていた。
周囲は石像だらけの森である。
その時点から、彼の科学の知識を総動員して、目覚めている人たち(石神村)のマンパワーの助けを借りながら文明を取り戻してゆく過程を壮大なスケールで描く。それぞれの立場の人間模様も複雑に絡みつつ。
やはりアニメ連載~TV連続放映のかたちであることから、かなりの内容~情報が詰め込める利点はある。
これが二時間尺の劇場版などになったら、少なくとも4回に分けて映画化することになろう。

DrSTONE010.jpg

兎も角、面白い。
何が面白いのかと思うと、その都度設定した科学的な課題をテンポよくクリアして問題解決してしまうところだ。
われわれの生理リズムにきっと合っているはず。
妨害も敵対者もスパイも入って来る中、困難の解決を短いスパンでスカッと攻略してしまうところが小気味よく、この物語の魅力となっている。
これといって人も死なずにスリリングで緊張感も途切れない。

更に各キャラに魅力がある。
平板で特徴のない(不自然な)キャラがいない。
どの登場人物にも共感できるものがある。これは大きい。
あまり妙で無理な設定のキャラが動き回るとそれだけで観る気が失せる場合もあるが。

DrSTONE005.jpg

そして何より、科学が中心でありこれほどそれを活かした内容のアニメ(映画)があっただろうか、という面白さである。
敵に対しても全て科学的な方法や武装によって撃退を図る。
まずは人の生活、健康を最優先に科学によって守る。

千空の驚異的な頭脳は、自分が石化していた時、唯一自由であった意識~脳で秒数をカウントし続けて居たことからもその一端が窺える。目覚めてからというもの急速に石器による道具製作、火の管理、衣食住環境を整備してしまう。だがどうにも労働力が足りなかった。そこで他に人間を探す。自分と異なり石化を免れていた一団を発見し、彼らのマンパワーでいよいよ科学文明の再生に手を付ける。
柔軟な思考と鋭い観察眼とトライ&エラーを繰り返し実験を重ねる姿勢も記録を残すことも一流の科学者のそれだ。

まずは、洞窟で石化から解けたことからその中の環境を探り「ナイタール」(エッチングに使う腐食液)によるものと突き止め天井から滴る硝酸を元にそれを生成する。だが、その環境を思想的に敵対する獅子王 司に押さえられ、以降人の蘇りは司が進めることとなり千空は既に目覚めている人々と科学を興すことに執念を燃やす。一方司は、老人を間引きしつつ若い人々を増やしてゆき武力を基本にした一代帝国を形成しようとする。彼は既得権益などを主張する大人に絶望しており以前の世界の再生を望まないのだ。

それ以降両者の対立は深刻化し、決定的な決戦は免れないであろう情勢となる。
(千空は一度、司に殺されるが、石化の蘇生修復作用を利用し蘇る。それも組み込んだうえで司の手にかかったのだ)。
闘い~防衛には火薬が必要であり、千空は硫黄の確保に向かう。大木大樹と小川 杠には、自分は死んだという前提で、司帝国のスパイとして潜り込ませる。司のスパイとして逆に潜り込んできたあさぎりゲンは逆に千空の科学知識と底知れぬバイタリティに魅惑され科学王国に寝返り、二重スパイの役目も果たす。メンタリストとしてのスキルも活かし千空の仕事に貢献してゆく。

DrSTONE008.jpg

千空は石神村の人々との邂逅で、科学的成果を次々にあげてゆく。
巫女のルリが肺炎に罹っていることを知り、抗生物質を生成するが、そのために多くのハードルを乗り越える。
その過程で幾つもの有用なモノが副産物として生産されてゆく。コーラや日本刀、眼鏡もである。

まず村人の労働力を得る為に料理~猫じゃらしラーメンで釣る。
これが当たり、人手が入ったことで、人力を使い1500度の火力を生んで鉄の生成を成功し、雷の落雷を利用して発電用の強力な磁石を製作。発電システムを作る。これによって人力から電力による動力が生まれ村人は大いに喜ぶ。そして発電により村に明かりが灯ったことで村人誰もが驚き、科学によるモノづくりへのモチベーションが一気に上がる。
ガラス器の生成によりフラスコ等の実験器具も作ってゆく。これらの複雑で精巧な道具作りには、カセキという天才職人によるところが大きい。そして村の妖術使い(改めて科学使い)クロムの理論の吸収、応用の速さも特筆ものだ。
硫酸をガスマスクを作成してそれが発生する沼地に収集に行き、危うい目に遭いながらそれを手に入れる。
硫酸ゲットで全てのものの生成、合成において拍車がかかり科学製品製造プラントが出来てゆく。
最終的にサルファ剤の生成によりルリの肺炎が快癒する。
これにより現村長の絶対的信頼を得て、御前試合の結果も踏まえ、千空が新たな村長に就任することとなる。
この結果、彼はより科学実験や製作が自由にしやすい境遇を得た。

DrSTONE007.jpg

そしてこれまた大変な科学的ハードルを次々にクリアして行き、携帯電話~トランシーバーか?まで作り上げる。武力では到底かなわぬ相手に対し情報戦で打ち勝つ計略だ。幸い親友を2人内通者として忍び込ませてある千空であった。
これまで敵対していた村人も、スピーカーから発せられる遠く離れたクロムの声に驚愕し、千空の命を狙っていたマグマたちも本当に仲間となる(一緒に命がけで鉱石採掘に行き、険悪な関係は解けて来ていたが)。
この過程でレコードプレイヤーも作り、ルリのような巫女が代々受け継いできた物語を作ったこの村の始祖であり、千空の父である石神百夜の肉声を、彼の墓標から取り出したガラスのレコード盤により、村人たちに聞かせる。
(この村は3700年前にISSから帰還した宇宙飛行士の末裔の共同体なのだ。それで彼らは石化を免れた)。
歌手でもあったコニー・リーの歌声も聴き、村人たち誰もがこころから感動し、石神千空を村長として認める。

そして科学王国の建設も加速し、いよいよ冬が明けて司帝国との全面戦争を迎えようとする。
(省略は多いが、大まかな流れである)。


Season2へ。



Dr.STONE 1~24 観終わる

Dr.STONE001


飯野慎也 監督
稲垣理一郎・Boichi 原作
加藤達也・堤 博明・YUKI KANESAKA 音楽

        (声
千空 (天才科学者高校生)、、、小林裕介
大木大樹(体力自慢の千空の親友)、、、古川 慎
小川 杠(大樹が思いを寄せる高校生のクラスメイト、)、、、市ノ瀬加那
獅子王 司(霊長類最強の高校生)、、、中村悠一
コハク(大変な戦闘力の少女戦士)、、、沼倉愛美
クロム(千空と同じ歳ごろの石器時代の科学者)、、、佐藤 元
金狼(腕の立つ門番)、、、前野智昭
銀狼(金狼の弟)、、、村瀬 歩
ルリ(巫女、村の物語の伝承者、コハクの姉)、、、上田麗奈
スイカ(村の近視の少女)、、、高橋花林
あさぎりゲン(メンタリスト、司を裏切り科学の国につく)、、、河西健吾
カセキ(超絶的な腕を持つ職人)、、、麦人
百夜(千空の父、宇宙飛行士)、、、藤原啓治
リリアン・ワインバーグ(宇宙飛行士)、、、Lynn
シャミール・ヴォルコフ(宇宙飛行士)、、、森久保祥太郎
コニー・リー(宇宙飛行士)、、、金元寿子
ヤコフ・ニキーチン(宇宙飛行士)、、、山本兼平
ダリヤ・ニキーチナ(宇宙飛行士)、、、田中理恵


