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GOMA28

Author:GOMA28
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プリティ・リーグ

A League of Their Own004

A League of Their Own
1992
アメリカ

ペニー・マーシャル監督
ババルー・マンデル、ローウェル・ガンツ脚本
キム・ウィルソン、ケリー・キャンディール原案
マドンナ「マイ・プレイグラウンド」主題歌
ハンス・ジマー音楽

トム・ハンクス、、、ジミー・デューガン(監督)
ジーナ・デイヴィス、、、ドティ・ヒンソン(捕手、オールマイティ中心選手)
ロリ・ペティ、、、キット・ケラー(投手、ドティの妹)
マドンナ、、、メイ・モーダビート(中堅手)
ロージー・オドネル、、、ドリス・マーフィ(三塁手)
ミーガン・カヴァナー、、、マーラ・フーチ(二塁手、強打者)
トレイシー・ライナー、、、ベティ・ホーン(左翼手)
ビティ・シュラム、、、エヴリン・ガードナー(右翼手、子供連れ)
アン・キューザック、、、シャーリー・ベイカー(左翼手)
アン・ラムゼイ、、、ヘレン・ヘイリーアン(一塁手)
フレディ・シンプソン、、、エレン・スー・ゴッドランダー(遊撃手、投手、元ミス・ジョージア)
ルネ・コールマン、、、アリス・ギャスパーズ(左翼手、控え捕手)
ジョン・ロヴィッツ、、、アーニー・キャパディーノ(スカウト)


わたしはほとんど野球に興味はない。
かつて職場で野球をやらされた苦い経験はあるにせよ(爆。
映画は結構、野球ものはありこれまでも観たことはある。
そこそこ面白いものがあった。この物語は初めての女子野球リーグ発足時のものである。
最初は、際物扱いされていたが選手の真剣なプレーに観衆が魅了され、盛り上がってゆく様子が描かれるが、、、

A League of Their Own001

実際に映画のような女子野球リーグが在った話であり、才能あるプレイヤーが頑張ったという史実に基づいているというが、戦後男たちが戻って来るなり、女子リーグは廃止になるとは如何なものか。
それは、あんまりだ。
今であれば女性差別~蔑視などで世論が黙っていないはず。余りに勿体ない。

ヒロインが女性初の野球チームで頑張るだけのスポコンものではなく、姉妹の確執で最初から最後まで引っ張る点がちょっと。
勿論、充分あり得るところではあるが、そこのクローズアップがきつい感じはした。
更に妹が他のチームに放出され意地で才能に勝る姉のいるチームに勝ちリーグ優勝を飾るというドラマは、それでよいとは思うが、あれ程の才能を持ち、そのワンシーズンで、リーグを去り普通の主婦になってしまった姉は、余りに勿体ない。
しかもこの姉妹確執~対決の部分は純粋に創作らしい。
この辺の噺で無理やりドラマチックにする必要もないと思う。

A League of Their Own002

それにしてもユニフォームが実際、あのようなチアガールみたいな感じのものだったのか。
目一杯のプレーをするにはやり難いし、怪我もし易いはず。
ホントなのか?
だとしたら、男が戦地に行っている間の場繋ぎ的で娯楽的な意図が感じられてしまうところ。
これは最初観た観客が真面目な野球と思わなかった点も自然な気はする。
であれば尚更、まともなスポーツリーグに育て上げたものを存続する価値はあるはずだが。
(オーナーの問題など色々あるにせよ)。

A League of Their Own003

野球がどうしても男子と謂うなら最初からソフトボールのリーグで活躍させればよいのにとも思う。
まあ、ともかくこのようなリーグがあったのだから、そのドラマとして観ればよいのだが。
トムハンクスの監督は、実際も試合中にベンチで寝るような監督であったというから、再現性は高いのだと思う。
とても有名な大リーガーであったが膝の故障とその後のアルコール依存症で、もうどうしょもない状態であったらしいが。
実際に酷い女性差別意識の塊でもあり、今流行の多様性と包摂性を意識させるにも良い題材に感じられる。
更にサステイナビリティも考えさせるところ。
エヴリン・ガードナーが幼い悪戯盛りの子供をチームと共に移動させていくのは、かなり現代的であった(笑。
女性が幼い子供を持ってこのようなリーグ戦に参加する難しさは今も同じだと思う。

A League of Their Own005

だが流れとして徐々に真剣に彼女らの頑張りに向き合ってゆき、最終的に熱血指揮を振るう監督となる。
シーズン終わりには、男子野球のチーム監督に推されるが、それを今のチームがあると断るまでになるという。
映画としての予定調和で、どんな感じにそこへと流れてゆくかなとこちらは見守って行くのだが。
その着地は良いのだが、実際女史リーグが無くなるのでは元も子もなかろう。
(それでも1943年から54年までは存続したと謂うが)。
残念なところだ。あの女性たちは納得するのか、と思ったが、老齢を迎えたところでかつてのチームメイトが一同に集結し皆で野球試合をするところで終わる。
これは最初に繋がるところであり、1988年に女子野球チームの殿堂入りセレモニーが開催されたところから(ドティ・ヒンソンの回想のような形で)始まる物語の形である。

A League of Their Own006

観る気を削ぐような要素は特になく、キャストはぴったりであった。
メイ・モーダビート役がマドンナということに気付かず観てしまったが、脇を堅実に演じていたことにしっかりした女優なんだと認識した(笑。
マドンナの唄うラストの主題歌「マイ・プレイグラウンド」はなかなか聴かせる。




BSにて




風とライオン

The Wind and the Lion001

The Wind and the Lion
1975
アメリカ

ジョン・ミリアス監督・脚本
ジェリー・ゴールドスミス音楽

ショーン・コネリー、、、ライズリー(預言者ムハンマドの血を引く砂漠の王者)
キャンディス・バーゲン、、、イーデン(アメリカ人富豪のペデカリス家の女主人)
ジョン・ヒューストン、、、ジョン・ヘイ(アメリカ国防長官)
ブライアン・キース、、、セオドア・ルーズヴェルト大統領
ジェフリー・ルイス、、、サミュエル・グメール(タンジール領事)
ナディム・サワラ、、、族長
サイモン・ハリソン、、、ウィリアム(イーデンの長男)
ポリー・ゴッテスマン、、、ジェニファー(イーデンの長女)
マーク・ズーバー、、、サルタン・アブデルアズィーズ(モロッコ太守、ライズリの甥)


モロッコってアメリカ映画によく出る舞台だ。
彼らにとり特別な意味合いがあるのだろう。砂漠は確かに魅力がある。
世界の列強、イギリス、フランス、ドイツが利権争いでモロッコに介入する中、人質に取られた母子イーデンとその息子と娘を巡り、気高い山賊の長ライズリーとアメリカ大統領セオドア・ルーズヴェルトとの駆け引きが描かれる。

The Wind and the Lion002

CGの無い時代の特撮には、惚れ惚れするものがある。
金と物資と人を投入した実写が元であるが迫力と気迫が凄い。
馬が怪我しなかったかだけ、心配になったが、よく頑張ってるね~と感心した。

