ゾンビーバー

Zombeavers
2014年
アメリカ
ジョーダン・ルービン監督・音楽
ジョン・カプラン、アル・カプラン脚本
レイチェル・メルヴィン 、、、メアリー
コートニー・パーム 、、、ゾーイ
レクシー・アトキンズ 、、、ジェン
ハッチ・ダーノ 、、、サム
ジェイク・ウィアリー 、、、トミー
ピーター・ギルロイ 、、、バック
レックス・リン、、、スミス
こういうのをホラーコメディとか言うのか?
CGはほとんど使われていない感じ。
よく高校、大学生の出てくるものには、下ネタが会話などに挟まれその世代感を出したりする演出に使われるが、この映画では下ネタが終始物語の基調となり、それなしに噺は進まない内容になっている。
しかもそれが面白おかしい学園コメディなのではなく、最後には独りもいなくなる大変なホラーなのだ。
しかもストーリーそのものは、よく出来ている。
基本的にとても変な発想の妙な噺なのだが、その前提を受け容れればしっかりしたゾンビホラーの作品と謂える。
見るからにお馬鹿学生たちであるが、人間関係におけるドロドロとした心情の動きはよく分かる描かれ方であった。

大型トラックの無責任脇見運転ドライバーが鹿を轢き殺した衝撃で、川に落下させたドラム缶から汚染物質が流出した。
その物質の影響で、ビーバーが獰猛なゾンビと化して週末のバカンスにやって来た男女6人の大学生に襲い掛かってゆく。
湖畔に遊びに来た学生たちは、次々にそのゾンビーバーに襲われパニックになる。
ログハウスに立てこもり中から木で出入り口を塞ぐなどして身を守ろうとするが、ビーバーにとって木は全く意味がない。
人にとって分が悪い夜間こそビーバーにとっては活動時間となる。
叢から沢山の光る目に取り囲まれて怯え慌てふためく若い男女。

何と襲われて、殺されなくても傷を受けるだけで、少し時間が経過するとその人間はビーバーに似た尻尾も前歯もあるゾンビに変身して人を襲うのだ。
どちらかと言うとビーバーに襲われるよりゾンビ化したビーバーゾンビ人間に襲われる方が怖い。
もう絶体絶命の恐怖の惨劇が連鎖してゆく。
よくビーバーでここまで持ってこれたとちょっと感心しながら、入り込めた。
(ビーバーの動き自体にはかなり制限~限界が見える)。
ふっと絶妙なタイミングで出現するハンター?が何とも言えない立ち位置である。
凄く頼りになりそうで、ゾンビバー人間にあっけなくやられてしまう。
こういうガードマンをどの程度有効に使い引っ張るかは悩ましいところか。

そして最後の最後にひとり傷だらけで生き残った女子大生が、自動車道にやっと出てよろよろと助けを求め歩いてゆくとその先から大型トラックが走って来るではないか。歓喜して手を振るが、そのトラックこそ最初に出てきた鹿殺しトラックであった。いつもそうなのかスマホに脇見をしていて、彼女も轢き殺される。
呆気なく、、、。
そして、、、誰もいなくなった。

ちょっと捻りを感じたのは、真面目風で慎重な感じの最後まで生き残りそうなタイプの女子が最初にゾンビ化して仲間を襲い、自分を裏切った彼氏をゾンビとして一物を食いちぎり葬るというある意味、理にかなった行動をとる。
元はと言えば彼女の親友の眼鏡女子が自分の体に傷があることを知り、(もうやけくそよと言うか、本心なのか)その彼を誘ったのだ。この辺、結構切羽詰まった凄い愛憎関係が噴出してくる。
この眼鏡女子、ゾンビーバーには噛まれていない女子を、そろそろあなたもゾンビになるわと撃ち殺そうとしたり、追い詰められた時の自己中心な誰をも巻き添えにしてやる感が半端でなく出ていた。
そしてやんちゃで如何にも一番最初に犠牲になりそうな娘が最後まで残るところが、意外に感じはした。一番開放的なお馬鹿で罪はないという感じの娘だ。まあ、エンドロール直前で絶命するが、そのトラックは死神なのか。
しっかりまとめてはいる。
何も考えずに観るには最適なものだ。