Season1は24話で終わりのようだが、これからというところで終わる。今見終わったところ、、、。今日は時間がない(笑。
それにしても、これでは、先が気になって仕方がない、、、。
Season2は来年こってりと放映されるようだ。

飛んでもない物語だ(そして何より主人公が飛んでもない。自分が石化してから3000年以上頭の中で時計のように時間を計っていたのだ。それが全てを物語るような少年)。
まどか☆マギカ」、「涼宮ハルヒ」、「メイドインアビス」に比較しうるとんでもない大作だ。
こんなものがあるなんて、ビックリした。
少年ジャンプに連載中ということで、観たくなってしまったが、、、。
それくらい「そそる」内容だ。
とても緻密で伏線の回収もスムーズで無駄がなく、テンポもよく、何よりエンターテイメントとして大変面白い。

リアリティも保証されており、とても観易い。
ある日突然、地球上の人と燕のみ石化してしまう。
石化した人間も脳の活動は続いていた。
3700年経った後、高校生の千空は石を破って目覚める。
文明の消えた地上「ストーンワールド」に科学の力をもって再び人間を復活させ、世界を復興しようと「科学の国」を打ち立てて頑張る主人公千空を軸にした壮大な物語である。
かつての世界を再現させまいとして、それを潰そうとする獅子王 司とその一大勢力との対立が緊張感を高める。

硝酸により石化した人類を蘇生する方法を千空が発明するのだが、それとは別にISSに行っていた宇宙飛行士(千空の父含む)は石化を免れ地球に戻り、その子孫たちが何世代にも渡り原始的な生活を送っている村を見出す。
彼らと共に千空は父のメッセージ(ルリの伝承した物語)も受け取りつつ文明を爆速で蘇らせてゆく。
何と言っても、材料(鉱物など)をクロムと共に採掘に行き、それを工夫を凝らした工程で素材に加工し文明の利器を製作してゆく過程が面白いのだ。そこに絡む各キャストの人間模様も負けずスリリングである。
それらが非常に丁寧に緻密に描かれてゆく。
片や司は千空の方法により石化を次々に解いて若者だけの軍隊を作り、年寄りで既得権を要求するような者たちを間引きしながら科学の世界を再興しようとする千空たちに挑んでくる。司は所有~支配・被支配関係を生む要素がある科学を基底に置いた世界を徹底的に嫌い、原始状態のまま生きることが人類にとって幸福であると信じるのだ。
まさにSeason1は、いよいよ司の軍が村長ともなった千空の「科学の国」に攻め込もうとするところで終わり、である。
多彩なキャラがそれぞれの立場から時間も縦断する構成から複雑に絡み物語を重厚にしてゆく。

科学全般について詳しい人はいるだろうから、千空という存在~キャラに無理はない。
ただ彼の理屈~理論が大変なテンポで具現化されるその作業工程にスーパーマンが絡む。
カセキという天才職人である。勿論、専門分野において飛びぬけた技量を発揮する巨匠はいるものだ。
しかしこの老人、何をやらせても出来てしまう。物語の性質上、テンポの上でも必要不可欠な存在でもあろうが。
カセキ以外は特に気にならない。(カセキも勿論、魅力的なキャラだが少し都合が良すぎる)無理な設定のキャラと感じる者はほとんど無く、各キャラが個性的で厚みのある描かれようだ。
特にメンタリストのあさぎりゲンは人間味が溢れていて魅力的。
まだまだ色々あるが、、、

何がどうなっていてこれからどう向かうのか、、、24話までの時点でかなり明瞭になってはいるが、、、


これから断片的に、このSeason1の物語~アニメの範囲で、チャームポイント等を挙げてゆきたい。


明日以降に、、、。











Dr.STONE 観始める

Dr.STONE001


飯野慎也 監督
稲垣理一郎・Boichi 原作
加藤達也・堤 博明・YUKI KANESAKA 音楽

        (声
千空 、、、小林裕介
大木大樹、、、古川 慎
小川 杠、、、市ノ瀬加那
獅子王 司、、、中村悠一


まだ途中~最初の頃、なので観終わったら感想というか、備忘録を書きたい。
とても面白い。作画も発想も流れも展開も、引き込まれる。
人類が皆、石化して数千年経ってから目覚めた高校生が科学の知識を元に人間世界を蘇らせようという物語みたいだ。
アニメオタクの次女の推薦によるもの。
前々から観てと言われていたが、なかなかその気になれずに引き伸ばしていた。
何故なら、TVアニメなのでまとめて観ても、かなりかかるので、、、。

何話まであるのか、分からないままに、つい先ごろから見始めた(笑。
いつ観終わるか分からないにしても、かなりワクワクする(爆。

映画は日中にひとつ観たのだが、いや昨日から今日に向けて二つ観ている、がどちらもこのアニメの1000分の1も面白くなかった。
やはり日本アニメは凄い。
邦画の実写は玉石混交だが、アニメはほとんど出来が良い。
日本人は、基本アニメオタクなのか?

何を言っているのか?
兎も角、観終わるまでかなり時間を要する。
毎日やることもある。
今日は一日がかりで、垣根の剪定をした。
明日は明日で庭の片付けが一日がかりである。

だが、このアニメは面白いので、観ないではいられないはず。
明日もどこかで時間を作り、観ておきたい。


ということで、本日はそのお知らせのみ(爆。



死者の記憶をもつ子供たち 2h SP

81mHP.jpg

2h SPを観てみた。
作りは、45分ものと変わりはなかった。
長くなった分、エピソードも増え、何と5つもすし詰めで入っている。
これでは、45分で2つの方が話が充実していた。


昨日観た「乗り移った記憶」の貿易センタービルで落下死した記憶を持つケイドの噺の続きがあり、前世の友人と語り合う場面が出て来る。
相手もアフターライフってあるんだなあ、、、という感慨に浸る。
二人しか知らない話でピタリと通じるのだ。
(今は子供とおじさんであるが)。
母子で明日から今の生を生きることが出来ることを噛み締めて終わる。
恐らくこれが一番肝心なことであろう。
それだけなのだ。きっと。
では何故、前世の記憶を持って生まれてくるのか?
いや寧ろ、何かの間違えで記憶が残っていることで、現生での生活が多大な障害に見舞われている状況なのだ。