先ずのっけからタンジールの大邸宅に優雅に住まうペデカリス家にいきなり騎馬隊が襲い掛かって来るところが破天荒。
映画的にはうってつけの掴みであるが、ここで家人と客は皆殺しとなるが、女主人と2人の子供は誘拐される。
この誘拐事件は実際にあったものだという。
甥のモロッコ太守が列強の言いなりになっていることに業を煮やし波紋を投じたというところか。
メディアも派手に取り上げ、民衆もこのニュースは行渡っていた。
それを投票に巧みに利用したのがセオドア・ルーズヴェルトであり、演説で人質を取り返すことを公言し民意を大いに煽った。
その後の流れはどれだけ史実に忠実かは分らぬが、なかなかのスペクタクルである。
誘拐したコテコテのアラーの下部ライズリーの醸す勇敢な男らしい魅力に参ってしまう男勝りのイーデンであるが、ホントのところどうだったのか。記録には彼女も戦地で武器を持って戦ったそうで、そんな共闘の中で惹かれ合うことも生じたのかも知れない。

The Wind and the Lion004

突然現れ平穏な家庭を破壊した(馬で乗りこんで来るのだ)異教徒であり想像を絶する他者であるライズリーは、当然暴力と不条理の象徴以外の何ものでもなく、怖れ抗う対象でしかなかったが、砂漠を横断しながら生活を共にしてゆく中で、その異端の中に誇り高い人間の魅力を覚えてゆく。
この辺ハリウッドのお得意の流れではあるが、こちらも乗せられてゆく。
砂漠という一種幻想的な空間の演出効果も小さくはない。
自然にライズリーとイーデン母子に感情移入している(役者のせいもあるが当然)。

The Wind and the Lion003

ライズリーが罠と分かっていながら、ルーズヴェルト相手の取引に応じ、彼女と子供らを引き渡すのだが、彼は捕まり拷問にかけられてしまう。それを助けたのがイーデンであり、アメリカ海兵隊とリフ族の協力によるものであった。
この終盤の主にドイツ兵たちとの戦闘は凄い。銃撃戦もよいが、大砲でリフ族たちが馬ごと吹き飛ばされるシーンが凄い。
人海戦術で凄い数の兵士と馬を集めたものだ。
今の映画では見られない、特有の臨場感である。
CGの滑らかな作り込みとは違う、ちょっと昔の仮面ライダーのダイナマイトの迫力を感じる。
スタントマンの頑張りも窺えるもの。ただ、馬が心配になったが。

The Wind and the Lion005

ルーズヴェルトがライフルの名手で、大きな熊を射止めて剥製にして飾ったことはホントなのだろう。
この熊の剥製がやたらと印象に残った。
ショーン・コネリーは何かと他の映画でも観ているが、キャンディス・バーゲンはホント久々に見た。
映画のストーリーの中でも特別扱いされているが、実際存在感は際立つ。プライドの高い女性役はピッタリである。
このカラー(色調)の映画は確かに久しぶりに観た。映画を観たという気になるもの。

The Wind and the Lion006

結局、この魅力的な、預言者ムハンマドの血を引く砂漠の王者はその後どうなったのか。
最後の終わり方が今一つ物足りない気がした。
余韻はよいのだが、、、。





BSにて






DAGON ダゴン

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Dagon
2001
スペイン

スチュアート・ゴードン監督
デニス・パオリ脚本
ハワード・フィリップス・ラヴクラフト『インスマウスの影』原作
カルレス・カセス音楽

フランシスコ・ラバル、、、エゼキル(唯一村に残っていた人間)
エズラ・ゴッテン、、、ポール(株のトレーダー)
ラクエル・メロノ、、、バーバラ(ポールの彼女)
マカレナ・ゴメス、、、ウシア・カンバラ(人魚いやイカ娘か、ダゴン教教主カンバロの娘)


クトゥルフ神話だ。まさに退廃と耽美。
雰囲気、粗い色調、トーンが禍々しく神話的。
廃墟のようなホテル、異端教会、ゾンビめいた村人、異様な美しさの教主の娘。
海洋の底に眠る異形の神が人間を取り込む。

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その神であるダゴンを崇拝する漁村インボッカに難破して助けを求めた主人公たちが、村人に襲われ生贄に、、、。
だがポールは、その一族であることが分かり、抗い続けた末、妹ウシアと共に海中で覚醒する。
(4人でクルージングに出る前から、ポールの夢には彼女が現れていた)。
まさに殻を破り、新たな生を得て永遠の命をもつダゴン(一族)として生き始める至高のハッピーエンド。

そう、人間としてのパラダイムの下闘っているうちは、人類の敵と映る邪神であったが、人類であることを捨てれば豊かな海の底の世界に招き入れてくれる神なのだ。
いやだが、人間を捨てるだけで良い訳ではなさそう。選ばれなければ、皮を剥がれて奴隷みたいに過ごす輩にされそう。
やはり危ういと言うか、普通に逃げた方が良いか、、、一度入ったら逃げられないみたいだが。
ポールも妹のウシアの尽力で助けられ、自力では到底新たな生を掴むことは無理であったな。
(大分頭の固い奴であったから)。

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この映画は主人公のポールが人間を捨てるまでの苦行をタップリ描き、最後の最後に運命を受け容れ至福の時を迎えるまでをスリリングにもっさりと描いたなかなかの秀作と謂えよう。
悪夢にも出てきて恐怖の対象として逃げ惑ってきたイカのような人魚のような娘が実は母違いの妹であり、彼女と共に暮らすこと以外に彼の生きる道はなかったのだ。
別にIT長者として地上に生きてもそこそこ幸せに暮らせたはずだが、、、。
結局、彼に取りバーバラと共に人間界で生きるか、母違いの妹ウシアと共に海中で過ごすかの違いである。
ただダゴンとして覚醒すれば不死なのだと。これも飽きるだろうな。しかし海中には面白いものが沢山いそうだし、、、。
わたしは、海中に一票(笑。いや何とも言えない。
かつて地球上で生命は何度も滅亡に限りなく近い危機に瀕してきたが、海の環境変化によるものである。
天体の激突も含め何が起きるかは分からない。核戦争も起きればもう後はないし。
余り呑気に構えている訳にもいくまいが。

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もうひとり、ダゴンの村にあり、普通の呑んだくれオヤジとして生きながらえて来たエゼキルは、人間として誇りある死を選ぶ。
プライドを捨て廃人として生き永らえるより尊厳をもって死ぬことを選ぶ。
だが、顔の皮を剥がされて死ぬという何とも悍ましく痛々しい死を迎える。
(大概普通の人間の男はこうして殺されるみたい)。
この映画は、このエゼキルを演じたフランシスコ・ラバルに捧げられている。

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ポールの恋人のバーバラは、ダゴンの神の生贄にされ、生まれた子供は永遠の生を得て海底で暮らすという。
彼女は恐らく子供を産んだら死ぬのだろうな。
バーバラの子は、ポールやウシアと出逢い一族としてこの先、愉しく過ごす事だろう。
どうもダゴン教の村人たちが幸せそうではないことが気になった。
奴隷みたいに惨めに暮らすのでは、面白くはない。それでは全く魅力がない。
変身して海で愉しく暮らす村人も描いて貰わないと、、、。
魚介類が大量に獲れ金も沢山見つかるようでなければ、この宗教を村人が守っている説得力がない。

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全体的なトーンはよいが、村人が悲惨過ぎた。
頼むぞダゴン。





AmazonPrimeにて






ボア

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Boar
2017
オーストラリア

クリス・サン監督・脚本


ネイサン・ジョーンズ、、、バニー(牧場主)
シモン・ブキャナン、、、デビー(バニーの姉)
ビル・モーズリー、、、ブルース(デビーの再婚相手)
ジョン・ジャラット、、、ケン(パブレストランのオーナ)
ロジャー・ウォード、、、ブルー(ケンの友人)