蝶の変態で、卵→(孵化)→幼虫→(蛹化)→蛹→(羽化)→成虫の過程で、前の段階の記憶が残っていたら現段階の生に支障が生じよう。幼虫の動きを身体に残していたら成虫の生存にとっての危機となる(支障どころの話ではない)。
ヒトも完全変態をしているのかも知れない。このような飛躍を経験して続いてゆくのか、、、
そうなると死は、上の過程における()の状況に過ぎないもの、、、
われわれは、前のフィギュアの記憶を完全に忘却しているために今の生を生きていられるのかも知れない。
もしかしたら、無意識的なレベルからの突き上げは、それ~他の場所の記憶の作動によるものと謂えるか。
確かにユングの説く集合無意識は、われわれの原初における記憶である。


ともかく、自分の中に自分を突き動かす強力なイメージ~他人格を抱え込んで苦しむ子供がいるということだけは、ハッキリ分った。
その原因を何に求めるかはさておき。
彼らは決まって激しい夜泣きをする。親子で心身ともに疲れ果てる。荒唐無稽な主張をする。
親としてはそれを否定することは出来ない(否定による解消は望めない)。
徹底して我が子の主張に寄り添い、その記憶から子供を解放しようとする行動は誰もが等しくとっていた。
わたしもその立場ならきっとそうするはず。

ただ、ここに取り上げられたパオロ少年に関しては、昨日の家紋を頼りに日本で前世の自分を探すと言っていた少女よりも覚束ない。日本刀に興味を持ち前世は武士の棟梁で、合戦の中、闇に囲まれ死んだという少年であるが、そのシーンについて、ディテールの解像度の高まることはなく、ずっと漠然としたままで、刀の構えや所作から着物の選択に至るまで、およそ日本らしくなく、侍の姿から遠いものであった。フィジカルイメージがまったくないのだ。他の前世チャイルドたちは文字や形体~家紋などや固有名(地名や人名)などを思い出してゆき、それが決め手となったりしていたが、彼のイメージは、戦隊ものの「赤~」とかアメリカンコミックやテレビショー経由のものに相違なかった。イメージに外部性が見られない点において、これは単なる思い込みとしか受け取れない。
勿論、サムライスピリットで逞しく生きてゆくぞ、という意気込みは結構なものであり、応援したいものだが。
(昨日の前世が「風と共に去りぬ」の脚本家シドニー・ハワードであった少年の対極にいる。このようにはっきりしてしまえば気持ちもスッキリする。後は今世でも名作をものにすれば、説得力が増す。それこそ前世~輪廻転生ブームも巻き起こるだろう。詐欺も含めて)。

ここでも、あのお空の扉からママのお腹に降りて来て、生まれて来たんだよ、という件がある。前世が司祭であった子供だ。
乃木坂4期生の北川さんの見解を聴いてみたい、とふと思った(笑。


面白く興味深いエピソードも幾つもあった。昨日のものであるが、、、
息子がロシア空軍大佐であったことが判明したエピソードは気に入った。
父がイラクに派遣が決まった時に、男同士の話があると息子に呼ばれ、戦場での身の守り方を教えられ、しっかりやってこいと年端も行かぬ息子に励まされる父の絵は何かとても仄々していた。
息子の面持ちは確かに大佐の威厳があり、明らかに父親より格上オーラをビシバシ発していた。
しっかりした息子を持って羨ましい限りだ。うちの娘の赤んぼぶりからしても、、、。

それから、孤児列車の回で、自分のイメージをたった一人孤独のうちにずっと探っていて、その前世ルーツに迫って行く少女には、大変好感を持った。早くその件を解決して、将来研究職にでも就き、実のある仕事をしてもらいたいものだ。今回の足を使った探求は必ず糧になると思われる。


だが、われわれ一般として、最も気になることは、前世がどうとか輪廻転生などということよりも、死んだ後の”生”としか捉えようのない今回の彼らの話しについてである。その死後に訪れる場所そのものが気になるのだ。その霊界みたいな場所こそが知りたい。
そこは、何なんだ?
それこそ知りたいところなのだ。この子たちの中から誰でもよいから教えてくれ。頼むよ。

ちなみに、そこが居心地よければわたしは絶対に輪廻転生のサイクルなどには乗らない。外れる。冗談じゃない。
死んでも拒否する。って死んでいるところだが(爆。

ともかく、教えて欲しい。





破格の値段で5つ★ホテルと豪華な食事の愉しめる旅を! 東京オリンピックまでに自由を手にする無料動画






死者の記憶をもつ子供たち

81mHP.jpg

Season 1 4 Episodes
2020年
アメリカ

1. 乗り移った記憶

2. 兵士と脚本家

3. 孤児列車とホテル火災

4. タイタニック号の乗客

以上4編を観てみた。
(この後、2hスペシャルというものがあったが、時間の関係でそこまでは観れなかった)。
かなりシリアスなもので、こちらも普通に真面目に観た。
ともかく、TVの作りだ。
映画とはずいぶん違う。

伝えるべきところをテンポよく簡潔に流してゆく。
観易いことこの上ない。
だが内容は何とも、、、。
噺は、自分の子供が超越的なトラウマを抱えていた場合の、親子の奮闘の記録である。


幼い我が子が急に悪夢を観始める~不意に語り出す。
どうしたことなのか確かめると、凡そ子供らしからぬ口調と表情で自分が死んだときの話をする(そのときは別人格に見える)。
ほとんどが陰惨な事件~事故により命を落としている。
そして自分のかつての親の事や家族の事、仕事の事なども語り始める。
荒唐無稽な絵空事にも想えない真に迫った雰囲気であり、ふざけている様子はない。
それらの噺は徐々に解像度を高め詳細なものとなってゆく。
まさにその時間系は強迫観念として日夜子供のこころを捉えて離さず、彼らは皆孤独にふさぎ込んで苦しむようになり、親は無力に見守るしかない状況となる。
親は危機感を募らせてゆく。

2歳から5歳の間にそれは起きており、親や兄弟がその間に話に現れるような何らかの情報を与えた覚えはない。
しかし、通常では知りえない(親も知らない)情報を正確に事細かに語り、ネットで検索すると事実であることが分かる。
とは言え、天国の窓からママを見ていた、などという言説をはじめやはりどこかの隙に刷り込まれた物語と受け取れるところもある。
情報は何処からともなく様々な形で多様なものが無意識にそれと気づかず侵入して来るものだ。
だが、受け手の年齢にしては、語る内容が整理されている(そこが決め手になっている)。
彼らは決まって、普通より早く歩き、発話も早く、物覚えも良く、世話のかからぬ子どもであったようだ。
(単に能力が高いとも受け取れるが、そもそも彼らを精神分析医が真剣に分析してはいないのか。それが番組の話にはない)。
ともかく知るはずのない事実について熟知していることが大きな戸惑いを生むのだ。
それも陰惨な事件により彼らの前世が断ち切られているところが大きい。