他のモノより10倍くらいはデカいイノシシがヒトを只管殺しまくるだけの映画。
形はただデカいだけで所謂、イノシシである。
腹を充たすために人を襲うというより、単に殺す為のよう。
キレイに貪り喰う訳ではない。殺すだけとか食い散らかして去ってしまう。
それ以外に何をか語る余地もない映画だが。

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ただデカいイノシシが何処からともなく現れ、突然の出現に慌てふためく村人たちを次々に餌食にしてゆく。
イノシシの全体像は、CGであろうか。
引きで、襲い掛かり首を引き千切るシーンなどはなかなか良いが、速度を速めて粗が見つからないようにしている。
寄って、アップで咬みつくような場面は頭部のハリボテと役者の熱演によるものか。
ハリボテ相手にご苦労様でした、と謂いたくなる。
そんな映画。

しかし、こんなデカいイノシシが音もなく人の隣にいるというのは、ちょっと無理を感じる。
いきなり至近距離で牙でやられるのだから、もう太刀打ちできない。
だがかなりの人数がやられているのに、村の保安官とか警察とかが動かないのが不思議。
目撃情報もあるのに、誰も真剣に事件に向き合わない。
「デカいイノシシが女を喰っていたのを見たんだ」「酔っ払いがいい加減なこと言って」と酒を昼間から吞んでいる。
登場人物のほとんどが、呑気に下ネタジョークを飛ばしてヘラヘラして。
ゴロツキの集まりかという感じ。

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地元オーストラリアの人が観たら気分を害するだろうに。
いくらなんでも。
主人公バニーのネイサン・ジョーンズは元オーストラリアのプロレスラーとのこと。
物凄い体格だ。
人相手では無敵だが、オオイノシシには叶わなかった。
だが、それと闘い重傷は負うが死ななかったのは、彼だけ。
しかし村人で協力し合い、猟銃で一斉に撃つなどすれば退治できるものであろうに。
最後は、ケンの娘が車で体当たりして怪我を負わせたところをデビーが銃で仕留める。
これだけ犠牲を出して、漸くこうなるか、というところ。警察がいない土地なのね。ここは。

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バニーも傷の手当てをしないと死ぬはずだが、他の助かった連中が明日の呑み会の予定を話していた。
勿論、彼も誘われる。
どうなっているのか。
最後のシーンで改めて、危機管理意識もケガ人対処の意識も何もない人々だわ。

まあでも、イノシシはきつかった。
襲う時の生々しく激しく残忍なシーンがあれでは、ちょっと興覚め。
役者がひえ~ギエ~とか言って叫ぶことで成り立たせているだけ。
大体、こんなに人を襲う訳が分からない。野生なら意味のない殺戮は普通しない。
腹が一杯になれば出てこないものだ。

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オーストラリア映画は以前にも観ているがずっとVFXもストーリーもしっかりしていた。
2017年の映画とは到底思えない。
1990年代の日本特撮でも、もっとやる。

ネイサン・ジョーンズが良い味出していた。
しかしその他はやはり、ゴロツキであった。
勿論、イノシシも意味不明。

思考停止して観る分には結構良いかも。
疲れたときなど、、、



AmazonPrimeにて




ジョナサン ふたつの顔の男

Jonathan001.jpg

Jonathan
2018
アメリカ

ビル・オリヴァー監督・脚本
グレゴリー・デイヴィス、ピーター・ニコウィッツ脚本
ウィル・ブレア、ブルック・ブレア音楽

アンセル・エルゴート、、、ジョナサン/ジョン: (建設会社に勤務・法律事務所勤務)
パトリシア・クラークソン、、、ミーナ・ナリマン医師: (2人の育ての親)
スキ・ウォーターハウス、、、エレナ: (2人の恋人)
マット・ボマー、、、ロス・クレイン
ダグラス・ホッジ、、、ハンス・リーバー:
ジョー・エジェンダー、、、マイルズ


アンセル・エルゴートは「ベイビー・ドライバー」主演の人。
注目の俳優だ。
正反対の2つの人格を持つ青年を演じる。
基本、ずっと真面目で内気で優秀なジョナサンの視座から描かれるが、、、。
BGMが静謐で神秘性と重みがありとても絵に馴染んでいた。
わたしの好きなタイプのSFであった。この監督には注目したい。

Jonathan002.jpg

午前7時と午後7時の12時間ずつ、2人の時間が割り当てられている。
つまり朝7時に起床して夜7時に就寝するジョナサンと夜7時に起床して朝7時に就寝するジョン。
精神科の担当医によりそのように割り振られたのだ。
お互いの情報のやり取りや気持ちを伝え合うには、ビデオを通して行う。
人生を目一杯愉しみたいジョンは、夜時間というところが微妙か。
(わたしの教訓は、感情のままに揺れ動く者は不安定ではあるが瑞々しいパワーに溢れ、生真面目で理知的な者は安定していて強そうに見えるが、あるところでポキッと折れてしまうものだということ)。

Jonathan003.jpg

面白い設定だと思う。
赤ん坊の時、全く泣き止まないので母がこの精神科医に縋り、多重人格によるものであることを掴んだという。
この辺、何とも言えない。
人格~意識は、全てに先んじて生成されているのか、身体的な覚醒と経験を経ながら形成されるのか。
わたしは後者であると考える。
生まれた時に既に多重に強固な意思と人格を主張していたというのはちょっと考え難い。
しかしもしそのような事態であるなら、人格を分けられるならそうしないことには生存そのものに関わるはず。

Jonathan004.jpg

耳の裏側にその為の装置が組み込まれていた。
ここがSFチックである(笑。このアイテム悪くはないのだけど。
7時切り替えの12時間というのも、そもそもこの時計時間が身体時計と融和出来るのか。
朝だけ男と夜だけ男である。
無理は感じる。生理的に。
面白いが。

しかしふたりをそのように分けてしまった担当医は、それぞれに対応・管理するためにかなりの寝不足であったようだ。
実は当初、もう一人の人格がおり3人は流石に手に負えない為、ひとりは消してしまったという。
そりゃこのやり方で行くとすれば24時間を3分割は無理だ。生活自体が破綻する。

Jonathan005.jpg

ジョナサンは大変優秀で社長から高く評価されフルタイムでの仕事を嘱望されている。
しかし気質も資質・能力も異なるジョンと入れ替わりシームレスな仕事は不可能。
それで新プロジェクトにも抜擢されながらも時間的制約から満足に勤められない葛藤を抱える。

一方ジョンは陽気に人生を楽しむ性格であり、彼女を作り本気になる。
だがふたりが完全に結ばれでもしたら、一日の半分はジョナサンが知りもしない彼女と関わることになる。
これもシームレスな関係など結びようがない。
とくに仕事で一杯一杯なジョナサンにはたまったものではなく、ビデオメッセージで強く非難し別れるように訴える。
まあ確かにこれはキツイかも。

Jonathan006.jpg

気を悪くしたジョンは毎日のルーチンである自分の時間に関するビデオメッセージを作らなくなる。
心配したジョナサンは、彼の彼女であるエレナに逢い、事情を話したりしているうちに、何と彼自身が恋に落ちてしまう。
何かちょっと気持ち悪さを感じるが、ジョンに内緒でジョナサンとエレナは愛を深めてゆくことに。
だが、2人の間での内緒事はご法度である。これは担当医が譲らぬところでもある。
担当医からそのことを聞いたジョンは怒り狂い、夜にジョナサンの職場に乱入して落書きなどをして激しい抗議をした。
お陰で会社でとても高評価を得ていたにも拘らずジョナサンは首となる。

確かにジョナサンはジョンの恋人を奪ったのである。しかも彼の恋愛を強く批判しておきながら彼女を奪うというそのこと自体、卑劣ととられても無理はない。
しかしジョナサンもジョンを心配の余り彼女に近づいたことで自然に惹き込まれてしまったに過ぎず故意ではないのだ。
この彼女が魅力的過ぎたのだろう。そうだ悪いのは彼女だ。
と言う訳にもいかず、彼に詫びて必死に慰めるジョナサンであったが、、、。
ジョンは自暴自棄となり自殺未遂をしたりジョナサンを巻き込まない為に自分を消してくれるよう懇願する。

Jonathan007.jpg

終盤は畳み掛けるようにスリリングな展開を見せる。
ジョンの激しい感情の揺れが彼の精神パワーを引き上げてしまいジョナサンの時間を侵食して行く。
ジョナサンの時間中にジョンの破壊的な感情とエネルギーが突き上げて来るようになる。
ジョナサンがジョンを気遣っていたはずなのだが、いつしかジョンの時間が身体を侵食しているのだった。
そして気を失い目覚めるとジョナサンはタクシーの中で、運転手は「大丈夫、心配するな、と伝えろと言われた」そうだ。
その後、短時間のうちに何度も入れ替わり「もう疲れた。さようなら」と運転手に(誰ともなく)告げる。
運転手はどこか悟ったような男で、その様子を特に訝るでもなく、静かに見守っていた。
彼らは海を見晴らす海岸に降りている。
運転手の名を聞いた後、彼は自分を「ジョンだ」と名乗った。






AmazonPrimeにて






パラレル 多次元世界

Parallel001.jpg

Parallel
2018
カナダ

アイザック・エスバン 監督

アムル・アミーン
マルティン・ヴァルストロム
ジョージア・キング
マーク・オブライエン
アリッサ・ディアス
キャスリーン・クインラン


若者4人のパラレルワールドに自由に行き来出来る鏡を発見したら人間どうなるかの御話。

Parallel002.jpg

パラレルワールドが、こちらの180倍速く進む。
こちらの1分があちらの180分となる。
この違いを利用し、ベンチャービジネスでは顧客の無茶な納期の要求に応えて成功をまずは収める。
これに気をよくした4人が最初はビジネスの成功の為に、協力して時間差を利用して儲けてゆくが、そのうちにバラバラに私利私欲のために暴走を始めてしまう。

Parallel003.jpg

パラレルワールドもひとつではない。
マルチバースであるから、無数にある。
しかし時間の速度の差はどの世界ともこの関係であったような。この辺に関する詳しい言及はなかったが。
また細部がどこも少しづつこちらとは違い、芸術などは、違いは他の領域よりも大きいものであった。
それらを調べては考察していたが、やがってその有様やシステムを考えるより時間差パラレルワールドを利用して欲を満たすだけに方向性が決まって行く。
この過程がかなり浅ましい。
最初この鏡、移動させようとしたら出来ず、鏡の面を少しでも傾けたら作動しないことに気付く。つまりこの場と角度の調整は出来ず、常にこの場が出入り口~ポータルとなる。
何でこんな装置が、4人で借りている部屋の壁の向うに封印されていたのか、その辺の謎解きなどには誰も無関心であった。
実用性に只管、目が向く。

Parallel004.jpg

他の世界から来た者はちょっと青みが掛かり少し形が歪んだりするので分かり易い。
どんどん、欲に任せて他の世界でやりたい放題にエスカレートし、遂に女性問題で脚を撃たれて出血性ショック死する仲間が出てしまう。
だが機転を利かせ、その代わりを別の世界から連れて来たり(つまり欠損の補填だ)、もう何でもありとなる。
しかしこちらに強制的に拉致された当人はこれまでの脈絡とどうも繋がらない点が幾つも見出され混乱を極めてゆく。
少しづつ違う流れで生きて来たとは言え、重要な経験が決定的に異なっていたりもする。
宝籤も当たり番号は異なっていた。

Parallel007.jpg

行き来を繰り返してゆくうちに彼らも精神を病み始め、欲望だけが野放図に増幅して行く。
ひとりは、幾つもの世界から発明品や先進技術だけを盗んで来て、この世界で発明王になろうとする。
もうその欲望しかなく、幾ら金が入って来ても満足が出来なくなっている。富の後は名誉か。
しかし何でもありの世界で、邪魔な人間を殺しても他から補充すればよいという考えに短絡してしまう大変危険なサイコだ。
芸術家で目の出なかった女性は、向こうの世界の自分の作品を盗用してこちらで有名な絵描きとなる。
しかし何とも虚しくなり自暴自棄になってゆく。
のび太が何でも願いが叶い、お噺の最後でちゃんとプラマイゼロに引き戻されて終わることがなければ、こんな風に虚無的になってしまうはず。
もうひとりは事業に失敗し、自殺した父に出逢いやり直そうとする。
彼はこの行き来の中で正常を保とうとするが、父との対話が叶い、芸術家の彼女とも愛情を確かめ合い、お互いに良い方向に流れを修正しようとするが、、、。

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もう一人の発明王を狙うかつての仲間にその彼は殺され、他の世界から代わりが連れて来られていた。
彼女は、そのことに気付き愕然とする。
そして偽発明王がまた邪魔になった彼らを消そうともみあいになり彼が怪我をして一瞬鏡に入った隙に彼女が鏡の角度を変える。
体が半分こちらに出掛かったところで、転送が切れた為、半分に切断された体がこちら側にバタッと倒れる。ここはやけに生々しい。
ここで鏡は破壊してしまう。
それが良い。欲望で身を亡ぼすだけの魔の入り口である。
封印となったか。

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死体処理して殺された代わりの彼と車で逃避行となる。金はあるし何処に行ってもどうにかなろう。
死んだ発明王が持って来た技術はそれぞれ各研究団体に匿名で寄付し有難がられる。
そして途中でガソリンスタンドに寄った時に、彼女が何故か鏡の世界に囚われ入れ替わった彼女が乗り込む。

何故だ?あそこのあの角度の特殊な鏡でのみ可能であったはずが、、、
何の説明的状況も省かれ、、、
ともかく彼女は入れ替わっていた。
その先どうなるのか、ほぼどうでもよい感じの噺に既になっていた。あんまりだわ。

微妙な映画であり、パラレルワールドを前提にしているが、SF要素はほぼ無く、欲望に翻弄され自滅する4人の元仲良しグループの噺であった。サスペンス物の好きな人には向いているだろう。




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約束の宇宙(そら)

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Proxima
2019
フランス・ドイツ

アリス・ウィンクール監督・脚本
ジャン=ステファヌ・ブロン脚本
坂本龍一 音楽

エヴァ・グリーン、、、サラ: (フランス人宇宙飛行士。シングルマザー)
ゼリー・ブーラン・レメル、、、ステラ: (サラの娘、学習障害)
マット・ディロン、、、マイク: (アメリカ人宇宙飛行士)
ザンドラ・ヒュラー、、、ウェンディ: (ステラを担当する女性職員)
アレクセイ・ファテーエフ 、、アントン: (ロシア人宇宙飛行士)
ラース・アイディンガー、、、トーマス: (サラの元夫。ステラの父。宇宙物理学者)


子供を持つ女性宇宙飛行士の生き様を描く、子育てドラマ。
ESAで飛行訓練に明け暮れる女性を描くが間違ってもSFは関係ない。
だがキャストが良く雰囲気もトーンも心地よい。
母の感情の振幅はかなり激しいが(それに対応する娘役がやたらと上手い)。