過去に起きた事件の正確で詳細な事実を子供の口から語られると、その合理化として親は前世の(超越的な)記憶を保持した子供なのだと思いたくなるのは分かる。ともかく得体の知れない変わった子供では、お互いに耐えられまい。
彼らは明らかに他の子供とは違うが、聡明で真面目で「異常」を感じさせないことも確かなのだ。
自分の子供が子供らしくすくすく育つのではなく、ある特定の(多くは忌まわしい)記憶に蝕まれ苦しみもがいているのを見ると、親としては激しく執着する「前世」の記憶から彼らを解き放ち、自らの生を活き活きと生きてもらいたいと願う。これは当然だ。
ある意味、結果的に双方の共犯関係は揺ぎ無いものとなる。

彼らは親子で問題の解決に当たる。子供も自分の生を生きたいのだ。
「前世」を仮定し、その記憶を事実の記録と突き合わせ、合致した現場に実際に行って確認~追体験をする。
これは正しいものだと思う。
これ以外の有効に思える方法は浮かばない。
実際にそこを訪れ、事実を確認し自分の前世の妹と逢うなどして、悪夢から解かれてゆく。
1~4までの話では皆、その線で良い方向に向ってゆく。
今生の親子の絆も深まり良い結果を生んでいる。
ただ、前世で日本人として生まれた少女が(記憶から書いた)家紋?を頼りにかつての自分を探し出すのは、大変難しいと思われる。基本、何処の家にも家紋はあり、その家紋に当たる家は夥しい数だと思われる。
筆で書いた漢字も日本の通常の熟語ではない。これは何かの拍子に取り込んでしまった文字であろう。
彼女自身は感受性豊かで能力も高い子供だとは思うが、精神分析医に診てもらった方が解決は早い気がする。


娘との関りで、死は終着ではなく、その先の世界があることが分かり、安らかな境地に至ったと、癌を患う彼女の母が語っていたが、どうもそういう気持ちには共感しかねる。


明日は、二時間スペシャル版も観てみたいが、物語としては充分に面白いので期待は出来る。



破格の値段で5つ★ホテルと豪華な食事の愉しめる旅を! 東京オリンピックまでに自由を手にする無料動画








涼宮ハルヒの憂鬱-Ⅱ

Endless Eight004


The Melancholy of Haruhi Suzumiya

2006年

石原立也 監督
谷川流 原作

       (声:
キョン 、、、杉田智和
涼宮ハルヒ 、、、平野綾
長門有希 、、、茅原実里
朝比奈みくる - 後藤邑子
古泉一樹 、、、小野大輔
朝倉涼子 、、、桑谷夏子


不思議なことには敏感。
しかしそれは三面記事の野次馬的なレベルを出ない。
だが、本人の気づかぬ次元で宇宙~時空改変を知らず行っている、という特異点であるハルヒ。
微妙で思い切った設定である。
望むことを彼女はいつの間にか実現してしまうのだが、そのことに全く気付かない。
途轍もない絶妙な凄いことをやっている事実には無自覚で、意識は常識的に面白いことをいつも探している始末。
単にお祭り騒ぎをしたいだけのようにも映る。
だが、彼女が実現した(想像もせずに創造した)世界を彼女自身が観測せずに果たしてその世界は存在したと謂えるのか!
それは無いに等しいではないか。
宇宙は自身の生んだ観測者を前提として初めて存在する。


いま、この世でもっとも不思議でワクワクできるのは、科学的な発見などではないか。
最近の大きな出来事として、ヒッグス粒子の発見(2012)、重力波の直接検出(2016)、ブラックホール撮影(2019)などが特別感慨深い。だが日々宇宙(惑星間)観測機により孤独のうちに続けられていた調査・発見のニュース~情報には胸が躍る。
ここのところ、主にカッシーニによる土星と土星周辺の探査であった。
その余りに美しく神々しい冒険。あのグランドフィナーレのビデオは何度見ても、こみ上げる涙を抑えられない、、、。

それはあくまでもメディア(編集・製作)を通して享受できる情報であることは違いない。
それでも、こんな情報以上のものが、他で得られるとは思えない、、、
そしてこれが観測者あっての宇宙なのだ。リルケの言うように、ことばの数だけ宇宙は深まり広がってゆく。
絶妙なチューニングによって辛うじて存在し得た観測者。
それが初めて宇宙を存在せしめる。この表裏一体。
であるから、映画「メランコリア」で地球が天体衝突により破壊され宇宙の藻屑と消えたときに、同時に宇宙は死んだのだ。
(人間原理の重要な要素のひとつ、地球に向かう他天体の軌道を自らの強大な重力で逸らしてしまう木星の力がこの時は及ばなかった)。

一次情報や所謂情報化される前のデータ~事象に触れる機会はさすがにわれわれ市井の人間には制約が多すぎる。というより接する手立てが限られている。身体的限界も含めて。
ハルヒはともかく素手で直接何か途轍もないものを掴んでみせたいのか。あくまでも自分の手で。仲間と一緒に、、、。
気持ちは分かる。神になりたいのか?(本当になってしまっているが気づかないだけなのだが)。
当然彼女の現実においては、到底何を企てようが満足できるところまでは届かない。
その執念~無意識的欲動が、情報爆発~時間大震動~閉鎖空間(次元断層)の生成などを引き起こすというのか。
とんでもない規模の危うい祭りである。

ハルヒの望む世界を彼女自身が創り、彼女はその世界内にいながらその世界がなんであるかを知らない。
いやこれはわれわれにも言えることではないか?
彼女に必要なのは、観測者なのだ。
彼女の世界を見てくれるもの。それがあって初めて彼女も真に存在しうる。
自分の小ささを自覚させられるのではなく、自分の無限の可能性をその広がりを見届けてくれる存在が必要なのだ。
それが彼女に選ばれた普通の人キョンなのではないか。
そして彼女の望みであった宇宙人の長門有希に未来人の朝比奈みくるに超能力者の古泉一樹がそれぞれの目で見守る。
キョンはハルヒに選ばれた。とみんなが言う。一番の謎。それは何故キョンが選ばれたのか?
キョンこそハルヒの観測者なのだ。
ハルヒが消失したときにも、彼は天文学者のように彼女を見つけ出した。



破格の値段で5つ★ホテルと豪華な食事の愉しめる旅を! 東京オリンピックまでに自由を手にする無料動画







涼宮ハルヒの憂鬱-Ⅰ

Endless Eight001

The Melancholy of Haruhi Suzumiya

2006年

石原立也 監督
谷川流 原作

       (声:
キョン 、、、杉田智和
涼宮ハルヒ 、、、平野綾
長門有希 、、、茅原実里
朝比奈みくる - 後藤邑子
古泉一樹 、、、小野大輔
朝倉涼子 、、、桑谷夏子


無意識的な爆走で宇宙を消滅させる可能性のある涼宮ハルヒを観測・監視するおどろおどろしい(宇宙規模の役職の)3人とハルヒ宇宙の微調整役の普通の人キョンで成り立つ噺。

「人間原理」をベースに展開する。

ハルヒは、自分では「宇宙人と未来人と超能力者」を友達にして何をかやらかすぞと息巻いているのだが、その無意識的願望によりその通りの存在が(恐らく改変~創造されて)集まってしまっている。
SOS団として。