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如何にも自立心旺盛のフランス女性という感じのサラ。
仕事の場に私事~娘関係を持ち込み過ぎな感じもするが、子育て重視であることは大いに賛同する。
だが、やり方が良いとは思えない。
共に搭乗する飛行士と安全管理~危機管理の重要なミーティングに子供を断りなく連れて来て、子供がいなくなったと勝手にその場を離れ探しに出て行ってしまう。
何と自由な。感情に任せた行動で大丈夫なのか。

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これは頂けない。3人でこれから火星に向おうとするのだ。
その前の重要な会議に公私混同は言語道断であろう。
注意するロシア人飛行士には、文句を垂れる。この辺は観ていて不快。
連れて行ってもらった子供は自分の相手をしてくれるはず、と当然思う。だがその場に行くと放っておかれれば詰まらなくて出歩くのも当然。ちゃんと言い聞かせてホテルに(父に)預けておくべき。中途半端はどちらにとっても不味い(危機管理のおいても)。
自分の感情に忠実というか最優先というのは、このようなミッションにおいてどうなのか。

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だが、重要な任務にありながら最大限、子供と接する時間をもとうとする気持ちはとても大切だ。
娘は幸せだと思う。忙しくて実質時間が取れなくても、飽くまでも気持ちの問題だ。そこはしっかり通じる。
母親によっては適当な理由をつけ子供を極力遠ざけようとする者もいる(忙しいなどと)。
近くにいなければならなくなれば、自分の対象化出来ない鬱積した感情~ストレスを全て子供にぶつけて来る。
そういう親も確かにいる(そういった親ほど、ストレスフリーで長生きもする。呆れる)。

フランス人として彼女はロシア人の中の入る。
ソユーズに乗って行くのだ。
よくある先輩の高圧的な見下した態度~言動。
これにはめげず頑張る。フランス女性はこういうところは強い。

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この映画、訓練の過程はかなり濃く描かれ、子供との繋がり~愛情、勉強の心配、元夫との子供を巡っての葛藤などもタップリ演じられるが、ロケットが離陸したところで噺はお仕舞である。
そういうテーマの映画であるから、良いのだが、、、。
飽くまでもシングルマザーの子育て奮闘記以外の何ものでもない。

とは言え、訓練方法は面白かった。
これは、きっとESAで実際に行われているものだと分る。
それくらい信憑性を感じた。
まさかこの場でオチャラケやっても意味はない。
きっとかなりの協力の下の撮影のはず。
これらのシーンには好感を持った。
かなりハードである。わたしもダイエットの為にやってみたくなるが、到底続くような生半可なものではない。

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最後の最後に娘と約束していた、ふたりでロケットを観るということをもう隔離された状況になりながら部屋を脱出して深夜、娘を車で連れてゆく。
元夫も、お前何やってんだ!と目を丸くして言うが、これは掟破りとは言え、母と娘の間にはどうしても必要なことであった。
娘はこれで納得し、母もこころが安らぐ。
思い残すことなく宇宙に旅立てる。見送れるというもの。

その後、帰って母は体中を殺菌する。
こちらは見つからねば良いがとハラハラしたが。
見つかったら即、控えの飛行士にチェンジ必須だ。
結構、危ういことを度々してくれる。
母は強しと言うべきか(無鉄砲でもある)。

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まあ、子供を奥さんに任せた男の世界で女性がしかもシングルマザーが対等に張り合ってゆくのだ。
それは大変なはず。
舞台は、別に「欧州宇宙機関」ESAでなくともよい。
どんな職場でも同じだ。
但し、この職場は一つ間違えれば、命はない。娘と二度と逢えなくなる。
(だから安全~危機管理は重要になるはず)。

最後の母の乗ったロケットの光が夜の闇に吸い込まれるように消えてゆくのを見守る、娘の表情に収斂する。
葛藤はあったが清々しくエンドロールへ。
坂本龍一が音楽を担当。溶け込み具合は申し分ない(しっかり聴かせるが主張し過ぎない)。




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何だか分からん

EL HOMBRE QUE VINO DE UMMO001


変な書類書きをほぼ半日していて発狂寸前まで来た。
頭と体を休ませねばなるまい。
ということで、こんな時に観たいのはライトホラーである。
それでは、と言うことで、、、。
如何にもという奴を。

EL HOMBRE QUE VINO DE UMMO002


「モンスター・パニック 怪奇作戦」というのを観始めたら寝てしまった。
EL HOMBRE QUE VINO DE UMMO
1970
スペイン、西ドイツ、イタリア

トゥリオ・デミケリヒューゴ・フレゴネーズエベルハルト・メイシュナー監督

マイケル・レニー
カリン・ドール
クレイグ・ヒル
パティ・シェパード
ポール・ナッシー
マニュエル・ド・ブラ

BGMが曲者。催眠術の音だ。
出て来るのも皆、のんびり歩く、ドラキュラや狼男やミイラ男や妙にのっぺり顔のフランケンだ。
そして間の抜けた叫び声をあげる美女と訳の分らぬ機械を操作する博士の姿をした何とか星人である。
地球人を滅ぼして自分たちの星にするようなことを表明しておいて、何だかちまちま伝説上のクリーチャーたちを目覚めさせて、一体何をどうしようと謂うのか、、、
観ていたつもりが、途中から夢で観ており、先程目が覚めると、映画はまだやっている。

EL HOMBRE QUE VINO DE UMMO003

夢の映像と繋がっていたかどうかなど知らない。
起きたところで夢の文脈は忘れている。
だが継続してクリーチャーと独特の効果音の世界に浸っていたのだ。
それは間違いない。
実際にそれを観ていたのだし。

面白い。この映画、夢を侵食してくる。
音だ。やはり音だと思う。
音に秘密がある。
最初から妙にこじゃれた軽めの音楽と奇妙なBGMに感覚が侵されていた。
罠とも言えよう。
VFXのショボさは抽象的な魅力を醸していた。
(これは計算のうちではなかろう)。

EL HOMBRE QUE VINO DE UMMO004

ともかくのっしりのっしりとクリーチャーが行ったり来たり寝ころんだりしているところにサブミナル音響が絡むとこちらも錯綜する。
これは革新的な秘密実験なのかも。
これから映画を作る人は、この辺も計算して取り込んで作ると面白いモノが出来るはず。
音はかなり適当に流す人が多い。
無機的に機械的に厳密につけるとどうなるか、よい例だ。

狼男は髭と牙があるだけだし、フランケンはつるつるのっぺりロボットみたいだし、ミイラ男は粘土色の地味なキャラ。
狼男がそれらを皆、倒してしまう。彼は人類の見方なのだ。
しかし変身してしまった姿に恐れを抱き恋人は彼を撃ち殺してしまう。
結局同士討ちでふたりとも死ぬ。しかし人類は救われた。
何だか分からないが。

EL HOMBRE QUE VINO DE UMMO006

この宇宙人は地球征服どころではない。
地球人の情熱に負けたとか言っている。
変なクリーチャー蘇らせて刑事には狼男の片割れを殺され、もう一人の彼女を守る狼男が残りのクリーチャーに挑んでゆく。
この辺に情熱感じちゃったのね。
まあいつもながら警察は組織としては何の役もしない。