しかしハルヒは意識の上では、そんな存在がいるわけないと信じている(端から諦めている)。
かなり常識的な超自我~感覚は持っている。
だが、無意識的願望を元に世界を創造してしまう特異な力をもってしまった。それが3年前の七夕に生じたらしい。
彼女には何の自覚もない。意識的にSOS団員に命令してやっていることと言えば、普通のお遊び~イベントを派手にやるに過ぎない。
つまり自分の潜在パワーには全く無自覚なのだ。また、それに多少でも気づくようなことがあると、どのような大変動が宇宙に起こるとも限らない。(古泉の言うように重力定数や粒子の質量比が僅かでも変われば宇宙は消滅しかねない)そんな覚束ない状況にあるのだ。ハルヒが呼び寄せてしまった(創造してしまった)3人は、彼女の無意識的願望を満たす存在であると同時に彼女が世界を取り返しのつかないほどに改変しないようモニターしながら場合によっては早急に修正する役ともなる(何という大役か)。
古泉が「人間原理」をキョンに解説する際に用いた「崖っぷちでつま先立ちしている道化師のごとき存在」こそがハルヒを取り巻く彼らそのものと言える。
だから、ハルヒに常に振り回され危うい目に遭い時には命からがら急場をどうにかしのぎつつ、世界を元の姿に戻したりしてハルヒと仲良く時にはなだめながら遊んでいるのであった。

世界の創造者というものは、やはりハルヒのように荒ぶる神なのだろうか。


ここで何と言っても陰で凄い活躍を続けているのが、長門有希である。
実際のところ、彼女がいなければとっくにキョンは殺され、歯止めの効かないハルヒによって宇宙は消滅であろう。
長門有希は途轍もない功労者である。
ハルヒよりファンが多いのは当然であろう。
(わたしもファンである)。

古泉がハルヒの無意識に形成する閉鎖空間で「神人」を倒す活躍も既視感はあるが、縁の下の力持ちか。
キョンによる宇宙の微調整も何とはなくできていたりそうでもなかったり、であった。
朝比奈みくるはハルヒの良い玩具であったが、彼女が捕まえてきた萌えキャラである。
ハルヒの無意識的な欲望を満たし安定を呼ぶ存在としてとても役立ってはいた。
未来人としてのどういった役割を果たしていたのかは、いまひとつはっきりしないのだが。

やはり長門有希が大活躍なのだ。
キャラもとてもそれらしい。
ハルヒとの対比でも。
丁度、惣流アスカラングレーと綾波レイのテンプレートにピッタリの鉄板キャラとでもいうべきか。
ここではそれにテーマ音楽付きの鉄板萌えキャラ朝比奈みくると非常に安定した相棒キャラの古泉一樹が支える。
これらの構成は強力だ。




破格の値段で5つ★ホテルと豪華な食事の愉しめる旅を! 東京オリンピックまでに自由を手にする無料動画






エンドレスエイト インターミッション

Endless Eight007

Intermission

いくちゃんの写真集についてではない(笑。
恐れ多くてコメントなどしようがない。

そうではなく、「エンドレスエイト」についての考えがまとまらず、一先ず休憩にしたいのだ。

原作とか読まないと、よく分からない世界かも知れない。
(原作に忠実とは言え、原作にはこのような繰り返しはないという。一回の記述で凄まじい回数のループの後にキョンのひとことでループを脱したようで、読んでもこれについてはあまり意味はなさそうだが)。

原作を読んでいれば、感じ方が違ってくることは当然ある。
しかしこれは表現形式が異なるのだから当たり前のことであり、その世界観をその形式を活かして表すことに成功していれば文句はないはず。

どうなのだろう。
わたしとしては珍しく、これについて書かれたスレッドなどを拾い観してみたが、驚いたことにコアなファンにかなり評判が悪く、実際売り上げをこの話から落としているようで、それ以降立ち直らなかったようだ。いやセールスの問題より深刻なのは、この大傑作「ハルヒ」シリーズ自体の評価を落とす要因に、この作品がなってしまったらしい。何ということ、、、。

ちょっと今回は、いつものように無手勝流な感想を気軽に書けない気分に陥った。
同時に夏の疲れもどっと来た。
わたしは原作はおろか、毎週の番組を一周間楽しみに待ったうえで視聴していたわけではなく、DVDで一気にまとめて観てしまったのだ。この違いが殊の外大きく影響した感もあるが。

ファンのほとんどは、この作品に怒っているようなのだ。
主に8回ほとんど同じイベントをそれぞれ制作チームを変えてまで作ったのに、完全にイベント・セリフ・シーンが細かい部分まで統制がかけられており、ほぼ同じもの~シークエンスで出来てしまったのだ。それでも作画の個性などは滲み出ており、わたしはその辺の違いを味わうことが楽しかったのだが、、、つまり型を同じにしても溢れ出てしまう表現の妙が、である。

批判の多くは所謂、バタフライエフェクトによる作用がどうなってるのか、自然に考えてもっと多彩で多様な動き~イベントになって当然だろう、いつものようにキョンではなく視点を変えてイベントを捉えてみたらどうなのか、ここでは全てを知る立場の長門がその適役ではないかとか、同じイベントでやっても一回ごとに視座を変えたら変化に富むというのもあった。水着が毎回違うことに注目し、浴衣はその場で買うからまあよいとして、水着は家からもって集まるにしては、たくさん持ってい過ぎだと怒るファンもいた。わたしは毎回異なる衣装を愉しんでいたので盲点を突かれた。リアリティにおける信憑性である。確かに女子なら水着を8種類(以上)持っていても不思議はないが、男子が海パン8種類(以上)持っているのは、ちょっとマニアの領域かも知れない、とは言え、ここまでつつかれるのは、相当この作品が強い批判欲を引き寄せるものになっていることは違いない。

わたしの観方が甘かったのか。
しっかり観ていなかったから、怒りがこみあげてこなかったのか。

わたしは単に純粋に面白かったのだ。
ファンが如何に苦言を呈していても、わたしが面白かったのだから仕方がない。
どうしろというのか。
と、開き直ってみても、この温度差以上の感覚は、やはり気になる。

元々わたしは、滅多なことでは作品を批判的に観ない。
極めて受容的な姿勢で鑑賞する。
勿論、その姿勢もその作品の出来具合の程度によるとはいえ。
余りに酷い時は(最近、何作か確かにあった。「Her」などそのひとつで、普通のパソコンにインストール出来る程度のAIに安易に感情を持たせて、気色悪い会話を延々とさせる映画などには)流石にブチギレ鑑賞放棄するが。
これは、そんなおバカで下らぬものとは、次元の異なる作品である。

丹念な作画でディテールまで緻密に描かれた表現豊かな作品である。
ひとつだけ観れば、文句なしの京アニ品質の傑作ではないか。
要するに、問題は、「反復」(そのさせ方も含め)に尽きるとは謂えよう。
デザインの問題となる。