結局、博士と助手の女性は一度死んだひとの身体を使っていた為、単にその場から消えただけ。
地球征服は、情熱の感情がある限り無理なそうだ。
まるで関係ない理由で言い訳を本部に伝える博士宇宙人。
これが通るようでは、この宇宙人が絶滅するしかないわ。

EL HOMBRE QUE VINO DE UMMO005

ひとつ情熱的に生きてみないか、という映画なのか。
素晴らしい。
ほとんど眠っていたので、細かいことも大筋もよくわからないが、要素の動くリズムと計算された無機的効果音を上手く操作することだ。
それをしっかり方法論化すれば、どしどしヒット作も可能かも。

噺そのものは、日本のかつてのドラマ「怪奇大作戦」の方が余程よく出来ている。
だがこの映画は、噺の出来~内容レベルではないところで勝負している。
しかし成功しているのかどうか、寝ている時の記憶がほぼ無い為分らない。
美女を集めて助手にしていたが、その後彼女らはどうなったのか。
元に戻ったのかしら。

EL HOMBRE QUE VINO DE UMMO008
EL HOMBRE QUE VINO DE UMMO007

わたしも今日は、こんなふうに頭がおかしくなりそうだった。
これを観て少し休まった気がする。昼寝をしたためだけかも知れぬが。


またこんな映画に出くわしてみたいものだ。





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ピース・オブ・マインド

Piece of Mind001

Piece of Mind
2010
カナダ

ジュンガ・ソング監督・脚本

ローグ・ジョンストン
アダム・テクマン
クリスティン・アジズ
ビクター・チウ
ダニー・バーカー


ここでは鬱陶しい幽霊たちに悩まされる画家~現在無料食堂の従業員がヘトヘトの状況という噺であるが、、、
この類に悩まされ続け、日々いっぱいいっぱいのヒトはいる。
あながち他人事ではない。

Piece of Mind000

霊は全て自殺者のようで、この世に未練たっぷりみたいで元画家の近くに纏わりついて離れない。
見える為か引き寄せてしまうらしい。引き寄せるから見えてしまうのか。
これから自殺しそうな人も直ぐに分かり、その人を救おうとするが、当然変な人扱いされる。
そして彼から離れ、自殺した後で彼に無念を打ち明けに来たりするから、たまったもんじゃない。

こういう悪循環のドツボに嵌ってしまう流れが立ちきれないのだ。
分る。こういうパタン。すぐ傍にうじゃうじゃいつも寄って来ているのが生理的に限界。
彼は重度な自閉症スペクトラムとして入院も勧められる。

Piece of Mind003

勿論、取り巻きの幽霊たちは、周りの人間には見えない。
彼一人にしか見えないことから、彼の幻想(幻視・幻聴)とも受け取れる。但し確実にあるのは、苦悩・苦痛。
つまりそういう病として。こういった映画では両方に受け取れるように描くのもひとつの定石。

どれだけわたしもこうした渦中にあったか。勿論、幽霊ではない。馬鹿だ(リアルだが霊障のひとつとも言われそうだな)。
「北米では5人に1人は幽霊の存在を信じている」とテロップにあったが、鮫と幽霊がホントメジャーなのね。
ホラー好きなのも分かった。キリスト教との関係も深いし。
わたしにはその点は全くどうでもよい。

Piece of Mind002

関りの在った、歌手で成功したいう女子高生が、親や周囲から気持ちを汲んでもらえず自殺する。
彼は、一生懸命希望を持たせようとしたがダメであった。
しかしアル中で親権を争っている往年の女優は彼の励ましにより更生する。

人に寄るのだ。
女子高生の幽霊が、わたしを有名にしないと許さないわよと脅しに来る。
プロモーションは大変難しいので、今彼の働く無料食堂で彼女の生前作ったデモを流す事にする。
そうしたらその霊はニコニコして去って行った。単純な事案もあるらしい(日本ならもっとしつこいはず)。

Piece of Mind004

まあこういった鬱陶しい障害は当人にとり、それに酷く悩まされていることを認めてくれる他者がいるかどうかで大きく違う。
この元画家は職場の同僚の献身的な女性とカウンセラーの方法論の転換により解放~快方に向く。
この同僚とは恋仲となり、カウンセラーは見えないのに見えるわあなたが正しかったのねと彼の苦しみには寄り添う。
抱えている問題を汲み取ってもらえるかどうかの差は天と地の差となる。

下手をすればこの画家も自殺していたかも知れないのだ。
こうした信頼の拠り所があれば、周囲の雑音は然程きにかからなくなる。
薄れて消えてゆく。


共感できるかどうかは、観る人による。
映画の出来は、そこそこ。





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トウキョウ・リビング・デッド・アイドル

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2018

熊谷祐紀 監督・脚本

浅川梨奈、、、神谷ミク(「TOKYO27区」のセンターメンバー)
阿部夢梨、、、三浦モエ(「TOKYO27区」のメンバー)
尾澤ルナ、、、福井ユリ(「TOKYO27区」のメンバー、リーダー)
星守紗凪、、、如月(上級ゾンビハンター、神谷ミクのファン)
尚玄、、、犬田満男(私立探偵)
中山優貴、、、吉岡(「TOKYO27区」のファンオタク)
山口智也、、、長岡(「TOKYO27区」のファンオタク)
亜紗美、、、手強いゾンビ剣士


小学生でもこれくらいの本なら書ける。
にも拘らず何となく観れる。1時間半くらいで隙間時間に観れる。
そんな映画を探していたのでピッタリよ(小学生の方がもっと整合性のあるものを書くとは思うが)。

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浅川梨奈ファンならきっと愉しく見れるはず。
ファンでなくてもそこそこ愉しく見れるので問題ない(イクちゃんファンのわたしでも)。
噺とか全くどうでもよいので、星守紗凪と(後半)浅川梨奈がゾンビを倒しまくるアクションなどで盛り上がれば良いでしょ。

そう、監督は恐らくアクションを観てもらいたいのだ。
見せ場はそこである。
その他には全く何もない。ゾンビの存在感も薄かった。不気味さも怖さも全くない。

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ゾンビに噛まれて72時間の間に何とかしなけりゃというタイムリミットモノである(よくある定番)。
途中でマッドサイエンティストが開発した血清のあることを知り、それを打てばゾンビ化を免れる為、その血清を持つ監禁された少女を探しに奔走する(特定の少女が持っていたのね)。そこに行き着くまでに手強いゾンビたち相手に戦う、という分かり易い筋書き。だが分かり難い。

何でそうなるの?だらけなので、ストーリーには全面的に目をつぶる必要あり。
ギャグも入るが、どういう意図のギャグだか分らない。
全く意味のないアクションに興じるゾンビも出て来るが、ゾンビの自己満足か監督の趣味なのか。

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意味不明な中、腕をゾンビに噛まれたアイドルグループ「TOKYO27区」のセンター神谷ミクと何とかしてと泣きつかれて同行する探偵の犬田満男がほぼ何の当てもなく血清を求めて彷徨い歩く。血清を持つ少女の存在は情報屋から仕入れるが。
ここで言うのは「血清治療」のはずだが、つまり免疫抗体を持つ対象の血液から血清を分離して投与するもの(遠心分離機を通して)。
しかしミクは探し当てた少女の血液を採取してダイレクトに自分に注射しただけ。これはただの輸血でないの。
そもそも血液型も調べずにいきなり輸血したら、大変な副作用も起きる可能性大。O型ならともかく。フ~これで助かったって何よ。