但し、ひとつだけ、大方のファンの意見にあるらしい「エンドレスエイト」が「消失」の要因となったというのはどうか。
確かにその「時間」は彼女にとって有意味に働いたと思うが、、、。
今日、娘たちと「涼宮ハルヒの消失」を一緒に観て、胸の締め付けられるほどの感動を覚え、思ったのだが、エンドレスエイトがなくても、「消失」は起きたし、それまでの流れの必然の結果でもあったのではないか。




破格の値段で5つ★ホテルと豪華な食事の愉しめる旅を! 東京オリンピックまでに自由を手にする無料動画



エンドレスエイト-Ⅰ

Endless Eight006

The Melancholy of Haruhi Suzumiya
より"Endless Eight"
2009年


石原立也 監督
賀東招二 村元克彦 脚本
谷川流 原作

       (声:
キョン 、、、杉田智和
涼宮ハルヒ 、、、平野綾
長門有希 、、、茅原実里
朝比奈みくる - 後藤邑子
古泉一樹 、、、小野大輔
朝倉涼子 、、、桑谷夏子


観て一日経ち、これは尋常ではない作品だとじわじわ分かって来た。
どうやらわたしはこれをお気楽ご気楽に観過ぎていたみたいなのだ。
だが、どう分かったのか(気づいたのか)自分でも良く分からない。
少しずつ感じたことを備忘録風に記しておき、その後、まとめられたらまとめたい。
今のところ、そんな状況なのだ。

まずその前に色々と整理するために気になったところをランダムにでもあげておきたい。
大事なことを忘れていてはまずいし、そうしておかないと、先に進めない。


この作品をわたしはDVDでまとめて一気に観てしまったのだが、実際はTVで週一で放映されていたのである。
しかも、たまたま見たスレッドから、視聴者には何話から何話までこれが続くという情報は予めなく(通常そうであるが)、エンドレスエイトの回が何回続くのか分からず相当な不安をもって見守っていたようだ。
(原作本では、一回限りの話しでそれを表現していたところを、京アニは8回繰り返して表現~演出したのだ)。
これは、確かにわたしが一気に観たのとは状況が大きく異なる。
ファンにとっては事件というか事故というか、災難ともとれる事態であったらしい。
まさか放送がエンドレスに続くわけはないにしても、5回目くらいからは、どうなるんだという焦燥と不安は拭えなくなったはず。

この表現はどうのような効果を狙ったものなのか。
かなり特殊なものであることは、端から分かるがさてそれは、と言われるとまだ確信がない。

最初に受けた印象も何か覚束ないものとなっている。
ただ冷静にもう一度、考えると、、、
時間が繰り返されてゆくのであれば、長門の謂った以上に、それぞれに様々なイベントパタンがあって楽しんでいても良いし、動きも大きく異なってよいはずで、通常、その方が自然である。しかもセリフが基本的に一緒ということはまずなかろう。
確率的にハルヒがやりたいことリストに載せる項目は彼女の趣味・趣向から同じとなったとしても、それをやる順番ややり方やその時の状況にもっとバラツキはあってもよいだろう。此処まで揃える意図が何であるのか。勿論、極めて意図的にそう作ってあるのは明らかであるため、そこを確認することがこの物語の理解においては避けられない事項となる。

昨日、書いたことだが、8回目の最後のカフェの場面で、一か八かの勢いでキョンが俺にはまだ課題が残っている。俺の家で皆で宿題だ~にハルヒが乗ってこのループをめでたく抜けるのだが、ここで何が作用してループを抜ける~ハルヒが漸く「夏休み」に満足したのか。
みんなで残った宿題を誰かの家に集まりラストスパートでやるということが、夏休みの風物詩みたいに感じて、これだ!と彼女も満足したのか?
キョンがこうしようと強く主張して、それに対し団員にそんな決定権はない、出しゃばるなと渇を入れ、わたしも行くわよ!と宣言したこと自体が、彼女を吹っ切れさせたのか、、、いまひとつ何とも言えぬが。
とは言えどうやら後者のように想える。何故なら彼女は最終日に、キョンの家では、彼の妹とテレビゲームに興じていて、宿題など彼女は休みの頭に終わらせていたため、ノータッチのようであったから。
キョンが声高に自分を主張する場面などこれまでに一つもない。これに感銘を受けたというか、ハルヒの何かを強く揺さぶった感があるのだ。

さてそれから、何と言っても長門である。
彼女はループの外にいてループ自体を対象化して眺めていたような存在である。
中にいながら全体をしっかり把握していたのだ。
他のメンバーは、その都度一回性の生を生きていたに過ぎない。
古泉の語るように経験の残滓みたいなものが蓄積して行き、時折(しかも決まった場面で)既視感に陥ることはあっても。
そこで、彼女は単に観測者であるため、動かなかったのか。
これまで、彼女は肝心な時には、キョンを朝倉涼子の魔の手から深手を負いつつも救ったり、同様に朝比奈みくるのカラコン光線を手で遮り酷い傷を負いキョンの命を救っている。状況を変えるスーパーウーマン並みの能力を発揮する場面は少なくなかった。
もし、彼女にとって1万5千を越えるリピートが辛ければ、何らかの手を打たないか。勿論、これまで自分のことに対し能力を発揮する場面はなかったが、エラーを自身の内に蓄積し本来の任務遂行に支障が出るような事態を予想すれば、当然手を打つはずである。
彼女の底知れない能力をもってすれば、ループを無化する方法など直ぐに見つかったはずだ。
それを敢えてせずに500年以上もループを許すと言うのは、彼女にとってそこが心地よかったのではないか?
そのなかでの生活が彼女にとってとても有益であった可能性が高い。
彼女に限りずっと連続性を持って本をつぎからつぎへと読破してゆけたはずである。
あの速読力で、500年を遥かに超える時間の多くを読書に充てていたのだ。
それだけ読書すれば誰でも人が変わる~豊かになる。
エラーとか壊れたとかいうことばを使うため、負に解釈し易い流れを作るが、実際はどうなのか。
「消失」で朝倉涼子が普通の女子学生として過ごしていたが、本来それがあるべき姿であったかも知れない。
そもそもハルヒが北高に超能力者と宇宙人と未来人の友達が欲しいという強大な無意識~願いを抱いた為、その役を彼らが担うことになってしまったのなら、長門有希だってそうである。いや古泉一樹も「消失」では普通の生徒としてハルヒの彼氏になっていたではないか。
ハルヒだけは変わらないのであるが。

どう見ても、長門の改変した世界の方が普通であることは間違いない。
とすれば、長門は「消失」で魅せた姿こそ本来の彼女なのだ。
感情の感じられないアンドロイド(対有機体ヒューマノイドインターフェイス)ではない、控え目で情感あふれる美少女。