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この少女に関する情報は、国家の重要機密にあたるもので、政府も深く関与しているみたいなことを探偵も言っていたのだし、街を何となくうろついていて見つかる道理はないだろうが。タイムリミットのある中。しかも思い出の野外舞台に来て歌を唄って思いに耽っている場合では尚更なかろうに。やる気あるのか状態であるが、そこに上級ゾンビハンターの如月が現れ、父に命ぜられたとおりにミクを抹殺処分に処すのかと思いきや、わたしあなたのファンなの、と来てその抗体を保持する少女の居場所知ってるわよ、案内するわと来た。
何なのこれ。ご都合主義とか言う次元ですらない。というところで、都庁の地下に潜り込み、その少女を3人で探すことに。
手強い進化型ゾンビが現れ立ちはだかる(自分の意思を持つゾンビだと)。
アクションだけは力が入っているが、探偵がハチの巣にされたのにまだ生きていて相手の手榴弾を爆破させ諸共に吹き飛ぶとか、剣で刺されたのに、如月は血清でゾンビ化を免れた身である為か(ある意味不死身でもあるってことなの?)、普通に起き上がってミクと少女と共に生還するのだ。探偵は完全に無理だが(ミクの巻き添え以外の何ものでもないが、彼女は助かったと安堵するのみ)。

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突飛な荒唐無稽な筋や設定でも一向に構わないのだが、文脈上納得のいく説明もなく訳の分らぬことを普通にやられても困る。
これはこういうことになっているから大丈夫ということは最低限嵌め込んでおいて欲しい。
それは謂わない約束であったが、どうにも障害となってくる部分はある。
この映画はそれを言い出したらキリがない。いくら元警官だからと言って探偵が銃を撃ちまくれるはずもないとか、、、
あげだしたらキリがないのよ。

見事な剣による殺陣を見せていた星守紗凪女史は、声優で歌手でもある人。
最近、声優アーティストとか言ってやたらと声優さんがステージで歌やパフォーマンスを披露したり劇で俳優やったりが多くなった。
この人も女優でも充分にやって行けると思う。だいたい声優だから活舌が良いし言葉~発声の演技はしっかりしている(当たり前だが)。
もごもご喋る俳優よりずっと何を言ってるかは分かる。

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まあともかく、浅川梨奈ファンには、彼女が始めから最後までずっと出ているので、有難い映画であろう。
わたしも何となく星守紗凪の殺陣を観て愉しめたからよしとしたい。
退屈なラブコメよりも味があると思う。





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ベイビー・キャッチャー

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Still/Born
2017
カナダ

ブランドン・クリステンセン監督・脚本
コリン・ミニハン脚本

クリスティー・バーク、、、メアリー(妻)
ジェシー・モス、、、ジャック(夫)
マイケル・アイアンサイド、、、カウンセラー
シーラ・マッカーシー、、、メアリーの母
レベッカ・オルソン、、、レイチェル(近所のメアリーのママ友)
ジェン・グリフィン
ショーン・ロジャーソン
ディラン・プレーフェア


今日は最初に凄いロシアSFを観てしまい、、、途中で放棄してこっちに飛び乗った。
1時間半ちょっとのホラーだ。ホラーには最近重宝している。何も考えずにただ観ていれば良いということで。
先に観たのは、酷く評論家ウケの良さそうなロシア映画であったが、今わたしが観るには余裕がなさ過ぎた。
別の機会にどっしり腰を落ち着けて観てみたい。
飛んでもない通好みの映画であった。如何にも専門家、評論家には好評に違いないというタイプの映画はある。
その典型的なタイプのもの、、、。そのうち書くかも。

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じわじわ危ういタイトロープの上を渡って来るような映画ではある。
出産時に双子の片方を失ったことから、残った赤ん坊を巡り大きな騒動が起きる。
奥さんにとっては飛んでもないホラーに見舞われているが、周囲には産後鬱としか捉えられない。
カウンセラーに病だと謂われ強迫観念を和らげる薬を飲まされる。まあ通常こういう流れにしかならないが。

だが、このような現実は大変多い。と言うより全てがこういう構造でしかない。
ことばで自分の現実をどれだけ相手に伝えられるものか。
まず無理だろう。それが不条理な事であれば尚更。
そこを突いてくるのはホラーの定石でもあるが、この映画はそこが徹底している。
最後の最後まで悪魔が赤ん坊を狙って来るのか、奥さんの重度の産後鬱から来る幻視・幻聴なのか、定かでないのだ。
この辺は上手い。ただ奥さんの追い詰められっぷりが尋常ではない。

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但し内容的にずっと引っ掛かり続けるところはある。
何で向うの人は、生まれたばかりの赤ん坊を階の違う部屋~個室に1人で寝かせるのか。
そこに収音マイクや監視カメラを設置して二階の自分のベッドルームで様子を窺っている。
別に問題ないなら余計な口を挟む義理ではないが、生まれたばかりの乳幼児にとり母の心音を直截感じスキンシップを密にして過ごすことは、子供の心身にとり大変重要なものであることは立証されている。生まれたばかりのサルをプラスチック製の作り物の母に抱かせ乳だけしっかり飲めるようにしていても直ぐに死んでしまうという実験があった。
何でもないならともかく、モニタやスピーカーにしょっちゅう奇怪な事態が見出せ、その都度キャーキャー言いながら階段を駆け下り息子の部屋に飛び込むのなら、同じ部屋にベビーベッドを置くとか母親と一緒に寝かすとか、しないのか。
文化~風習・習慣的にそういう例がないにしても悪魔に喰われるような事態が発生していると謂うなら、噺は違うだろう。

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実に頭の固い連中だ。
それはそれとして、悪魔が前の子は旨かったから、もう一人も喰わせろと言って来て何度も連れて行こうとしたり、旦那とママ友の浮気偽造ビデオを見せたり、監視カメラを観るとこれまた自分が子供を殺そうと画策していたり、と生成AI並みの動画偽造スキルも持っているのか、そうではなく奥さんの病的妄想なのかをどちらとも取れる形で引っ張るのは、噺としては面白い。
(但し旦那のジャックが自分で取り付けさせたカメラにわざわざ写るような構図で浮気をするか、ちょっとは冷静に考える事は出来ないものか。悪魔も甘いが奥さんは単純で思慮が無さ過ぎる)。

旦那は実に優しい気配りの出来る、働き者の旦那であるが、出張が多いことが、悪魔~奥さんに付け入る隙を与える。
ママ友もとてもフレンドリーで話も聞いてくれる面倒見の良い人であるが、浮気ビデオにより奥さんは大きく惑わされる。
更にウェブ上にわたしは子供を悪魔に攫われたという記事を上げている夫人の噺の影響も大きい。
ただし太腿に付いた痣の形が、その夫人の子と同じ形なのだ。この辺も大いに不安を煽る。
旦那も各部屋に監視カメラを像説したのもその痣を発見してからだ(奥さんの他害を疑った部分である)。

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しかしもっと子供を身近に密に置けばかなりの問題は解消されるはず。
カナダってこうなの?ちょっと驚く。
また悪魔という観念がキリスト教徒の絡みでやはり根深いものなのね。
日本におけるお化けとは、日常の文脈への絡み方が違うことは、これなど見ると察することはできる。
何か良からぬ事があると悪魔の仕業かと思えてしまう人はいるんだろうな。
ここでは双子の片方の流産であった。
全てはここから始まる。

それにしてももっとも大きなとばっちりを受けたのはママ友である。
悪魔の噺~情報から、代わりに生贄を差し出せば、自分の子を助けられるというネタを仕入れてしまった為、もう正気を失った奥さんがママ友の赤ん坊を差し出そうとするのだ。これ飛んでもない自己中な考えであり許されるものではない。
この奥さん、全般的に見て、あまり頭が良くないことは分かる。
赤ん坊を手にかけるすんでのところで、彼女は射殺される。これは仕方ない。その直後に知らせを聞いた旦那が子供を抱き駆けつける。奥さんは既に悪魔に子供は連れ去られたと信じていた。

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奥さんとそれ以外の人間の幻想が違い過ぎた。
この映画では誰も悪意の人はいない。
旦那もママ友も実に良い人だ。
抱く幻想の違いにより、これ程の悲劇が生まれる。
しかし最後にテープレコーダーの再生により、旦那は射殺された奥さんの生前の現実を垣間見る。
そして赤ん坊は無事にベッドに寝ているのかどうか、それを確かめるところで終わる。





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悪魔の沼

Eaten Alive001

Eaten Alive
1977
アメリカ

トビー・フーパー監督・脚本
アルヴィン・L・ファスト、キム・ヘンケル脚本

ネヴィル・ブランド、、、ジャッド(モーテル「スターライト・ホテル」の主)
メル・ファーラー、、、ハーヴェイ・ウッド(クララを捜索する父)
スチュアート・ホイットマン、、、マーティン保安官
マリリン・バーンズ、、、フェイ(ロイの妻)
ウィリアム・フィンレイ、、、ロイ(夫)
カイル・リチャーズ、、、アンジー(ロイ夫妻の幼い娘)
ロバート・イングランド、、、バック(金を持った不良)
クリスティン・シンクレア 、、、リビー・ウッド(ハーヴェイの娘、クララの姉)
キャロリン・ジョーンズ、、、ハッティ(売春宿主)
ロバータ・コリンズ、、、クララ(家出娘)
ベティ・コール、、、ルビー(売春宿従業員)
ジャネス・ブライス、、、リネット(バックの恋人)


やはりホラーが軽いノリで観れるのでわたしには都合が良い。
少し古めのアメリカンホラーにした。
トビー・フーパー監督は『悪魔のいけにえ』で有名。
この映画も独特の風合いがあり、粗目でヌメッと暗い画質も丁度良い。

Eaten Alive004

セットと一目で分かるモーテルの中とその周囲だけで噺が進むのだが、どうも気温が全く掴めない。
まあ夜だし、雨でなければ天気は気にはならぬが、出て来る女性が皆軽装なのだ。
というか、とてもしっかりした淑女風の人がコートの下は裸であったり、、、。
何だか空気が分からない。

女性陣は皆綺麗で脚線美なのだが、それがシャワーや風呂に入ると言う訳でもなく、分かるのだ。
文句を言うところではないが、1人がそうなのではなく皆が同じ調子なので、きっとアメリカの暑い土地なんだろうと思う。
クロコダイル飼っているのだ。そのモーテルで。寒いはずは無いな。

Eaten Alive002

出て来る男が皆訳アリで、変というのも面白い。
たまたま1人がそうなのではなく、保安官(これもちょっと怪しい)以外は少なくとも皆、変。
病みまくっているのだ。極端に。
特に病んでいるのがモーテルのオーナー。
汚いことこの上ないモーテルに折角入って来た客を皆、クロコダイルの餌にしてしまう。
だいたい、モーテルのこれ沼なの?池に見えるが、まあそんなモノが飼える水場があるのが、変。
日本だったら鯉だと思う。そういうところは幾つも観たことがある(とても小綺麗で風情があった)。
クロコダイルはこうして育てて来たのね。ここではスヌーピーというアンジーのペットの犬が最初に喰われる。
(この時、鰐がハリボテであることがはっきり分かる。しかし鰐に噛まれればアウトである以上、鰐のスペックではなく、飽くまでもその水に落とされるかどうかの問題となる)。皆、隙だらけなので面白いように落とされる(笑。

Eaten Alive003

これまでに相当な数の人が行方不明となっているはずだが、、、
で、ちょっと調べてみると、ジョー・ボール事件という1930年ごろにテキサスであった事件を元にしているという。
そういえば、「悪魔のいけにえ」も何とかという事件をモチーフにしていたみたいだが、監督は思い切って自由に作ったみたい。
多分、本作もそうであろう。女性たちの服装がよく分からないのだが、監督の趣味の問題と言うなら気にしない。

しかし、フェイとリビーのギャーギャー騒ぐ声、途轍もなかった。これでは夫のロイがノイローゼになるのも無理もない。
家でも事ある毎にキーキーギャーギャー母娘で騒いでいたに違いない。
これ同情するわ。ホント。
ここでも二人ともフルパワーで騒ぎ続ける。
ベッドに縛り付けられた母のフェイはずっとドッシン・ドッシン暴れ続けるタフさを発揮。
娘のアンジーは床下に潜り込み、キエーキエーと金切り声を発する。ネズミも驚く。
ジャッドもイライラが頂点に達する。
(とは言え彼が鰐に喰わせようとするからだが)。

Eaten Alive006

この物語、唯一の病気軍団ではない(とは言えまともとも謂い難い)嫌みなキャラであるバックがやたらと金をちらつかして、遊びまくっている。
売春宿で特別待遇で遊んでから恋人のリネット連れてよりにもよって「スターライト・ホテル」にやって来た。
この日の「スターライト・ホテル」は大繁盛だ。次から次に客が来るのだ。
凄い汚いモーテルにも関わらず。
主のジャッドとバックには因縁がありそうで、露骨に彼を嫌っているが、金を握らされ部屋に入れることに。

そしてロイやハーヴェイと同じように鰐の餌となる(笑。この日は鰐にとって満腹と言うより、喰い過ぎの日ではなかったか。
だが、恋人のリネットはほぼ裸のまま逃げ切る。通りかかった車に拾われ。
これで救援が来るか、と思ったのだが全く関係なかった。そういう女ではもとよりない。もう登場もしない。
ずっとフェイとアンジーはヒステリックに助けを求め叫び続け、リビーにも危険が迫る。
せめてあの保安官にと思うのだが、、、
この辺、妙にシリアスではある(笑。

Eaten Alive007

この物語、モーテルの主人が鰐を飼おうとしたところで、こうなる運命であった。
自分の片足を喰いちぎった鰐を律義に飼うという神経はどういうものか。
鎌を振り回し、義足で素早い動きも出来ないのにせっせと餌となる人間を襲ってゆくのだ。
鰐は彼に感謝すべきだろう。

最後の最後にフェイを襲い重傷を負わせた後、アンジーを助けようとするリビーたちを襲おうとして、自分が鰐の沼に落とされる。
暫くして義足が水面に浮かんできてお仕舞。
クララ捜索に来たハーヴェイとリビー父娘との関りでこの一件の担当となったマーティン保安官が全て終わったところで「大丈夫か」と駆けつける。毎度のことだが。
言っておくが、大丈夫ではない。

Eaten Alive005

この粗い画面の質感が物語にピタリ合っていた。
観終わってみると、それぞれのひとにとり鰐の洗礼の儀式はどのようなものであったか、、、。
感慨深いものである。
かなり好感のもてる怪作であった。

わたしは一番最初にさらっと犠牲となるクララが生き残るヒロインに相応しく思ったのだが、最後にルビーに借りた金を返しに行く。
それでお仕舞、がすっきりしていて良い。クララには何処かに逃げて身を隠していてもらいたかった。
もしわたしがリメイクするなら、そうしたい(爆。






AmazonPrimeにて






”Bon voyage.”

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