エンドレスエイトの期間は長門にとっては豊潤な時間であったかも知れない。
ただ、ハルヒの消失により彼女を喪失し彼女が自分にとって掛け替えのない存在であることを自覚するキョンにとっては、長門は壊れたという判断となろう。いつも世話になってばかりでとても大変な役回りだという同情はあっても。
長門はそれらの全て知っているため、パソコンにどちらの世界(ハルヒのいる調子の狂った世界か落ち着いた普通の世界)を選ぶかをキョンに決めさせる手立ても予め用意しておいたのだ。
何と健気な。

しかしまだ、「エンドレスエイト」そのものの謎については皆目分からない。



破格の値段で5つ★ホテルと豪華な食事の愉しめる旅を! 東京オリンピックまでに自由を手にする無料動画




PRE:エンドレスエイト

Endless Eight001

The Melancholy of Haruhi Suzumiya
より"Endless Eight"
2009年

石原立也 監督
賀東招二 村元克彦 脚本
谷川流 原作

       (声:
キョン 、、、杉田智和
涼宮ハルヒ 、、、平野綾
長門有希 、、、茅原実里
朝比奈みくる - 後藤邑子
古泉一樹 、、、小野大輔
朝倉涼子 、、、桑谷夏子


この”8”は、8月の8でよいのか?
わたしは度々、日本のアニメ、そして京アニに驚いて来たが、これにはホントにたまげて笑ってしまった。
こんな作品が今から10年前に出来ていたのだ。今頃知るのだから、わたしはハッキリ、アニメの門外漢である。

夏休みも後15日というところで、涼宮ハルヒが一度しかない高1の夏休みを悔いのないように楽しもうということでSOS団員を集めてやりたいことリストに従い、片っ端から皆でイベントを愉しむというものだが、8月31日24時になると自動的に15日前の日に戻り、再度その15日間が繰り返されてしまう、というもの。これを全て一回ずつ覚えているのは長門有希だけである。
他は、皆時間内部に存在するため、繰り返し自体には気づかない。
そしてその現象を引き起こしているのは涼宮ハルヒであり、彼女の夏休みに対する不全感から休みを終わらせることに納得できない無意識が時間をループさせているそうだ。
これに気づいたのは、未来人朝比奈みくるが未来に還れなくなったことから、それを古泉一樹に相談して発覚したことによる。
誰もが既視感を持つようになり、その違和感の原因がそれであることを導き出し、長門有希に聞いてみるとすでに15000回を上回る数の反復をしていた。9月以降の未来が消失したことになる。長門がこのことを誰にも語らなかったのは、彼女の立場が観測者であるからだ。
ループの経験は実質上、長門の経験でしかない。
他の人々にとっては一回性の時~生であることには違いない。
朝比奈においては、その現象による被害を現実に受けてダメージを被ってはいるが、、、。


恐るべき実験作。追従は許さない孤高の怪作。直ぐにそんな印象を抱く。
8話に渡り作画の異なる同じ内容の(セリフや細かいシーンが多少異なる)話が繰り返される圧倒的に面白いアニメーション。
時間のループに気付かず終わる1話、ループに陥っていることに後半気付くも抜け出せない話が6話続き、ループから抜け出すことに成功する最後の1話で完結する。
6つの同じ話は、それぞれ違う制作チームが個別に同時に作ったものだという。
それだけあって、ニュアンスが異なる。どれも大変質の高いもので、愉しめる(8回観ても)。
登場人物の衣装が全て異なる点も充分に面白い(長門の選ぶウルトラマンのお面も被り方も異なる)。
声優のアドリブも異なる。その辺の見比べ聴き比べをしたらかなり濃い体験であろう。
同じ本でこういう表現~演出の可能性が提示される、これからアニメーションの勉強する人にはうってつけの教育的なアニメともとれる。
(アニメ制作会社の極めて良質な社内研修ビデオではないが)。

こんなアニメーション作品、他にあっただろうか?
ループそのものとは関係ないが、これだけ何度も同じシーンを見ると、普段だったら見逃していたり適当に確認していたであろう場面~ディテールをしっかり味わうことが出来る。特に京アニ品質で制作されたものであるから見れば見るだけの価値がある。
京アニの凄さを今更ながら確認する。
恐らく、他の制作会社ではこれは出来ないであろうし、仮にやっても技術的に成り立たないであろう。

さて肝心のこの8回に及ぶループであるが、どうなのだろう。
全てを記憶する長門有希~わたしはこのキャラにとても魅力を感じるのだが~が言うことには、15532回(594年間)も夏休みの終盤15日間が繰り返されるなか、異なるパタンが実際に幾つかあったという。
この異なるパタンも長門有希の恐るべき体験を追体験する意味で8回にそれぞれ入れることは禁止事項であったのか。
全て同じでなければ意味がなくなる(薄れてしまう)ものであったのか。
確かに長門の反復体験を僅かでも感じ取ろうとすることが第一の目的であればこの方が効果的であろう。
だが、異なる行動パタンとやらを分けて描いてもそれくらいのバリエーションなら許されないか。

それから、この反復劇だが、果たしてハルヒの欲求不満(不全感)だけが原因なのだろうか。
「夏休みの宿題」をいつまでも先延ばししたいキョンの無意識も大きな作用を及ぼしてはいないのか?
結局は、彼がハルヒら全員に俺の宿題を終わらせよう、と持ち掛けたところでループを脱し9月が来たのだ。
それまでは、原因が掴めたという時点でも、あまりループを脱することに積極的とも謂えず、31日になってからも、またループしようがその時の俺に任せればいいや、くらいに思っていた。

長門に蓄積されたエラー~感情が「ハルヒの消失」を呼ぶ前段階としては説得力を感じるシークエンスである。
このループ(経験)は確かに長門以外には意味はない。



破格の値段で5つ★ホテルと豪華な食事の愉しめる旅を! 東京オリンピックまでに自由を手にする無料動画

広島・長崎の特集番組を見て

kinoko001.jpg

NHKで放送された広島・長崎の特集番組を見て思うこと。
結局、自分のその体験とは何であるのか?
それを各自が自分の場所で徹底して問い詰めること。
それが語られていた。

全くその通りだと思う。
わたしも自分の場所~身体の縁から一歩たりとも離れず、いまこの体験は一体何を意味するのかを考えつづけなければならない。
それ以外は一切考えたり語る必然性~意味がない。
これが倫理だ。

体験が常に学びであること。
そうでなければ、生きる意味などありはしない。
だから彼女らは語り継ぐのではなく、語り合う方法を選択した。
あの長崎の女子高生の方向性は正しいと思う。

わたしは風景画を描くことにした。
この場と社会~自然に連動するに都合がよい。
虚構を簡単に立ち上げるのではなく。
そこに籠められたコードを読み取るならば、定義はし易い。

静かに語り合うための、、、。



破格の値段で5つ★ホテルと豪華な食事の愉しめる旅を! 東京オリンピックまでに自由を手にする無料動画

氷菓 その3

hyouka004.jpg

2012年
武本 康弘 監督・脚本
米澤穂信 原作


                         声):
折木奉太郎(古典部、推理の達人)、、、中村悠一
千反田える(「豪農」千反田家のひとり娘、古典部部長)、、、佐藤聡美
福部里志(奉太郎の親友、古典部、総務委員会、手芸部)、、、阪口大助
井原摩耶花(漫画研究会、図書委員、古典部)、、、茅野愛衣
入須冬実(総合病院院長の娘、女帝と呼ばれる)、、、ゆかな
糸魚川養子(神山高校教師、司書)、、、小山 茉美
十文字 かほ(荒楠神社の宮司の娘)、、、早見沙織
折木 供恵(奉太郎の姉、元古典部、インドにいる)、、、 雪野五月
遠垣内 将司(壁新聞部部長、父が教育界重鎮) 、、、置鮎龍太郎
田名辺 治朗(総務委員会委員長)、、、福山潤
陸山 宗芳(生徒会長、絵が上手い)、、、 森川智之


二つ目の山は何と言っても文化祭である。
千反田えるのキラキラ瞳の「気になります!」はずっと健在であるが、「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」というモットーはまだ基本に置いている折木奉太郎ではある。
文化祭は、部室に文集「氷菓」第46号が200部山積みされているところから始まる。
摩耶花の手違いで発注してしまった部数らしい。もとは30部の予定であったそうだ。
上手いイントロである。だが要するに売ればよいのだ。千反田えるは相変わらず前向きだ。
彼らは部活の知名度を上げつつ文集を宣伝し、よい場所に売り場を設けようとするところで、話は動いてゆく。
イベントなどに古典部の名で積極的に参加し、好成績を収めて目立つ。総務委員会にも売り場の拡張をえるが掛け合う。
折木奉太郎はモットーに従い、部室で売り子としてお客を待つ。
だが、わらしべプロトコルを実行して、お料理コンテストで窮地にある古典部を救ったり、単に推理の時だけ役に立つのではなく、普通に考える人になっていて、時折自ら有効な行動にも出たりするのだった。

hyouka023.jpg

古典部がクイズに出たりお料理コンテストに出たりするなか、怪盗「十文字」が現れ特定の物品を盗み、後に犯行声明を残してゆく。狙われる部活に法則性が窺え、奉太郎のいつものスウィッチが入って謎解きが始まり、この回の軸となる。
そう、この物語全体はミステリーであった(謎解きはするも日常描写が濃いため、そのイメージが薄いのだ)。
今回は、漫画研究会の井原摩耶花の苦しい立場や彼女と副部長との傑作とは何かを巡る論戦も加わる。
摩耶花は「夕べには骸に」という漫画に絶大な賞賛をよせており、作品自体の質より全ては読者の感性次第という副部長と激しく対立する。
昨年発表された「夕べには骸に」という傑作同人漫画が最後までキイとなる。「響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ」にあるように、才能という問題が同時に語られてゆく。主に福部里志の心情の吐露からだが。
つまり、文化祭のなかで起こった十文字怪盗事件の展開に絡み、「夕べには骸に」を巡って傑作とそうでない作品はどう違うのか、その表裏となる才能と凡庸(諦め)とが切実に描かれてゆく。

hyouka022.jpg

蛇足ではあるが、コンテストで仮装したお料理部部長のコメントが実に面白い。この辺の脇役の個性~魅力も忘れてはなるまい(声優陣の充実が挙げられる)。

時折姉のコントロールが強く感じられ、ちょっと何かの秘密機関の諜報員みたいで怖いところがある。
特に「夕べには骸に」を店番している弟のところに絶妙なタイミングで届けるところなど、この人は誰?という感じ。
この「十文字事件」は、その後記の内容と予定され未だ形を見ない「クドリャフカの順番」なしには解決しえないものであった。
彼女は明らかにヒントというより核心をついたものをここぞとばかりに持ってきたわけであるが、、、。

傑作「夕べには骸に」の次に今年発表されるはずであった「クドリャフカの順番」が完全に宙に浮いていた。
「夕べには骸に」の制作に携わったのは、原作者のアンジョウハルナと作画担当の生徒会長陸山 宗芳、その手伝いをした総務委員会委員長田名辺 治朗であるが、田名辺は「クドリャフカの順番」の構想を「夕べには骸に」の後書きで期待を込めて記していた。原作者アンジョウは、転校してしまい、不在である。
だが、その「夕べには骸に」をも超えるはずのアンジョウ渾身の作「クドリャフカの順番」の原稿を、渡された陸山は読んだ気配がなかった。元々、陸山は絵を続ける(漫画を描く)意志はなかったように見受けられる。ほかの二人と陸山との温度差は大きい。
田名辺は、その原稿~シナリオに従い、文化祭の最中を狙い「十文字事件」を起こしてメッセージを送るが、当の陸山は全く気づきもしなかった。50音順に参加団体(者)からこの音の物品(古典部は「綱領原稿」)をターゲットにするが、「く」は抜かす。「く」で始まるものが失われた、というこの田名辺の手の込んだメッセージは、陸山へ向けた絶望的な期待とアンジョウへの思慕の念と文化祭を賑わせたい悪戯心の成せるものであったようだ。
文化祭の最後に陸山は田名辺に単に「お疲れ」と言葉をかける。この虚しさ。
文化祭の賑わいの中でことばのぶつかり合いとすれちがいと宙吊りのままで終わる様々なことばが何とももの哀しさを湛えていた。

hyouka021.jpg

登山家の先生の話は割愛。弘文堂の件も楽しい推理ゲームであるが割愛。おみくじの話も奉太郎が千反田えるの着物姿にぽ~っと見惚れる面白いものだが割愛。バレンタインデーチョコの里志と摩耶花のストイックな恋愛事情も割愛。ことばは実を結ばない。

hyouka028.jpg

3つ目の山、生き雛祭りの話。
「遠回りする雛」桜の幻想が見事に描かれていた。物凄いセンス!
格式ある名家の伝統行事の準備の忙しなさと、面子と仕来り、統制の難しさ、そこに付け込む他者。
それは美しく仕上がった千反田えるの生き雛~女雛。そして入須冬実の男雛。人々が息を呑む。
コースの乱れは、狂い桜が原因であった。
これを見るために帰省してきた写真家志望の若者が、わざとコースを変え狂い咲の桜の近くを生き雛たちの幻想的な行列が通ることでこの世と思われぬ光景に化学反応を起こすことを狙ったのだ。無論、写真に撮るためである。
傘持ちに参加した奉太郎も彼の信条である省エネ主義が脅かされる(しきりに参加を悔やむが後の祭り)。
桜と空のピンクの絶対的光景に、ついに彼のグレーは上塗りされた、、、。

hyouka027.jpg


そして、ここでも奉太郎のえるに対する内面描写はいとも鮮やかであった。
全てをピンクに染める桜と風が素晴らしい効果をあげていた。
このアニメ以外にない演出が極まった。

hyouka025.jpghyouka026.jpg


これからも多くの優れた仕事を成し遂げたであろう監督の非業の死を心より悼む。





破格の値段で5つ★ホテルと豪華な食事の愉しめる旅を! 東京オリンピックまでに自由を手にする無料動画








検索フォーム
ブロとも申請フォーム
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

SF PickUp